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Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

Boston感想とトリビア

2014-02-25 00:00:00 | Cabin Pressure
Simon says/サイモン・セッズのルール 

多くの人がご存知だと思います、このゲーム。
ルールは簡単で、支持者が命令の前に「Simon says」をつけた時だけその命令に従い、逆に「Simon says」をつけてない命令文に従ったら負けなのです!マーティンは、ダグラスの巧みな誘導で後者にひっかかって負け続けていましたね。

2/26追記どこかで読んだのですが、「Simon」という名前は、日本で言ったら「太郎」みたいな男子の名の代名詞なんだそうです。じゃあ「花子」にあたる英語の名前はというと、「Molly」なんですって!ここで思い出したのは、そうです、シャーロックのモリーちゃんですよね!モファティスがドイル聖典にないのに唯一レギュラーで出してる女の子は、匿名の女子代表だったのか・・・・追記ここまで

Fisher Price

喫煙者リーマンさんがマーティンの目に煙を入れてしみさせた文句に出て来たこの固有名詞は、子供のオモチャの大手アメリカ企業です。日本にもあるのですね!私もロンドンで育児中によく見たのでイギリスの企業かと思ってましたが、そうか、リーマンさんはアメリカ人だった。

Fisher Priceのパイロット

Doctor=医者?

マーティンがload(積み荷) sheetで医者を見た、つまり乗客リストにDoctorという肩書きが付いている人を見たと言って、しきりに呼び出しましたが、オチはDoctorはDoctorでもアメリカ人だったので、土木業の博士号(Doctor)を持った専門家でした。博士号をイギリスではPhD又はDPhilと言うのでマーティンはとんだ間違いをしてしまったのですね。

Hippocratic Oath/ヒポクラテスの誓い 

マーティンがその「ドクター」を呼ぶのに言ったこの誓いとは、医者がギリシャの神に対して誓った宣誓文のことで、医療関係者が持つべき倫理や思想が書かれているそうです。患者を自分の能力により報酬なしに治療しろとか、患者に利する治療法を選択せよとか、まあ、そのへんのお医者さん全員に思い出して欲しいことみたいです。

ma'amのイギリスとアメリカの用法

さっきのDoctorでも出て来た米英の英語の違いがここにも。今度はマーティンは何も恥ずかしい間違いはおかしてませんが、ボストンに着いて、救急隊員がキャサリンにやたらとMa'amをつけるのが気になって調べました。そしたら、Madamの省略形のMa'amを、階級のないアメリカでは、お店やサービスの人が知らない人であるお客さんに呼びかける時に親しみをこめて使うそうです。イギリスでも使うのですが、女王様がMa'amだし、どちらかと言うと略してない原型Madamをきちんとした場所で知らない女性への丁寧な呼びかけとして使うので、この救急隊員の頻繁な呼びかけに戸惑ったのだと思います。税関で鼻毛切りを発見されたマーティンもやたらとSirと言われてましたね。この、カジュアルなんだけど、やたらと出て来るMa'amとSirの感じを出したくて、和訳には「お客さん」と入れてみました。


まだ通算2作目のこのエピ、マーティンとアーサーが、憎い乗客に心臓発作を起こさせて、その死まで笑いにするあたり、SitCom全開ですね!まあ、あそこまでマーティンのコンプレックスをつく悪態がつければ敵もお見事でした。


キャビン・プレッシャー最終録音

2014-02-24 08:36:00 | Cabin Pressure
キャビン・プレッシャー最後の45分スペシャル・エピソード録音が無事に行われたとニュースが伝わって来ましたね。

Mirror 写真が多め

Radio Times こちらは共演者の名前が出ているので、出演キャラを知りたくない人は読まない方がいいです。私は知って嬉しくなりましたけれども。

後者の記事ではまた放送はクリスマスだと伝えてますが、直接BBCから発表されたと私はまだ見ても聞いてもいません。もしどなたかそのソースをご存知でしたら教えてください。


