Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

キャプテン・クック探検航海と「バンクス花譜集」展

2015-02-08 00:00:00 | ニュージーランド


キャプテン・クック探検航海と「バンクス花譜集」展』このタイトルを見て、どんな展なのかおわかりになるでしょうか?実は私、先日「ナショナル・ギャラリー英国の至宝」を見にBUNKAMURAへ行ってそのポスターを見ても、さっぱりわかりませんでした。絵を見て「どうもボタニカル・アートの展示らしい」と思っただけなのに、なぜ急に行く気がでたのかと言いますと・・・(しかもこの「キャプテン・クック」と「ナショナル・ギャラリー」は2枚同時にチケットを買うと割引にもなったのに)

夫が「見たい!」と言ったからなのです。

キャプテン・クックとはイギリスの探検家で帆船「エンデヴァー号」に乗って太平洋の島々を探求した人で、ニュージーランドの白人にとっては国の建設に一躍買った英雄のようなのです。これを知った私にとっては「エンデヴァー」はモース警部のお父さんのヒーローで、息子にその船の名をつけてしまい息子には嫌われた船じゃないの?!と盛り上がってしまいました。

またバンクスも、船に同行したイギリス人科学者で、後にロンドンのキューガーデンの園長も務め、オセアニアの植物をイギリスに持ち帰った人として(実はイギリスの利益のために研究したらしいですが)ニュージーランド方面では有名らしいのです。私にとって「美しい庭」という認識だったキューガーデンですが、実は植民地でのプランテーション農業の利益向上のための実験などを行っていたと知り、すごくリアルな存在へと変わりました。

実はニュージーランド大使館は渋谷区松濤にあるので、ワイタンギデー・ランチで苦しくなったお腹をかかえ、松濤のお屋敷街を2~3分歩くと、そこはもうBUNKAMURAの裏手に出ます。ワイタンギ条約は1840年ですが、キャプテン・クックがニュージーランドに到達したのは1769年へとさかのぼります。なぜか東京の真ん中でニュージーランドの歴史をたどる日となりました。

と言っても私が見たかったのはエンデヴァー号の模型だったんですが、展示には、船内の構造のイラストや再現された船室もありました。驚いたことに、食堂のテーブルは天井からロープで吊るされていて、海が荒れてたらブランコのようにユラユラと揺れてしまうじゃないですか?!

ボタニカル・アートも私は嫌いではないのですが、太平洋の島々の植物を、写真のなかった当時の研究資料として描いたものなので、よく見る花が中心の絵はあまりなく、シダ類や上からハシゴ状に垂れ下がって成長する草など地味でした。

面白かったのは、ニュージーランドの先住民族マオリと、オーストラリア先住民族アボリジニの工芸品の対比でした。ワイルドな動物柄などが特徴のアボリジニの作品は、大陸の大きさに比例するのか大雑把で呑気な感じなのに比べ、マオリの作ったものは、繊細でものすごく芸が細かいのです。

マオリの言葉は日本語のように必ず子音と母音が組み合わさっているので響きが日本語に似ています。お腹のことを「プク」というのです。そして身だしなみがキチンとしていることにクック船長は感動したそうですが、なんだか日本人に似ているなあ、と勝手に親近感を感じました。

ところで、ちょっとクック船長についてウィキを読んだら興味深いことが書いてありました。彼は庶民の生まれでしたが、海軍水兵から航海長へ上り詰め、エンデヴァー号で帰国し航海日誌を出版して時の人となりましたが、実は社交界ではバンクスの方が貴族階級なのでクックの数倍も人気があったというのです。うちの旦那さんも「バンクスが見たい」と言ったくらい欧米では有名みたいですが、私などは名前さえ聞いたこともありませんでした。

ショップは、ボタニカル・アート以外にも楽しい品揃えでした。オセアニアの動物、カンガルーやワラビー、キウイバードなどのぬいぐるみもかわいかったし、何と言ってもやはり「エンデヴァー号」グッズに胸がドキドキ。帆船の模型、ブローチやバッヂ、錨の形のフックなど、買ってくればよかったと航海ならぬ後悔・・・

こちらの船プリントのノートブックを買いました。