Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

ノーザン・ソウル 感想

2019-02-11 18:53:00 | ジョシュ・ホワイトハウス


劇場で見てきました。

実はこの映画、英国密林にてかれこれもう2ヶ月以上前に円盤をポチって、それがどういうわけか日本への配送をしてなかったので、イギリス在住の友人に受け取ってもらい、すぐ送ってもらうつもりだったのに諸事情で受け取ったのが10日ほど前。

もうこうなったら大きいスクリーン日本語字幕付きで初見の方がいいに決まってるのでさらに我慢していた待望の「ノーザン・ソウル」です。

第一目的はジョシュ・ホワイトハウスくんが出ているからですが、

この舞台が70年代イングランド北部の「ノーザン・ソウル」という音楽ムーブメントなんですが、昔ファッション業界にいた時「クリストフ・ルメール」もテーマにしていたので名前くらいは知っていたのです。知る人ぞ知る音楽ムーブメント、ヲタク心をくすぐるではありませんか。

それに監督が好きな写真家だし、期待値がググーーーッと上がっていました。

で、見たら、ホントにいい映画でした!!!

まず、期待してたイングランド北部のムーブメント、10代の若者たちがそこに至るまで、学校、家庭、学校をやめた後に働き出した工場(お菓子工場なんですよ、これが)での居心地の悪さが当時のイギリスの地方の町の様子として私には興味津々。

雰囲気としては「ビリー・エリオット」みたいな閉塞感ですが、炭鉱じゃなくて工場にドッと流れ込んでいく労働者のモブシーンがもっと身近です。新宿とか池袋とかとダブる。

主人公のジョン(エリオット・ジェームス・ランクリッジ)はユースクラブでマット(ジョシュ・ホワイトハウス)と出会い人生が変わります。このふたりの友情の物語です。

学校になじめない、つまり先生(スティーブ・クーガン)に「お前ら全員出来損ないだ」と呼ばれる一員ではいたくない普通の感覚の主人公が、話の合う仲間を見つけてやっと居場所を見つけ、その後、もっと自分の好きな音楽を追求してレア物に飢え、アメリカまでレコードを買い付けに行くぞ!と。

この辺から私にとってまるでかつての自分のようで。

大体が田舎者ほど周りに文化がないから想いは熱くなるものです。そして恋焦がれるものが遠いほど良く見えるという。

私の場合は、10代後半から英国ロックに傾倒したので、初めてロンドンに行った時には夢の国に来たような、本当に現実に自分がロンドンの街を歩いているのか信じられない面持ちでした。

そして普通のイギリスの大学生も知らないようなレアなレコードやインディーデザイナーの服や古着、キングスロードのラバーソウルの靴の店などに行って買い物をしました。

ところでこの英国音楽ムーブメントというのは、夜通し踊るためにドラッグが必要なので、主役ふたりよりも年長でドラッグにはまった危険な男たちも出てきてヤバ〜い感じになります。

実を言うと、私は予告を見てマットはドラッグでダメになっちゃうような気がしてました。ふたりの友情もそのせいで悲しい結末に終わると。。。

ところが何度もふたりの間には危機が訪れるブロマンスだったんですよ!

だから後味が良いのです。いやー予想を超えていい映画だったのは、「さらば青春の光」みたいにムーブメントも恋も憧れも終わって旅立っていくのじゃなくて、ひと騒動あってもまだふたりのアメリカへの夢は続く。

なんかね、未だに「ロンドン行くぞー」と言ってる私を肯定してくれてるような映画でした。

ジョシュ君の映画は、前に見た「モダンライフ・イズ・ラビッシュ」もこれは私の映画だ!と思ったけれど、またまたこれも!



こちらはDVDのレーティングですが、相当に危ない映画となってるけど、実は主人公の性格もいいし、もっと爽やかなんですけどねー。いや、ヤバい人もシーンもそりゃあるにはあるけど・・・・


追記:

映画のパンフレットがまた英国音楽への熱い愛に溢れる執筆陣で、とても詳しく音楽シーンのことが書いてあるんですが、そこで発見した、「80〜90年代のメジャーなアーティストたちの多くがノーザン・ソウルを経験している」がまた胸熱でして、私がロンドンのマーキー・クラブでライブを見たこともあるマーク・アーモンドが率いていたソフト・セルの英国ナンバ-1ヒット曲はノーザン・ソウルの曲のカバーだったというのです。えー!アメリカのソウルが時を経て、大西洋を渡ったイギリスでエレクトロ・ポップになっていたなんて?!
そしてさらに時代が下って90年代のアシッド・ハウスのウェアハウス・パーティーやレイヴもまたノーザン・ソウルの魂を引き継いでいたと・・・とにかく本物のロンドン音楽シーンに参加したくてそうとは知らずに体験していた私でした。


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