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旅行記、世相独言

岩山の洞窟住居群「マテーラ」(南イタリアの休日5)  2017.07.16

2017年08月16日 21時05分25秒 | 異文化体験_西欧
岩山の洞窟住居群「マテーラ」(南イタリアの休日5)  2017.07.16


 アルベロベッロから内陸に90分ほど走って、マテーラに到着。Castello Tramontanoにバスを止め、ガイドのコシモ氏と合流。

 1993年にユネスコ世界遺産に登録されたマテーラは、近年急速に人気の観光地に変身している。
その理由の一つは、イタリアがホスト国のひとつとなる2019年の「欧州文化首都(EUROPEAN CAPITAL OF CULTURE)」に、ペルージャ、アッシジ、シエーナ等を抑えて2014年にマテーラが選出されたからのようだ。旧市街のあちこちに「マテーラ2019」の旗がなびいている。
欧州文化首都に選出されると、EU全体の文化の特徴を備えた文化プログラムを計画し、そのイベントにはその都市市民や欧州各国からの参加も不可欠で、プログラム自身もその都市の長期的な文化、経済、社会発展に継続的な効果のあるものとされる。毎年別個の国の二都市が選出され、この2都市は協力して活動・イベント運営を行う。2019年のマテーラの相手都市は、ブルガリアのプロヴディフである。


         2014年「欧州文化首都2019」発表の瞬間と歓喜するマテーラ市民       街の至る所にMATERA2019の旗が

 マテーラの洞窟住居はサッシ(Sassi)と呼ばれる。クラヴィーナ渓谷の崖や斜面に二つのサッシ群地区(サッソ・カヴェオーソとサッソ・バリサーノ)を形成している。コシモ氏の案内で結果的にカヴェオーソ地区を歩いたようだが、どこをどう歩いたのか、とにかく迷路そのものでもう一度同じ道は歩けない。

        
マテーラ旧市街地図(地球の歩き方より)      渓谷にへばりつくように展開された住居群の様子

 リドーラ通りに面した国立考古学博物館界隈には商店が軒を並べ、その突き当りのランフランキ宮横にマテーラ旧市街を一望できる展望台がある。

        
   国立考古学博物館前のリドーラ通り             ランフランキ宮(この横に展望台が)  


          マテーラの主にサッソ・カヴェオーソ地区のサッシを一望する

 この浸食された石灰岩の岩山にこのような姿が形成され始めたきっかけは、一説によると8世紀ころ東方イスラム勢力から逃れてきた修道僧が住み着いたのが始まりとされる。17~18世紀最盛期を迎えたマテーラも、小作民の住居が中心で、州都の移転、人口増加や経済停滞等の影響で住環境は徐々に劣悪なものに変貌。1950年代サッシ地区の住民を強制移住させ一時廃墟となった。しかし、石窟聖堂や3,000戸ほどの洞穴住居、地下水路による各戸上水供給システムなどの文化的資産が評価され、1993年世界文化遺産に指定された。今日、サッシ地区の70%が国有財産になっている。

        
石灰岩の住居の壁には貝殻の化石が見られる         往時の住居「グロッタの家」の前にやってきた

 往時の住居が「グロッタの家」として復元され、見学することができる。当初、家畜小屋や保存小屋として活用されていた洞窟に、人が住まざるを得ない状況となり、人畜共生の住宅となった住まいの一端が垣間見える。ツアー客の人種によって日本語を含む主要言語での解説(約8分)が流れる。このため、住居隣のかつて岩を掘って集会所として使われていた洞窟での映像が、時間調整に使われている。


  グロッタの家の解説書             グロッタの家の周辺の景色           人畜共生時代の住宅が復元          


   ベッドは衛生上足高            予想以上にきれいな厨房            当時の生活者の写真

 サッソ・カヴェオーソ地区のどこからも見ることが出来る巨石に十字架を掲げるサンタ・マリア・デ・イドリス教会が一際印象的だ。迷路をさまよって、渓谷の端に建つカヴェオーサ教会で小休止後、サッソ・バリサーノに近いセディレ広場で昼食解散。

        
巨石に十字架を掲げる印象的なサンタ・マリア・デ・イドリス教会      カヴェオーサ教会前の広場

        
教会横はすぐにこのような急峻な渓谷             広場には手作りの陶板焼きの置物等が売る屋台が

 広場の通りに面してスーパーマーケット(Supermercato Diva)がある。涼を求めて店内に入る。美味しそうなお惣菜も売っている。チーズと生ハムを挟んだ小ぶりのサンドと多彩な野菜をオリーブ油で煮込んだコントルノをチーンしてもらい、店の前のテラスで昼食。


サン・フランチェスコ広場のAssisi教会     スーパーマーケット(Supermercato Diva)      店頭で昼食 

 昼食後、サッソ・バリサーノの中に少し足を踏み入れたが、標識のない迷路、どこに出るかわからないため、元来た道を引き返す。リドラ通りに人気のジェラート屋があり、隣のピザ屋と共に賑わっている。しっかり食べないとすぐに溶けてしまうこの暑さ。


サッソ・バリサーノ地区にちょっとお邪魔         リドラ通りのジェラート店 (この時期はカップ◎、コーン✖)

 午後1時半ごろ、自由時間を終え、再び風車が回る田園地帯をナポリに向かう。トイレ休憩等を入れて、およそ5時間ほどのドライブである。
 ナポリに戻り、午後7時前にメルジェリーナ港に近い海岸通りのレストラン「TOTO’s SAPORE」で最後の会食。と言うのも明日は全日フリータイム。この店の 、レモンケーキとこのツアーとしてはやや豪華版の夕食で、午後9時前に2連泊となるホリデイ・イン・ナポリに到着。

          
      南イタリアの農村風景                   ヴェスビオは依然として森林火災が続いている


ナポリ・メルジェリーナ港に近いレストラン「TOTO’s SAPORE」    Spaghetti con le Vongole&舌平目のムニエル 

 明日はいよいよ一番の楽しみにしているカプリ島・青の洞窟ツアー。少し風が出ているのが心配だ。

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