Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

London Spy2和訳(Alexの実家)

2015-11-20 22:43:00 | London Spy
ロンドンスパイは会話が少なく短く、英語がわかりやすいと思って力を抜いて見てましたが、エピ2の後半に入り、アレックスの母フランシスが難しいことを言い出したのでちょっと和訳などしてみました。

場面は、アレックスの両親の家でターナー夫妻とDannyのディナーシーンから



F:Did you realise your provocation was infantile before or after you came through that door? Before, I see.
そんな挑発が子供じみているって部屋に入る前に気づいてた?それとも入ってから?前よね。
But you didn't decide to change?
でも着替えようとは思わなかった?

D:Would you like me to?
着替えた方がいいですか?

F:No. I think I prefer you like that.
いいえ。あなたはそれでいいと思う。

D:(メイドに)Thank you.

F:Alistair completed that maze unassisted, three months before his fifth birthday.
アリスターはあの迷路をひとりで抜けられたわ、5歳の誕生日の3ヶ月前に。
Others considered him to be disturbed, but what they saw as a disturbance of the mind was, in fact, an exceptional gift.
あの子は障害があると思われてたのだけど、精神障害と思われてたのは、実は、並外れた才能だった。
However, it's not enough in this world to be born brilliant you need direction and discipline.
とは言え、この世界では秀でて生まれるだけでは不充分、指導と訓練が必要よ。
You need someone who reminds you, day after day, never to waste your talent on triviality.
誰かが、毎日毎日言ってあげないと。つまらないものに才能を無駄遣いしないように。
How many brilliant minds are out there right now rotting in squalor and neglect?
優秀な才能がどれだけあちこちで今この時にも駄目になり放置されているのか?
It took every ounce of my strength to make Alistair realise his potential.
私はアリスターが自分の可能性に気づくよう全力をつくした。
He ended up hating me for it.
それで私を憎むこととなった。
But you guessed that already.
あなたにはもう想像できたでしょうけど。

D:Your son was murdered.
あなたの息子は殺されたんです。
The attic was staged.
あの屋根裏部屋は仕掛けられたんだ。
And everything you've read about his death is a lie.
彼の死についての記事は全部嘘です。

F:After dinner, perhaps you will join me for a drink.
ディナーが終わったら、1杯いかがかしら。

(フランシスの部屋)
My son wasn't gay.
あの子はゲイではなかった。
Before you hold some sort of parade through the house, hear me out.
この家中で言いふらしたりする前に、よくお聞きなさい。
Alistair didn't think like ordinary people.
アリスターは普通の人のような考え方はしなかった。
He didn't feel what ordinary people feel.
普通の人が感じるようには感じなかった。
In his eyes, everyone was a puzzle.
彼の目には、人はパズルだったの。
He took immense satisfaction figuring out what a person wanted and then giving it to them.
彼には、人が何を望むか突き止めそれをその人に与えることが何よりの喜びだった。
As if we were all computers Waiting for the correct code.
まるで私達が皆コンピューターで、正しいプログラムを待っているかのように。
Alistair could be anything a person wanted him to be.
アリスターは人が求める何にでもなれた。
In your case, it appears you craved romance, a good old-fashioned love story.
あなたの場合は、ロマンスに飢えていたようね。古風な美しいラブストーリーに。
He gave it to you.
彼はあなたにそれを与えた。
Meanwhile, he continued giving other kinds of stimulation to other kinds of people, men and women.
同時に、他の人には別の刺激を与え続けた。男にも女にも。
If he was involved with someone who hankered after risk, he would have provided it.
もしもリスクに憧れるような人に関われば、それも差し出したでしょうよ。
Danger, pain, submission, domination.
危険、苦痛、服従、支配。
Alistair was as precocious sexually as he was intellectually.
アリスターは知性と同様、性的にも早熟だった。
To him, they were one and the same.
彼にとってはどちらも同じことだった。
Sex was just another form of decryption.
セックスは形を変えた暗号でしかない。
You think I'm cruel? Perhaps I am.
私を冷酷だと思う?きっとそうなんだわ。
But not in this instance.
でも今回はそういうつもりではないのよ。
I wanted to preserve your illusions.
あなたの妄想をこわしたくなかったの。
We had hoped that you would go home and mourn in the belief that your relationship was perfect.
あなたが家に帰ってこの恋が完璧だったと信じたまま悲しむことを望んでいたのよ。
You loved him, I see that.
彼を愛していたわね、私にはわかる。
However, I cannot allow you to be unaware of the facts, in case you blunder further into a situation you simply do not understand.
とは言っても、事実を知らずにはいさせられなくて、ますます理解できない状況にはまり込んでいかないように。
I'm not surprised he used a different name.
彼が偽名を使ったのにも驚かない。
He was playing a part.
役を演じていたのですもの。
The part of a conventional lover.
平凡な恋人という役を。

