ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

豊島、史上4人目の竜王・名人に

2019-12-08 18:05:27 | Weblog
昨日の竜王戦第5局は挑戦者の豊島将之名人が広瀬章人竜王を143手で下し、4勝1敗で竜王位を奪取しました。これにより豊島名人は羽生善治、谷川浩司、森内俊之に次ぐ、史上4人目の竜王名人となりました。

今期の竜王戦での豊島さんは、全盛期の羽生さんを思わせるような粘り強さ、執念のようなものを感じました。広瀬さんはピッチャーに例えるなら160キロのストレートを投げ込むような剛速球投手だと思います。まともにぶつかり合うと、押し込まれてしまうことが多く、昨日の第5局にしても終盤まで広瀬さんリードで、並の棋士なら広瀬さんの華麗な寄せを決められてしまうような展開でしたが、豊島さんは諦めず食い下がります。結果的に広瀬さんが歩一枚足りずに豊島玉を寄せきれず、駒をたくさん溜め込んだ豊島さんの反撃が決まっての勝利でした。謙虚な豊島さんは「ツキがあった」という言葉を使っていましたが、それを呼び込んだのは豊島さんの執念だったと思います。脳は勝ったと思うと働くなると言われます。昨日の広瀬さんは、もしかしたらそういう状態に陥ったのかもしれません。土俵を割らなかった豊島さんの足腰のしぶとさが際立ちました。

竜王・名人のビッグタイトルの二冠は史上4人目の快挙。保持しているタイトルを考えると、現在、最強とも言われる渡辺明三冠に大きな差を付けました。最優秀棋士賞は豊島さんでほぼ間違いありません。では豊島時代が訪れるのかというと、まだ大きな山がありそうです。渡辺さんが今期のA級順位戦で5戦全勝でトップを走っています。いよいよ渡辺明が満を持して名人戦に登場すれば、豊島VS渡辺の頂上決戦になります。ここで渡辺さんが豊島さんから名人位を奪えば、また立場は逆転します。ここが天下分け目の戦いになるでしょう。また、順位戦で渡辺さんを1敗で追う広瀬さんが意地を見せ、名人挑戦権を獲得する可能性もあり、それはそれで楽しみです。

いずれにしても順調にいけば、数年後には藤井聡太七段が名人位を争う位置に上がってくる可能性が高く、豊島さんにしても、渡辺さん、広瀬さんにしても、それまでに実績を積み重ねて藤井君を迎え撃ちたいところでしょう。
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