追記
夕方、帰宅してPC開けたら有名なカップケーキ職人さんのキャラケーキがモデル=俳優さん達本人に渡される動画があって、ケーキもさることながら、声でしか知らなかった俳優さん達の最新のお姿が見られて感激したのではっておきます。ただし、これも最終エピに登場する人物がわかってしまいますので、それを知りたくない方はスルーしてね。















Cremona感想

2014-02-14 09:18:00 | Cabin Pressure
1月はSherlockedでしたので、キャビン・プレッシャーの和訳を再開したのが2月になってしまいました。折しもジョン・フィネモアが以前のお知らせ通り45分の最終スペシャル録音(2/23)をブログで発表し、BBCが公開録音チケット抽選受付をしました。その申し込み数がBBC記録を更新した、放送はクリスマス・イブの予定、と英国情報誌The Radio Timesが記事にしたけど、ジョン本人は「放送日は聞いたことないよ」とツイッターで言っていた件が昨日リンクしたBRITISH COMEDY GUIDEにまとめられています。放送日の根拠は不明ですが、そのThe Radio Timesが「ベネディクト・カンバーバッチのファンがキャビン・プレッシャーの最終エピソードのチケットを求めて記録更新」とリードに書いたので、ファンが「私達はベネディクトだけを追って殺到しているのではなく、優秀な脚本とキャスト全員の素晴らしい演技とハーモニーを素晴らしいと思っているのです」とコメントがまた殺到していました。頷くとともに、作品への尊敬と俳優個人への愛には境界線を引けないよなあ・・・と複雑な感情にも気がついた・・・

Cremonaのエピソードが放送されたのは、2008年7月。
スターを乗せたMJNの反応、コスプレして出待ちするファンの群れ、女優の自分の評価への抵抗とファンへの不満・・・・スターに舞い上がって墓穴を掘るマーティンを演じたベネディクトも、まさか数年後に自分がそのスターになるとは知らなかったんですよね!

キャロリンは、A film star=映画スターと言ってましたのでそれが世間一般の評価でしょうけど、大ヒットしたらしいシリーズはどうやらお金のために出演した世俗的な映画で、女優さんとしては、ストラトフォードでの古典劇やオリビエ賞受賞のキャリアのある正統派俳優だと知って欲しい。

手作りの鎧を着て歌いながら待ち受けるファンは、思わず成田のお迎えやコスプレしてSTIDイベントへ出かけた自分にぴったり重なるという、笑えないお話です!

さらに先日のバーミンガムでのシャーロックファン・コンベンションでは、幸運にもチケットを購入できた人達が感想やレポをネットにあげてくださったんですが、ベネディクトに至っては1000人と写真撮影とサインをベルトコンベア状態で遂行したので、参加しながらも、なんてハードなお仕事か!と舞い上がりつつも労うという方もいらして激しく同意しました。自分が参加できるならしたいし、同時にベルトコンベアを憂えてしまう。正式にチケットを購入した権利なのだから何も悪くはないのにどこかに残る後ろめたい気持ちは、そうだ!私の場合、お見合いに近い。間違いのない相手を他人にお世話になり紹介してもらう、お礼金も払う、いいじゃないの?何が悪い?・・・・でも理想の人に落としたハンカチを拾ってもらってじゃないけれど、できれば偶然のドラマチックな出会いで恋愛して結婚したい。と既婚者の私が言うのも変ですが、そんな心理かと。事実、同じくスターにサインをもらうのでも、劇場の待合室で、出演者本人や見に来た別の俳優さんに会ってサインをもらう、って方が心底羨ましい~~って思えるわけで、いや、コンベンションで会えるのももちろん羨ましいのに、たくさんのベネディクトとのツーショット写真見ながら考えておりました。はい、羨ましいです!いいなあ!

ではCremonaに戻りまして・・・トリビアと感想

*冒頭のダグラスのアナウンス、シナトラで有名な「私を月まで連れてって」の歌詞になっています。ダグラスはタイトルのMeをYouに変えて言ってます。

*portacabin とは、イギリスではプレハブ住宅の一般名詞で、ここではキャロリン達が発着前に仕事したりする事務所のような小さな建物のようですが、日本語が見つかりません。困ってます。日本では小さい空港にそういうのあるのでしょうか?