D:I haven't read many books.
僕はあまり本を読んでない。
I haven't been to many places.
そんなにいろいろな所にも行ったことがない。
But I have fucked a lot of people.
でもいろいろな奴とセックスしたことはある。
And there's one thing you just can't fake.
そしてひとつだけ、そのフリができないことがあるとしたら、
Inexperience.
未経験だ。
The body's tense when it should be relaxed.
身体がリラックスしているはずの時に緊張する。
It hurts when it should be fun.
気持ちいいはずの時に痛む。
And it's dirty when it should be clean.
そして何でもないはずの時に汚れたり。
I don't care how smart you are, your muscles can't lie.
あなたがどれほど頭がいいか知らないけど、筋肉というのは嘘がつけない。
I'm talking about feeling his inexperience as clearly as I can feel this glass.
僕が言ってるのは彼が未経験だったと感じたことはこのグラスの感触と同じくらい確かだということだ。
Do you follow me, Frances? I can see you do.
言ってることわかるかな、フランシス?わかるよね。
So I know for a fact you're lying.
だからあなたが嘘を言ってるという事実がわかってる。
I know for a fact that your son, the man I loved, was a virgin.
あなたの息子は、僕の愛した人は、ヴァージンだったという事実がわかってる。
What I don't understand is why you're so keen to convince me otherwise.
僕がわからないのは、なぜあなたがそんなに僕に違うように思わせたいのかだ。
When he told me you were dead, he wasn't lying, was he?
彼があなたは死んだと言った時、彼は嘘をついたのじゃなかったんだね?

F:Amongst all the lies you've heard here this weekend, recognise one truth "no fuss" is the best piece of advice you will ever be given.
この週末にここで聞いたあらゆる嘘の中でも、ひとつは真実だと気づきなさい。「騒がない」はあなたがこれからしてもらえる中でも最上の忠告よ。

(翌朝のキッチン)

D:I prefer it down here.
僕ここでいい。
Maid: She won't like it.
奥様はよく思わないわ。
D:No.
うん。
I don't think she will.
思わないだろうね。
You cared about him.
あなたは彼を大切にしてた。
You cared for him.
あなたは彼を心配してたでしょ。
If he had a problem, he came to you, didn't he? Not her. You loved him.
何かあった時、彼はあなたのところに来たんじゃない?彼女じゃなく。あなたは彼を愛してた。

M:Alex.
アレックス。

D:Alex.
アレックス。

M:He hated the name Alistair.
彼はアリスターという名前を嫌ってた。

D:What happened here?
ここで何があったの?

M: Get as far away from these people as you can.
できるだけあの人達から離れていなさい。

M:(入って来た男に)He insisted.
どうしてもって言ったのよ。




(Dannyの思い出の中でAlexが語る)
Alex:I want to tell you a story about a man.
ある男の話があるんだ。
While everyone was laughing and drinking, he would just walk until he reached the exact same spot, where he'd sit with his back to all those people.
みんなが笑ったり酒を飲んだりしてる時、その男はただいつも同じ所にたどり着くまで歩いた。そこで彼はみんなに背を向けて座っていた。
And while he did everything he possibly could to signal to the world that he wanted to be left alone, more than anything, he hoped that someone passing would understand that what he really wanted was the exact opposite.
そして彼は、ひとりにしておいて欲しいと思いつく限りの方法で世界に合図を送っていながら、何よりも求めていたのは、誰かが通りすがりに彼が求めているものは正反対なのだとわかってくれることだった。
And that this someone would sit next to him and strike up a conversation.
そしてその誰かが彼の隣に腰掛けて、会話を始めることだった。
I was that man and you were that someone.
僕はその男で、君がその誰かだった。



(現実に戻って、川岸でDannyが知らない男に声をかけられる)
Stranger:I have a sweet tooth.
私は甘党でね。
It's easier to quit smoking, I swear.
禁煙なんてカンタンだ、誓う。
Not very British, talking to strangers, is it? I've worked in your country for ten years now.
イギリスらしくない、知らない男と話すなんてなぁ?君の国で働いて10年になる。
Do you own a house?
家を持ってるかね?

D:No.
いや。

S:A car?
車は?

D:No, nothing.
何もない。

S:Well, you have your health. That's the most precious asset of all.
でも、君には健康がある。それは何より貴重な財産だ。

D:My health?
健康?

S:Lots of people think they have nothing to lose, but in my professional experience, they just haven't thought it through.
多くの人が失う物なんてないと思っているが、私の経験では、そういう人はよく考えたことがないんだ。

D:Are you threatening me?
僕を脅しているのか?

