最後の007=ボンドを演じるということで「Being James Bond」なるインタビュー映像も話題になっているダニエル・クレイグが名探偵をやっている「ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密」という去年の映画を見ました。
クリスティに捧ぐという監督・脚本家の言葉もあり、クリスティは好きなので何度か見ようと配信に来てから出だしを見ておきながら、冒頭の70年代っぽい暗〜いお屋敷のアメリカのメイドさんのシーンがどうも苦手で入っていけなく今頃になりました。
少し前の映画ということでネタバレします。
結論!ダニエル・クレイグのブロンドはなぜかセクシーだけどファンではないし、クリス・エヴァンズの長い睫毛は好きだけどファンではないし、お金持ちのお屋敷と遺産相続をめぐる探偵物としてはまあまあだったかな。
とりあえず相続人となるナースのマルタがそこそこ可愛く善人なので入って行きやすく、映画としてはラストどうなるの?!という楽しさがありました。
特にワクワクしたのは隠し窓。
一見、エンジェルにも見えるゴシックな絵が、ケン・ラッセルのその名も「ゴシック」の小鬼にも見えます。この絵の後ろに本物の窓があり人が入ってくると同じ構図になるのがいいです。
ちょっと消化不良が残るのが、ダニエルの私立探偵がなぜゴリゴリの南部英語なのかとか、
自殺した売れっ子推理小説家のお母さん(85歳のお母さんって103歳くらい?)が一人で介護の人もなく生活してるのにほとんど喋らず、でも彼女の一言が推理の決め手になったというのにそれ以上の役割を果たしてないとか、
どうも刑事ドラマの見過ぎなのか謎めいた仕掛けには伏線を期待し過ぎのようです!
それにモルヒネと鎮痛剤が入れ替わっていたというトリックは瓶を見た瞬間に頭に浮かんでしまって、どんでん返しがなさすぎました。
しかしですね、個人的にこの映画を見てよかったのは・・・
ほんとに個人的ですけどまあこう言う例もあるので書いておきます。
結局自分にたかる自堕落で強欲な子孫ではなく献身的なナースを遺産相続人とした売れっ子富豪作家。これもドラマの見過ぎか、マルタとはほんとに何の関係もないのかなと最後まで疑ってたのですが(汚れた心ですみません)、やはり雇い主とナースの関係だったようで一安心。
実は私がコンシェルジュとして勤務するサービスアパートメントに89歳の学者の先生が住んでいて、他のスタッフは特別扱いしないほうがいいという人もいるんですが、さすがにそのお年で、しかも文学者なので専門の方はつい最近全集本を出すなど頭が冴えてますが生活の細々はもともと芸術家肌なので不得意なはず。私はかわいいおじいちゃんとしてサポートしてたんです。しかし最近名前を聞かれたり別のスタッフに「感じがいい人」と言ってたというのを聞いてちょっとビビってまして。受付に近づいてきたら避けてしまったりしてたんですが、この映画で高齢の老人と献身的な使用人の健全な関係を見たらやっとビビリが溶けてきました。
やはりドラマの見過ぎの考えすぎでしたね。
私これ大好きです。
クリスティものが好きな人は(いろいろ言いたいこともあろうかと思いますが)
楽しめると思います。
キャスト陣の豪華なこと!
私は他の映画を観に行った時にトレイラーを観てしまったのですが
(本来であれば予備知識なしで観たい方なので「観てしまった」と。)
なんと言ってもキャプ(クリス・エヴァンス)の悪そうなキャラに参ってしまい
これは絶対に観に行かねば!と決めたのでした。
嬉々として放蕩息子、しかもサイテーな奴を演じた彼は最高でした。
またトニ・コレットがよかったですね~~~!
彼女はああいう役回りが本当に似合ってます。
他の俳優さん達もそれぞれにいい味を出していて
素人ながらに、なんてぜいたくなキャスティングなんだと感心しました。
ダニエル・クレイグはも少しクセを出しても良かったのではと思いました。
やりすぎない程度にね。
看護師役のアナ・デ・アルマスはヘア・スタイルやメイクのせいもあって
20代前半ぐらいに見えましたが『 007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』では
ボンド・ガール(でいいのかな?)を務めるんですね!
後悔が迫っていて楽しみです~
気になったのはあのマグカップ(MY HOUSE ~)です。
あれは亡くなったハーランのものですよね。
最後にマルタがそれでお茶を飲んでます。
すご~く意味深で狙ったものだとは思いますが
家政婦さんが亡くなっているのでそれにお茶を入れたのは彼女自身だと思われ
一番信頼されていて仲が良かったので形見として使ったのかもしれませんが
なんだか私には彼女がしたたかに見えてしまった瞬間でした。
必ずどこかポカをやるのには慣れていただけましたでしょうか?
ちゃんと見直すんですけどね。
注意力散漫はもう治らないかと…
>後悔が迫って
obviously 公開が でございます。
>>キャプ(クリス・エヴァンス)の悪そうなキャラ
はい、クリスファンにはそのキャップのキャラとの落差ぶりが
よかったらしいですね!
