計算に使用する道具といえば、古くは『算盤(そろばん)』だと思います。私も小学校4年生のときにはそろばん塾に通っていました。
中学から高校にかけては『計算尺』を使って関数計算をしていました。
それでも、大学を卒業後就職した会社では算盤を使って、四則演算の範囲の計算をしていました。
経理部では、大阪の㈱タイガー(旧、タイガー計算機㈱)製の“手回し式タイガー計算機”を使っている人もいました。
私が大学を卒業したのが昭和46年(1971年)。その5年以上前に電子式卓上計算機は世の中に出現していましたが、あまり普及しておらず、当時はその存在すら知らない人の方が多かったのではないでしょうか。
私が昭和48年(1973年)に転職した会社には、数年前に32万円で購入したという電子式卓上計算機がありました。 シャープCS-31A(1966年発売)。(幅)400mm×(奥行)480mm×(厚さ)220mm、重さ13kgと、まるでレジスターかと思うほどの大きさでしたが、バイポーラIC(28個)、トランジスタ(553個)、ダイオード(1549個)を使用した世界初のIC電卓です。価格は350,000円とかなり高価でした。
そんな高価な電子式卓上計算機の価格破壊を仕掛けたのは、立石電機(現、オムロン)でした。
立石電機は1971年(昭和46年)4月19日に、4万円台の電子式卓上計算機(電卓)を5月1日から発売すると発表しました。
当時、この価格は「オムロンショック」といわれ、激化する値下げ競争を象徴する出来事として記憶されているのではないかと思います。 私は、1973年(昭和48年)新発売された世界初の「COS化ポケット電卓 EL-805」を、会社に出入りしていた事務用品販売業者の勧めで購入しました。
(幅)78mm×(奥行)118mm×(厚さ)20mm、重量200g、LSI1個、液晶ドライバ2個を搭載し、当時とすればコンパクトなポケットタイプでしたが、8桁表示、2メモリーで、価格26,800円と、安くなったとはいえ、かなり高価でした。 その後、関数電卓など多機能なものやソーラー発電チップ搭載のものが発売されるなどの紆余曲折を経て、クレジットカード大のカード電卓が発売されるまでになりました。
現在では皆さんが良くご存知の様に、100円ショップで販売されるまで廉価になっています。