ナショナルシアター・ライブ劇場パンフより
日本でも映画館でやってくれる!と知った時は秋なんてまだまだ先だわ・・・と思ったものなのに、
気温は全くさがらないけど10月が、「みんな我が子」が劇場にやってきました!
本編前に解説と製作者のインタビュー、そして写真つき。
この写真というのがリハも舞台のも私は初めて見るテイクがあり、この段階でドキドキしてしまいました。
そしてこのプロローグからいきなりの幕開けでした。
良い点
やはり字幕という同時通訳はわかりやすい。
特に家庭やご近所さんの会話ということで日本語字幕でもよくわからないシェイクスピアとは違う〜!
特にアメリカン・アクセントが一番強いジョー(ビル・プルマン)は耳からだと難しいけど日本語だと難しいこと言ってないので全然違います。
そしてアップで髪の生え際まで見えちゃうカメラ偉い!
クリス(コリン・モーガン)が後半あんなに泣きっぱなしだったとは涙が見えず知りませんでした。それを私は風邪声?と思ってしまった洞察力のなさよ。涙声だったのです。
残念な点
それはやっぱりコリンの受けの演技を見逃してしまうことに尽きます。
クリスはいい子の長男なので、とても人に気を使いよく話を聞いているんです。セリフにもあった「僕はいつも自分より誰かを優先してしまう」のを会話でも発揮して、ケイトが嫌がるジョーの子供向けの作り話をちゃんと一部始終聞いてにこやかに笑ってあげてるんですよ。
とはいえ、カメラもその辺はおそらくわかっていて、話し手の二人を手前の方に入れて、背景の絶妙な位置にちゃんとコリンの顔も入れてるシーンが幾つかありました。ブラボー!!カメラの人!
ちょっと気になったのは、休憩時間にずーっと映されている客席を見ればわかるのかもしれませんが、このオールド・ヴィック劇場はかなりバロックな装飾の古典的な建築です。それが舞台の縁取りも額縁のようにアラベスクな模様が絡まっていて、それが舞台上の家の装飾にも見えてしまう時がありました。コテージ的なリラックスした家なのに、なんでこんなに絢爛豪華っぽい外壁なんだろう???と一瞬キツネにだまされたかのような違和感があったのですが、あれは劇場の装飾の上にそのままセットを組んでいるのでそうなっただけのことでした。