コリンファンが悪役を楽しみにしてるのに通じますね!
>>トニ・コレットがよかった
インスタグラマーの美女ですよね、私も好きでした^^
>>看護師役のアナ・デ・アルマスは~~~『 007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』ではボンド・ガール(でいいのかな?)を務める
わ~~~~知りませんでした~~~~Qしか見えてなかったです。
楽しみです!
ラストのマグカップ、そうですね、すっかり遺産を相続して
なかなかやるな!!
>コリンファンが悪役を楽しみにしてる
そうですね!
長くなったのでカットしたのですが
悪役と言ってもシリアル・キラーとか底意地の悪いキャラとかは
とてもじゃないけど演じて欲しくはないですが
(彼ならできるとは思いますけどね…彼のキャリアを妨げたいわけではないのですが)
このランサム(クリス・エヴァンス)程度のワルなら大いに観てみたいですね。
>マグカップ
冒頭の方で家政婦さんが遺体を発見したとき
持っていた朝食のトレイを落としそうになりましたよね?
ああいうシーンでは落として派手に食器が割れるのがほとんどです。
でも、あの家政婦さん落としかけましたが
とっさに手を出してマグカップを救済してるんですよね~~~
映画館で観た時には気づいてませんでしたが
Primeに登場した時に2度ほど観て「ははん!」とにんまりした次第です。
>>家政婦さん落としかけましたがとっさに手を出してマグカップを救済
私も昨夜冒頭を見返して気付きました^^!
あの時トレーごとひっくり返した印象があったのに、って。
続編も決定しているようで、もうこの一家からは離れ別の事件に
ブノワ名探偵が挑むのでしょうか。
>続編も決定しているよう
うわ~!そうなんですか?嬉しいです~!
マープルさんやポアロさんのように名探偵が誕生するのか?!
楽しみだわ~~~
居合わせた者全員が容疑者だなんて本当にクリスティのミステリーを思わせる内容で
監督・脚本家のクリスティ愛をとても感じるのですが
この監督・脚本のライアン・ジョンソンにはちょっと思い入れがありまして
好きな子役を追いかけて出会った人なんですよね。
それはジョセフ・ゴードン=レヴィットで
レッドフォード監督の『リバー・ランズ・スルー・イット』(1992)で見つけ
この子うまいな~と思いながらその後彼の出演作を観ていながら気づいていなくて
ある日データベースで『Brick』に出ていることを偶然知りDVDを買ったのでした。
これが私には大ヒットで、以来この監督・脚本のR・ジョンソンを気にかけてます。
そしてそれに出演したジョセフ~(ジョーと呼んでいます)とノア・セガンは
ずっと監督と仲良しらしく彼の作品にカメオで出てたりするんですよ。
『ナイブズ~』ではノアは巡査というちゃんとした役をもらっていて
もちろんノアには気づきましたがジョーは今回カメオなしかと思っていたら
後になって「声」で出演していたことを知りました。
映画館にもう1度と思いながらも行けなかったのでPrime待ちしていたのですが
ハーランが亡くなってすぐマルタの家で妹がPCで映画を観てたの覚えてます?
あのPCから聞こえる声がジョーだったのですよ。
あの評判の悪かった「SW最後のジェダイ」にもジョーは声で出演しています。
なんかワクワクしてきました~!
もしかすると次回は野次馬の中にジョーがいたりするかも~
>>あのPCから聞こえる声がジョー
気持ち悪いドラマだから消せってママに言われてたやつでしょうか^^;
アメリカ映画界にあまり詳しくないのですが
聞いたことがあるキャスト名から豪華な出演陣なのだろうなとは
うすうす感じておりました。
他の作品から繋がるものを発見すると嬉しいですよね!
作家・監督さんは続投でしょうから、また出番がありますね。
>気持ち悪いドラマだから消せってママに言われてた
そうです、そうです。
お友達を亡くしたばかりのマルタの気持ちを考えなさいって。
聞こえている映画 or ドラマはフェイクだと思いますが
1つの作品に関わってその後も仲良くしてるというのが嬉しくてね。
今IMDb見たらカメオではなくちゃんとクレジットされてました。
Detective Hardrock ですって。
短い劇中劇の声だけのキャストにもちゃんと役名がついてたなんて(笑)。
集中力に欠けてるくせに謎解きは好きなので探偵ブランの活躍も見たいですが
スロンビー家の人々のその後というのもとても気になります。
当然財産は自分たちのものだと余裕だった人々が、全く受け取れないとわかった時の
怒り、うろたえそしてマルタへのすり寄り、脅しまがいなどなど
俳優さん達の本領発揮といわんばかりの演技合戦にやられました。
なのでこの一家がその後どう生きていくかに興味津々です。
>>短い劇中劇の声だけのキャストにもちゃんと役名がついてたなんて(笑)。
無名エキストラだったらついてないでしょうね~^^;
>>スロンビー家の人々のその後
謎解きが終わったから、次作は別の事件と思ってましたが、
マルタが作家先生のマグカップを持ってラストシーンを迎えたあたり
あれは彼女と一家の新たな宣戦布告だったのか・・・ともとれますね。