S: Threatening? My, oh, my.
脅し?いやあ、まいった。
This is just a conversation, a chitchat.
これはただの会話だよ、おしゃべり。
Two people passing in the night.
人がふたり夜行き違う。
I can see why you're so confused, over the years I've adopted quite a few of your country's customs, but that Great British reserve escapes me.
君がなぜそう困惑するのかわかる。何年も君の国の習慣を見習っているからね、でもその大いなる英国の控えめさは私にはなじまなくてね。
I enjoy talking too much.
おしゃべりがすぎたかな。
And, once in a while, someone unexpected tells you something that might save your life.
そうだ、もし万が一、思いがけない人が何か言って来たら、これが君の命を救うかも知れないよ。
Be sure to put that card someplace safe.
そのカードを安全なところにしまっておきなさい。
(カード)PROTECTING LIVES & PROPERTY FOR 80 YEARS -
生活&財産保護80年



(Scottieの家)
S:You think my house is bugged?
うちが盗聴されているとでも思っているのか?

D:I've just been threatened. They Heard us.
たった今脅されてたんだ。聞かれてる。

S:Who?
誰に?

D:The people who murdered Alex.
アレックスを殺したやつら。

S:All right.
いいだろう。
Suppose he was murdered, suppose you're right.
彼は殺されたと、君が正しいとする。
Follow it through, the implications of what you're saying.
よく考えろ、君の言ってることが何を意味するかを。
You know nothing about them, they will know everything about you.
君は相手を何も知らず、彼らは君をお見通しだ。
Every action you take will have been predicted, planned for even coming here tonight.
君のとる行動はすべて予測されていたもので、今夜ここに来たことさえ計画のうちだ。
And if they don't kill you, it'll be for one reason.
そして彼らが君を殺さないのには、立派な理由がある。
They consider you less of a nuisance alive than dead.
君が生きている方が死ぬよりも都合がいいと考えているんだ。
If you're insulted by the idea of your insignificance, you shouldn't be, you should cherish it.
もし自分の存在の小ささに屈辱を感じるとしたら、感じなくていい、むしろ大切にしなくては。
No daring journalist is going to come to your aid, no rogue police officer.
果敢なジャーナリストは助けに来ないし、はみだし者警官も来ない。
It's just you alone, Danny.
君はたったひとりなんだよ、ダニー。
Ask yourself, honestly, who are you? You're friends with everyone,
自分に正直にきいてみるんだ、君は何者か?君はみんなの友人で
you trust everyone, and you know no-one.
君はみんなを信用しているが誰ののことも知らないんだ。
You know……
君は・・・

D:……You know these people.
君はあいつらを知ってるんだよね。

S:I knew them 30 years ago.
私は彼らを30年前に知っていた。

D:Help me.
助けてよ。

S:One way or another, I've been afraid for much of my life, and it's a privilege to spend time with a man who's never afraid of anything.
あれやこれやと、私は自分の人生の長い期間恐れて来た、そして何も恐れない人間と時間を過ごすのはひとつの特権だ。
And that's not because you were born in a different time.
それは君が違う時代に生まれて来たからではない。
You're fearless. 
君は怖い者知らずだ。
I've always wondered how that must feel.
いつもそれはどう感じるものかと考えてたよ。
But, Danny, occasionally, it's right to be afraid.
だが、ダニー、時には、怖れることは正しい。
Leave this alone.
この件は忘れろ。
Promise me.
約束してくれ。




スクリプトはコチラから。(話者がわかるよう、しましまが加筆した部分あり)

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2 コメント

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しましまさーーーーん! (hedgehog)
2015-11-22 10:10:58
和訳された箇所、どのシーンも大好きです! でもちゃんと理解できてないところも多々あったので、それだけに感謝感激です!

今までもベン・ウィショーのことは好きでしたが、まずいです、今回の第2話でついに私も底なし沼に突き落とされてしまいました。母親との対話シーンで、どっぽーーーんという水音がはっきりと聴こえました。挙げ句、昨夜は夢にまで見ました。とってもまずいです。でも幸せです……♡(重症)
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hedgehogさ-----ん (sofiaandfreya)
2015-11-22 10:43:38
2話もよかったですねえ~!
夢にまで見られるなんて、エクストラ特典ボーナスじゃないですか!
いいなああああ!

そして、私はキャビンプレッシャーの時と同じ状況にはまりました。
ロンドンスパイが頭から離れないので昇華しようと和訳したら、
自分でもよくわかってなかった会話がわかったことでますます深い沼。
完全に自家中毒です。
次回は、マーク・ゲイティスが出そうだし、身を引き締めて待機せねば!




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