今は亡き和裁師、村松益子さんの
「美しいきもの姿のために」(ちくま文庫)
という本を眺めていたら、
「帯がかわいそう」という一節に。
村松さんは、多くの女優さんの衣装を
請け負ってきた伝説の和裁師とも呼ばれる方で、
前には、山口智子さんとの対談のときにも
ご紹介したことがありますね。
→山口さんも撮影OKなんですよ。
真ん中の女性が村松様。
「公式サイト」→ここに山口さんの文章が掲載。
「帯がかわいそう」のあとには、
「かわいそうなので、着付け教室をやめました」という
女性の言葉を紹介。
その理由は佐賀錦の袋帯をお稽古に持参したところ、
先生が無遠慮にひだを畳んだり丸めたりするので、
ハラハラしてそのままその教室をやめたそうです。
いや、確かに、何回かねじり結びをして、
帯が痛まないのかなあ、と思ったことよのう。
先日の帯は~~。
あちこちにこんな風にシワが。
木綿ということで
少し硬いせいもあるんでしょうね。
先のムガシルクは、
あまりシワが寄っていない。
本によると、
佐賀錦の帯は「一締め一万円」ともいわれるそうです。
つまり一回締めるごとに一万円ずつ痛むそうです。
こちらとしては、シワが寄ると、アイロンかけねば
ならないので、手間が増える、というところかな。
それに、やはりかわいそう、という気がしないでも
ありません。
で、先生は、「帯が痛まない締め方」を
紹介してくださっています。
マッ、普通に締めたあと、
「手を左下に斜めに折る」
「左手でこの斜めにして
縫い目のほうをしっかり持つ」という
まあ、普通?の方法ですね。
帯の締め方にはいろいろあって、
便利、早い、がいいときと、
ゆっくり、帯が痛まない方法など、
先生や本によってもいろいろ。
ワタシなんか、あちこち習って、いろいろ
試すのが好きだからいいけど、
場合によっては混乱しますね。
それに最初に習ったら、手や身体が
その方法を覚えてしまうし。
だからときどき締め方を変えてみる~~?
もう一つ本には、
花柳正太郎さんの、
「きものって着くずさなきゃダメだ」との一言が、
心に残りました。
そのためには「着て脱いで、着て脱いで、を繰り返す、
それをやっている人といない人ではやっぱり違う」
でも、着物が特別なものになった今、
「上手に着くずしている」モデルを
本にも身近にもなかなか見かけない!
たとえば、こんな感じ?
銀座むら田の当主。
「クロワッサン・着物の時間」より。
最初に習った同じマンションの先生は
着くずし上手だったなあ、と
今になって思う。
当時はわからなかったけど。
とにかく着て、着て、着まくる~~。
「着方を習ったら、グズグズでシャッキと、
というところまで着くずすのが理想です」。
着くずすと着くずれるは違うだろうし。
さしずめワタクシの場合は明らかに
着崩れる、ほう
理想は遠く、現実は~~、というところですね。
洋服では当たり前の「着くずす」ファッション、
着物では、いまや死語なんでしょうか?
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