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旅行記、世相独言

関西電力という会社の金銭感覚

2020年03月30日 22時45分03秒 | 世相独言
関西電力という会社の金銭感覚


 コロナウィルスの陰に隠れて、福井県高浜町元助役からの関西電力元役員による多額の金品受領問題は、ややその扱いが薄くなっているが、経産省からの業務改善命令を受けて3月30日ガバナンス強化を柱とする業務改善計画を提出した。
 企業風土というものは、そうそう簡単に変わるものではない。ガバナンス強化以前の問題として、私はこの会社の金銭感覚に驚きを隠せない。
 原子力の停止は電力料金値上げにつながると消費者を脅しつつ、実態は営業利益を着々と確保し、経営不振と思わせて役員報酬を減額しつつ、その裏では内々にきちっと補填するなど、公益事業者と言い難い経営挙動を示している。

 昔、この会社と共同で事業を行ったことがある。その事業は、結構厳しい収支予想であったため、支援策を双方で検討した。同じ支援策について双方の企業が通常いくらくらい支払うかを出し合ったところ、普通の会社が出す委託費のなんとその10倍の金を関西電力では通常払いますという。これでは受託する企業たち(シンクタンク等のオピニオンリーダー等)も関西電力の悪口を言うわけはない。マスコミ等にとっても広告料収入の大切なお客様である。

 リーマンショックの際にほとんどの企業が、ダウンサイジングに取り組んだのは記憶に新しい。でも、この会社は今なお中之島の一等地に私企業でありながら独自の立派な病院を持ち、各地に保養所を持ち続けている。

 かつて、この会社には公益事業者として、日本一赤字を垂れ流す通信子会社と、日本一黒字を抱える不動産子会社があり、当時の通産省から何とかしろと指導を受けるほど金銭感覚に鈍感なところがあった。

 関電SOSという機械警備会社がある。通常機械警備会社というのは、顧客サイトからの信号に基づきある一定時間内に現場に急行し、しかるべき措置を講ずるので、現場に急行して顧客の安全安心を確保する体制とノウハウが大切である。しかるにこの会社の場合、要となるこの部分(出動態勢と現場対応)は自社では持たず、現場は金を出して他社任せ、現場のどろどろしたところには立ち入らず、金で任せて事業を行っている。

 こういった風土は、原子力の現場等にもあるのだろうと予想される。このような企業風土が改善されない限り、普通の会社と同レベルのガバナンス強化が決してなされるとは思えない。
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頑張れ、イタリア!

2020年03月24日 17時36分22秒 | コーヒーブレイク
頑張れ!イタリア


 イタリアが大変なことに。
ウイルスが変異していないことを祈りたいけど、それにしても、イタリア、スペイン、フランスとラテン系の国々での感染がひどいですね。

 イタリアには、何度も出張しましたが、思い出深い出来事があります。
 今から26年前の1994年6月、エネルギー業界の世界最大規模の国際会議がミラノで開催されました。世界中からエネルギー業界のVIP3千人が集まる会議で、私も日本代表の一人として参加しました。わずか1週間で20数億円の予算を消化する欧州風の豪華な会議です。当然、会議参加登録費も一人15万円程度だったと記憶してます。

             
      第19回世界ガス会議のポスター    プリンシペ・ディ・サヴォイアホテル

 会議と並行して主催国及び参加主要国主催のレセプションが、夜毎ミラノ各地で開催されます。前夜祭はミラノスカラ座貸し切りの特別プログラム。会議参加者3千人が一堂に会して同じメニュー・同じ食器で食事をするガラ・ディナーはフィエラ・ミラノで開催されました。この規模のインフラは残念ながら日本にはありません。

             
      ミラノ・スカラ座での前夜祭            前夜祭のプログラム

             
      フィエラ・ミラノでの開会式            3000人のガラ・ディナーの風景

 日本国主催のレセプションは、ミラノを代表するプリンシペ・ディ・サヴォイアホテルの大広間で開催しました。日本国主催のレセプションは、和食の提供が不可欠のためケータリング・サービスが必要で、屋外(お城や美術館等)での開催はリスクが大きく、どうしてもホテルでの開催となります。
 レセプションの最大の目玉は、スカラ座オーケストラのピックアップメンバーとイタリアに音楽留学している日本人たちによるステージ、そして先ほどの食事メニューとお土産でした。

             
  ミラノ・スカラ座オーケストラのピックアップメンバーと    イタリアへの日本人音楽留学生

 何度もスカラ座メンバーやホテル側マネジャーと綿密な打ち合わせを行い、いよいよ明日が本番という日を迎えました。この日は主催国代表者による限定招待者のプレジデント・ディナーがミラノ大学で開催される日でした。
私も招待されており、楽しみにしていたところに、ホテル宴会部門長から、今まで詳細打ち合わせをしてきた宴会マネジャーがおたふく風邪で倒れたという電話が入りました。

  
プレジデント・ディナーへの招待状      開催国事務局長夫妻と      展示会場スタッフ達と

 「相手は、イタリア人」。マネジャーがどこまで現場の人間に打ち合わせ内容を徹底できているか、大いに不安がよぎりました。私はホテル宴会部門長に私のスタッフたちと共に再確認をしたい旨伝え、その夜は部門長、代行マネジャーを交えて、遅くまで再確認を行いました。

 結果、当初の「相手はイタリア人だから」という不安は一掃されました。さすが、イタリア・ミラノを代表するホテルでした。打ち合わせ内容は、寸分違いなく末端まで伝えられていて、逆に感動しました。
 国賓ももてなす一流ホテルのスタッフたち、レセプションが終了した後、我々とホテルスタッフ達はお互いこのレセプションの成功を抱き合って喜んだのを今も忘れることが出来ません。

 素晴らしいホテルの仲間たち!

 打倒!コロナ。頑張れ!イタリア!!
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