Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

THE GREAT 〜エカチェリーナの時々真実の物語〜9

2021-04-15 08:22:00 | その他の映画・ドラマ・舞台
ずっと毎週ワクワク楽しんできたこのドラマも、このエピはいよいよダメか〜?!と思いました。

「愛は痛い/LOVE HURTS」というタイトルの「痛い」は拷問だからです。恐ロシア、貴族が奴隷にされたり、身を守るための殺し合いが日常茶飯事、貴族が血まみれで皇帝の晩餐に集う絵面(もちろん鬘などで着飾っているけど拷問にあわされた後のズタボロで皇帝への恨みでいっぱいなブラックユーモア姿は笑えた)、これがロシアなの?!

と気持ちが離れそうになった頃、個人的な恨みで皇帝を殺しにやってきた貴族がエカチェリーナのクーデター陰謀のスケープゴートとなり、一見落着、拷問は終わり。

そしてクーデターを目標に自己啓発するエカチェリーナの皇帝を愛する演技に磨きがかかり、ついにはおバカさんなピョートルがエカチェリーナを愛してしまう・・・
という展開にこちらのドラマ愛も復活という筋書きに嵌められてしまいました!



この晩餐会のロブスターの盛り付けもカワイイ。

グウィレム・リーが皇帝の親友役で、奥さんが皇帝の愛人なもので心が壊れていく役にはまりすぎ。細身で神経質そう、もとい繊細なので可哀想すぎ。ドラマが終わるまでには彼にもかっこいいシーンを作ってあげてほしいものです。



他に「ヒストリー・ボーイズ」出身のサッシャ・ダーワンやエカチェリーナの愛人役でセバスチャン・デ・ソウザ(彼も「スキンズ」に出てたあの人か!)もハンサムなんですが、ニコラス・ホルトが身長190cmで皇帝の衣装を着込んでエル・ファニングが175cmでヒールの靴を履いて隣に並ぶと、絵画的にこの夫婦が世界の中心に見えてしまうのもうまいキャスティングです。

ロシアのお話でアメリカ制作ですけど主役のエル・ファニング以外イギリス勢俳優がレギュラーを占めています。

次回がシリーズ1の最終回で、シリーズ2続行は決定してますが、ニコラスくんのいないエカチェリーナのドラマってありえるのだろうか?クーデターで殺してしまった後に?


アンモナイトの目覚め

2021-04-13 18:27:00 | その他の映画・ドラマ・舞台


シアーシャ・ローナンの出ている「アンモナイトの目覚め」を見に、久々の映画館へ行きました。

静かなのに118分が長くないです。通路挟んで隣のおっさんはイビキを発していて、それで「あっ、この映画見る人によっては眠くなるのか」って気づきました。

フランシス・リー監督の前作「ゴッズ・オウン・カントリー」と同じようなテンポで、浜辺の町の寂れた感じと、メアリー(ケイト・ウィンスレット)の化石採集の日々に、ロンドンから化石収集家がやってきて日常が変わる様子が見れます。



ストーリーは公式サイトで見てもらえればわかるし、いろんな媒体で見てるから知ってたけど、私はシアーシャとケイトがどうやって恋に落ちて、どんな恋なのかが見たかったです。

大体は期待通りとはいえ、全部見てから振り返ると、ふたりが心を許した単なる友情から恋愛へお互いに行っていいというきっかけが何だったのか思い出せなくてもどかしいです。

そしてラブシーンがいきなりセクシーなので、既婚者のシャーロット(シアーシャ・ローナン)はわかるけどずっとお母さんとふたりで田舎町に住んでたメアリーに過去の恋愛が、セックスの関係があったのか?!と気になって仕方がありません!



ところで、本作ではケイト・ウィンスレットがブルネットで地味な役を強調してますが、タイタニックの頃から眉はしっかり濃い色なので地毛がこの色だったのでしょうか、ブロンドのイメージしかなかったので随分髪の色で印象が変わるなあと思いました。正直、これだけ見たら美人女優には思えないとさえ。

それは都会の裕福な奥様役のシアーシャのブロンドと対照的にする必要があったのでしょうけど、それはわかるけど、ケイトって体型も元来がちょっともったり気味なので、田舎の労働者の女性役がハマりすぎてしまってよく仕事受けたなあと思ってしまいました。

