Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

クリエーション・ストーリーズ

2022-10-28 20:54:06 | その他の映画・ドラマ・舞台

久々に映画館へ足を運んで見たのがこの「クリエーション・ストーリーズ」という、1990年代のブリット・ポップを大いに盛り上がらせて、売りまくったレコード・レーベル設立者アラン・マッギーの「ほぼ実話」。

こちらは「トレインスポッティング」と脚本家が同じでダニー・ボイルがエグゼグティブ・プロデュースをしているので、とってもヤクザでガラが悪くドラッグと酒まみれなのに憎めない男というキャラになっているのが共通点。

スコットランドの田舎では、ボウイに憧れセックス・ピストルズに魂を揺すぶられる青春なのに親と同居で父親が超堅物労働者なのでまったくアランの長所も認められず、ロンドンで一旗あげるのも似てますね。

エルトン・ジョンの「ロケットマン」のように、ドラッグからの「更生施設」に入りグループセッションなどに参加するのだけれど、そこでドラマチックに自分と向き合い更生したエルトンに比べ、アランはそこでもめっちゃマイペースだったのが痛快でした。

しかし田舎の親というのは、子供がちょっとはみ出すとやはり世間体もさながら自分の生き方を否定されていると感じるのでしょうかね、世界中に自分を守るために子供を潰そうとする親はいるんだな。まあ手堅く国鉄などで働けばパッとすることは一生ないだろうけど当時は一生地味には安泰だったんでしょう。それが時代変わってイギリスも日本も労働者は頑張って働いても生きていけない世の中になってきちゃって、そんな時代の親は何を子供に押し付けたらいいのやら。

ジーザス&メリーチェイン、プライマル・スクリーム、オアシスなどを発掘した先見の明があるアランが、アシッド・ハウスにも即どっぷりと浸かったシーンがあり、アシッドハウスには関わったことは知らなかったし映画中でも何をやったとかあまりわからなかったのですが、そのムーブメントの中日本人の女性4人組が彼のファンクラブのように現れるんです。ちゃんと日本人をキャスティングしていて今風の可愛い子達を使っていたのも共感が持てました。そして何より、私がロンドンで初めて「受け入れられた感」を感じたムーブメントがアシッドハウスだったので、それが取り入れられていたのが嬉しかったです。だって・・・やっぱりブリットロックとかもっと古いニューロマンチック時代というのは、中には物好きなイギリス人もいて日本人をかまってくれるけど、やっぱり白人主体のムーブメントでアジア人はビートルズのオノヨーコくらいの違和感はあったわけです。それがハウスの時代には、誰でもウェルカムになったのが映画中でもみんな踊りまくってて「これだよこれ」と懐かしかったです。