*the Lady of the Lake「湖の乙女」は実際にある「アーサー王の死」の登場人物で妖精のような存在だそうです。
でもアーサーが言ってる映画の内容は原作と随分違うようでヘスターが嫌うのも無理ないかも。もしアーサーを信頼できるとすれば。

*お気づきかと思いますが、一応書いておきます。中産階級のご夫婦アルチミーターさん達のこと。マーティンが操縦室の計器を「these are the altimeters」と言ったのが人を紹介する時の言い方と同じなのでヘスターがそう言ったのですね。人を紹介する英会話、ひとりなら「this is ~~」複数なら「these are ~~」で夫婦や家族の場合the (苗字)s、この覚えるべき例文どおりに紹介するのが中産階級、と。

*マーティンの「孔子曰く "Never eat yellow snow!" 「黄色い雪を食うなかれ!」は、雪の黄色い部分はおしっこだから食べるなという意味。

*マーティンが特等室を解約しようと「政治家の部屋~遺体安置所」うんぬんと言った台詞は、特等室/stateroomのstateにかけた駄洒落なので和訳では表現しきれませんでした。ごめんなさい。statemanは政治家、lie in stateは偉人の遺体安置所の意味。

*ガリバルディにてアーサーがゴキブリを見て「あれ本物?」と言ったけど、イギリスにはゴキさんいないから、びっくりしたでしょうね!

*フワフワのホテルのガウンを来たダグラスが見たいものです。





Edinburgh感想&トリビア

2014-01-04 16:02:00 | Cabin Pressure
シャーロック3を見返していたら、初見では気づかなかった聖典ネタに気づき、前日まで諦めずにドイルの原作「THE EMPTY HOUSE」読んでて良かった!と思いました。シャーロック1と2では聖典の知識ゼロでもこんなファンになってしまいましたが、知っていると面白さもその分増えるという体験をやっとできました。それから、もうひとつ嬉しいことが!ここ1年近くキャビンプレッシャーの和訳をブログでやってきましたが、それで覚えた英語も出て来ました。ダグラスの語彙は難しいけどそこがシャーロックのインテリでチクリと意地悪な語彙と重なるのでしょうかね!

そんなことを励みに、世の中はシャーロックで盛り上がる中、キャビンプレッシャー0105エジンバラの感想&トリビアです。

dokuro難しかった和訳

a stag do/stag night・・・イギリス文化をちょっと知る人なら、これが新郎が友人と結婚式の前夜に独身最後の大騒ぎをやることってわかってると思うのですけど、これの日本語ってあるんでしょうか??「独身最後の男の旅」ってしましたがかなり苦しいですよね~

old boy・・・ダグラスがバーリンさんのことをこう呼んでいます。これも訳に苦しみました。マーティンの後の台詞「he went to a jolly good public school like you two.」と、コチラを参照すると「パブリックスクールの卒業生」ですが、このままじゃ日本語として長いし不自然。それでお風呂に入っててふと「元お坊ちゃん」を思いつきました。それでも元の意味を表しきれていないのが残念です。またマーティンの台詞「You said he was a nice old boy, he’s a horrible old boy!」の最初のnice old boyは気のいい紳士というイメージでhorrible old boyと言うとシャーロック0102ブラインド・バンカーに出て来たシャーロックの同級生の銀行員セバスチャンみたいな奴のイメージですよね。

マーティンのCome on・・・チップの金額をダグラスとアーサーに問い詰める時のこの台詞の言い方が、すっごくマーティンっぽくないと思ったのは私だけでしょうか?