何を隠そう、ケイトのデビュー作「HEAVENLY CREATURES/乙女の祈り」もレズビアン恋愛(とサスペンス)映画で、無名の彼女の美しさに平伏したのは私だからです。

まあ大好きなシアーシャちゃんがキラッキラの女性役をやってるのだし、田舎の労働者の女性もキラッキラだったら現実味がないので無理な相談なんですが、

泥だらけで髪ぐちゃぐちゃの彼女に美を見出せない私の狭い了見がいけないのです。


浦島太郎 Tir na nOgへ行く

2021-04-11 10:43:00 | コリン・モーガン


「Tir na nOg」英語で「Land of the Young」日本語で「常若の国」・・・えええ?!Youngとはただの地名と思っていたら文字通りの意味で、年を取らない者たち=ケルト神話の妖精たちの棲むところということです。

はい、スレインの棲むところでもあるTir na nOgが、アイルランド大使館紹介による「アイルランドと日本の御伽噺に似たのがあるよ」という魔女の解説動画に出てきたので反応してしまいました!

しかも「オーシーンとメイブ」です。

日本の方は小泉八雲によって紹介された浦島太郎伝説です。そうね、竜宮城は年をとらないTir na nOgだったのか。

でもアイルランドが民話を文化としてそのまま誇っている姿勢なのに比べ、日本の浦島はなんだか楽しむって雰囲気は汲み取れないな、教訓的な威圧感を感じる・・・とちょっと調べたら実は近年小学校の教科書に採用された版が今一般化しているのですが、もともとは道徳的な話ではなかったんだそうです。

しかも亀は姫と同一人物で彼女の超積極的な恋愛で太郎はずっと受身という女性がリーダーシップをとるというなんだか日本とアイルランドの自然信仰は女性信仰にやっぱりつながるのかな〜と思った次第。

16世紀末~17世紀初の浦島太郎の絵が、残念ながらアイルランドではなくオックスフォードのボドリアン図書館に所蔵されているとのことですよ。




SLAINE キャラ&用語紹介

2021-04-10 19:22:00 | コリン・モーガン
UKコミックのオーディブル版「SLAINE」を聞いて、登場人物などの固有名詞だけでも知っていたらかなり聞き取りがラクチンなのでは・・・と体験から思い知ったのでリストを作ることにしました。コミック本でビジュアルを見ればその問題もないのですが、世の中には私のように「先に聞く〜」という奇特な人もいらっしゃるかもしれないし、また海外の別媒体を購入しなくてはならないんですからタダではすみませんしね!


[コミック本のGUIDE TO THE HORNED GODの和訳]
原文読みたい方は本を買ってね。*「ケルトの発音」は割愛しました。

THE EARTH GODDESS;最初の20万年の間、地球上の人類は女神を崇めていた。つい5000年ほど前になってその地位は徐々に男の神々に取って代わられた。

THE TRIPLE GODDESS;その女神はくるくると姿を変える。時には乙女、女性、老婆に分割、またある時には地、月、海へと。最も有名な名前が、 Blodeuwedd/ブローデュウェッド(乙女)=ウェールズの春の処女神。全身が花の芽、Morrigu/モリグー(女性)=ケルトの戦争の女神、Ceridwen/ケリドウェン(老婆)=ケルト伝説の魔女。「マクベス」の3人の魔女もこれである。

THE HORNED GOD;第1の神。魔女たちと踊る姿が洞窟画に書かれている。多くの名前で崇められており、ケルト神話ではCernunnos/ケルヌンノスまたはCarnunで狩猟の神。キリスト教の時代になると、受胎と自然崇拝を連想させるため悪魔の姿に変えられた。現実での彼への信仰はアボット・ブロムリーのホーンダンスなどの民間行事として受け継がれている。

CAVE OF BEASTS
;ピレネー山脈の巨大洞窟レ・トロワ・フレールが元。多数の野生動物の彫刻の上にHorned Godの壁画がある。この有名なSorcerer/呪術がロード・ウィアード・スロー・フェグの元ネタ。

THE DRUNE LOADS;スロー・フェグ率いる、The Earth Goddess部族の敵。Carnun=つまりはHorned GodとCythraul(ウェールズの悪魔)the Dark Godに支配されるCrom Cruach/クロム・クルアハ=The Worm Godを崇める。

