オリジナルの「主任警部モース」を演じた故ジョン・ソーの奥様であるシーラ・ハンコックが主演、という切口で知ったこの映画、内容をてんこ盛りにした邦題にもひかれて見てみました。
私の20代後半くらいからのモットー「やらないで後悔したくない」にも重なるので勇敢なおばあちゃんになるための教えを乞うつもりだったのですが・・・
3人目の女性首相のいるイギリスでも、今80歳の若かった頃には亭主関白も存在して、妻として母としての義務に生きた女性もいたのだな・・・とまずちょっぴりガッカリ。
とは言え、イーディは日本で想像するような「芯の強い女性」ではなく「言動も強い口の減らない婆さん」だったのです^^;
イーディのチャーミングなところは、不健康なあのイングリッシュ・ブレックファストが好きで、家でベーコンを焼いていたら娘が来てそれを戸棚に隠すところ(笑)でも見つかって即ゴミ箱に捨てられてしまうんですが。ちょっとそれにもびっくり・・・いくらなんでもベーコン自体があんなに悪者扱いされてるなんて・・・
少女時代は活発でパパとキャンプなどを楽しんでいたイーディが結婚したのは、旅行を無駄遣いとするケチな男で、しかも血栓で歩行も会話もできなくなって30年も世話をする羽目になってしまったのです。
そんな、施設に任せるにはお金も必要だろうし、昔の人の道徳観で妻が世話をすべきという考えだったのでしょうけど、まあそんな苦行を確かによく頑張りました。
で夫の死後、娘に老人ホームに入るよう促されて既に墓場に入れられるような気になり、荷物の整理中に見つけた昔の絵葉書を見て、やり残した事を思い出しスコットランドはハイランドに出発したのでした。
しかしね、今のご時世、介護付き集合住宅とかもあって、それだといざ何かあったら介護士が常駐しているので安心だけれど普段は全く一人暮らしのマンションと同じ、ってのもあるのでそういう所に住めば良いんじゃ・・・とも思ったんですけど、値段もマンションよりは高い上に、やはり高齢者限定住宅、ってところで墓場感は一掃できないかもしれないですね。
まあ体育会系女子だっただけに、昔の夢を叶えたいってところでいきなりハイランド登山ですか?!って高ハードルなところが映画にもなるわけですね。
数多くのスポーツを生み出したイギリスだけあって、ハイランドに行けばハイキングにボート漕ぎやテント張り、火おこしに飯盒炊飯がついてきて、それに必要なアウトドアな服、靴、バックパックなど色々必要というのが興味深かった。
イーディが昔使っていたオールドスクール系のキャンプ用品はロマンがありますが、マイクロファイバーに比べて践祚いう映画に出てきそうなキャンバス地は重くて担いで山を登るものじゃないですね。
私は10代の時に不健康なUKロックに染まったせいで「体育は嫌いだ」人間になったので、肉体スキルが必要なことでやり残すことはないと思っていたのですが、つい先日、スパークス出演のせいで20年ぶりのオールナイト音楽フェスというものに行った時には、ちょっぴりイーディみたいだったかも知れません。
フェスから4日間スパークスイベントをやり抜いた時には「やり切った」と思ったと同時に、人生って何があるかわからないので、これからも更なる試練を神様が用意してくれてるかも知れないと思いました。
ということは、やはりいつも心にイーディを、ということで自分には縁がないだろうなんて思わないようにします!
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