bossy pony club types with Alice bands ・・・ポニークラブはその名の通り子供のための乗馬クラブで

写真のクラブリンク先

ここでキャロリンが意味してるのはいい家庭のお嬢さんの典型的なイメージとして乗馬とAlice band=カチューシャを言ってますよね。そして大体お金持ちの女の子はワガママな性格なのでbossyと。(ウチの子もカチーシャさせて性格もbossyだし単発でこういうクラブに乗馬に行ったこともあるけど、ちゃんとクラブに入会しなかったからお嬢さんになれなかったのですねw)そしてセイラとかヘザーとか品のある名前じゃなくてちょっと変わった名前のお嬢さんがアーサーに寄って来るって、キャビンプレッシャー史上で実例エピがないのが非常に残念です!実を言うと、アーサーにかつてガールフレンドがいたってことだけでも、かなりビックリです!!

Cymru!・・・ラグビーでウェールズを応援していたダグラスが叫んだウェールズ語のウェールズという意味の語で、「Cymru am Byth」で「ウェールズよ永遠なれ」という国の標語があるとwikiに。

ウェールズの国旗。スマウグ?!

さらに、13世紀にイングランドに敗れ独立国家ではなくイングランドの一部となり、イングランド王は皇太子にプリンス・オブ・ウェールズを名乗らせたため、現在でもイギリスの皇太子はその称号を持つとも。へ~、そうだったのか!

tooth fairy・・・最後のシーンのダグラスの台詞に出て来る歯の妖精のことは以前に書きました。子供が抜けた歯を枕の下に入れて寝ると、フェアリーが夜やってきて、歯を持って行って代わりにお金を置いて行ってくれるのです。




今回は、ダグラスとアーサーがパブリックスクール卒で、マーティンは違うという、sit comでの役割を明確にしたようなエピソードでした。アーサーってそう言えばお坊ちゃんだったんですよね・・・パパはオーストラリアの金持ちですもんね。イギリスのそういう微妙なクラス意識と、ウェールズ対イングランドというイギリス連合王国の歴史を知らないとわかりにくい非常に英国的な話かもしれませんね。



ヘンリー5世:The game's afoot.

2013-11-17 00:00:00 | Cabin Pressure
キャビンプレッシャー0104 Douz の感想とトリビアをもう一個いきます。個人的に「おお?!」となったんですが、実はあまりキャビンプレッシャーとしては重要じゃありません。



帰途を目差してスコットランドのクリケットチームにダグラスが言ってしまった「 Then onwards for England, Harry and St George! 」スコットランド人は基本的にイングランド人が嫌いですからブーイングされます。和訳中にも簡単に書いておきましたが、元はシェイクスピア;「ヘンリー5世」の台詞でリンク先のAct IIIの3つ目の固まりの中にあります。フランス軍に突撃するのに部下を鼓舞した台詞ですね。で、注目は2行前の「The game's afoot;」

シャーロック・ホームズ聖典/アビー荘園で、コナン・ドイルがここから引用した、ホームズがワトソンに叫んだ台詞がこれ。「The game is afoot. Not a word! Into your clothes and come!」。gameとはこの場合、狩猟の対象となる動物/追求・攻撃の的、という意味で使われています。コチラのサイトによると「獲物が飛びだしたぞ。問答無用だ! 着替えをして、ついてきたまえ!」という訳になってて、ホームズの有名な台詞なんだそうですね。



そして我ら21世紀SHERLOCKの「The game is on!」となるのですね~~~♪



afootは古語で今では on foot と言う「歩いて」という大きな意味があるそうですので、18世紀のホームズがafootと言ったのを21世紀のシャーロックがonと言うのは自然なのですね?!それで、gameの意味も、18世紀には「獲物」だったのが今では「ゲーム」!!

元々シャーロキアンだった方々には周知の事実だったのでしょうが、私はそれほどヴィクトリアンのホームズには興味がなかったので、キャビンプレッシャーを訳してて、この流れを知り喜んでいます。そして、イギリスの創作物へのシェイクスピアの影響をまた思い知りました。無人島に流されても聖書とシェイクスピア全集は自動的に付いて来るわけです。(Desert Island Discsについてはコチラの5をどうぞ)