THE FOMORS;the Drune Lordsの味方Sea DamonはBalor of the Evil Eye/魔眼のバロルに率いられている。地上の前哨基地は北アイルランド沿岸のトーリー島。

WARP SPASM;摩訶不思議な戦闘の鬼状態で地球のエネルギーが戦士の肉体をねじって噴出する。アイルランドのCuchulain/クーフリンは最も有名なねじれる戦士だが、他のケルト英雄もまた同じような鬼状態があった。バースの戦いでのアーサー王など。

OGHAM ALPHABET;摩訶不思議なウッコの用いるケルトの書き方。縦書きもよく見られる。(しましま注・オガム文字とはアイルランドで実際に使われていた文字です)

CAULDRON OF BLOOD;女神のシンボルであり、いわゆる聖杯の原型。溢れる大なべとご馳走はケルトの象徴。近年発見されたものは400㍑分を超える容量があり、底には乾いたミードが残留していた。その装飾性から貯蔵用ではなく、ケルトの宴会が伝説通り豊かだったことを窺わせる。


[キャラクター]

SLAINE ;苗字はMAC ROTH。角ベルトをした黒髪の伝説の王。
大地のパワーが彼の肉体を変形させて戦闘マシーンと化すWarp Spasmが特技。

UKKO;ドワーフ。この本の語り部。スレインのツッコミを受ける天然ボケの面も。

THE LORD WEIRD/ SLOUGH FEG;最高僧。TIME EGGSで命を伸ばし7年のHORNED GODの座を引き延ばしている生ける屍。

NEST;女僧。UKKOの執筆のスーパーバイザー。

MEDB(メイブ);女僧。THE DARK GODSへの生け贄となることで女神になろうとした。MEGRIMに姿を変えてRAGALL王の王妃となり王を死へと導く。スロー・フェグの企みだった。

NIAMH(ニーブ);スレインの元カノ。

CATHBAD;スレインの属する北の部族の最高僧。

AVANC;人間が都市を建設する前に栄えた闇に生きたBEAVER族の生き残り。運命の石(王の戴冠に必要)を探し守る。

GANN, GENANN, SENGANN, RUDRAIGE(ローリー); SLAINEの兄弟王達。



*登場人物ではないが、役職みたいなものとして

SUN KING;THE EARTH GODDESSの夫としての地位。統治期間は7年。治世後は彼女に同化して死を迎える。



とりあえず、これだけ押さえておけば大分混乱を減らせるような。
他に追加した方がいいものあれば加えます。
「しましまの勘違いじゃね?」という箇所あれば検討&訂正も。

では古代アイルランドの旅のお供になれば幸いです^^





THE GREAT 〜エカチェリーナの時々真実の物語〜8

2021-04-08 16:54:00 | その他の映画・ドラマ・舞台
第27回SAG(全米映画俳優組合Screen Actors Guild)賞のアンサンブル賞(コメディ部門)に「THE GREAT ~エカチェリーナの時々真実の物語~」が、そして男優賞(コメディ部門)にニコラス・ホルトがそれぞれノミネートされてました。受賞は逃しましたが、私のお気に入りからは「ザ・クラウン」と「クイーンズ・ギャンビット」のアニャ・テイラー=ジョイが受賞しています♪


今週のエカチェリーナは・・・なんとフレディ・フォックスがスウェーデン王として出てくるのですよ〜♪♪♪♪♪♪♪

膠着する戦争の和平調停に元首同士が小島で密会、とはなんとも貴族的な・・・そしてルックスは両王ともイケメンなのに、会話の内容のどうしようもなさが、現代の首脳会談もこんななのかも・・・と思わせるコメディながらもピリッとスパイスの効いたドラマなのです。

スパイスとしては、頑張って政治の勉強をしても容姿ばかりに着目されるエカチェリーナの不愉快さを、逆に男性であるオルロの目や手を本人の目の前で褒め称えオルロが気持ちが悪い思いをすることで、ドラマのキャラにも視聴者にもわかるよう表現していました。

エカチェリーナが勉強して皇帝の信頼を得つつもクーデターを進め、いよいよ女帝への道に向かっていくエピでしたが、なんといってもフレディ・フォックスくんをスウェーデン国王にしたキャスティングにブラボーです。













スウェーデン王妃はピョートルが気に入ったようで。

まあ完全に大真面目におバカなピョートルに比べて、戯けて見せる国王の方はただの御坊ちゃまなだけ正常のようです。