【ML251 (Marketing Lab 251)】文化マーケティング・トレンド分析

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ベンチャー経営と日本型経営のモチベーション

2011年07月24日 | マーケティング話
どうも facebook とかやり始めたら(それでもロクにログインしてないんですが・・・)、こちらの更新頻度が減ってしまったような。
日常生活で見たり感じたりしているちょっとしたことは、あちらに書いたりしてますんで。

最近、隔週刊の 『PRESIDENT』 を買うことが多いです。
(これも、facebook での知人達の影響なんです)
最新号(2011年8月1日)には、リアルでお会いしたことがあったり、お付き合いのある方が数名登場されてるんですが、それらとは別の2つの記事が気になりました。

ひとつは、「人気ベンチャーはなぜ潰れたのか」という、ワイキューブ代表取締役、安田佳生氏の手記 (98~103ページ)。
安田氏の著作 『千円札は拾うな』 は読んだことがあって、mixi あたりにレビュー書いたような気がします。
どんなレビューを書いたか忘れましたが、ポジティブな内容だったかと思います。
あと、安田氏はいかにもリクルート出身、という印象も残ってます。
ワイキューブの最盛期は、リーマンショック前の2007年5月期で、売上高46億1,400万円だったそうですね。
それでも投資に見合った売り上げではなかったそうです。
僅かな期間のようでしたが、社員数30名前後の頃、賃料1,200万円/月のオフィスも構えていたり、社内にバーやワインセラーを置かれたり。
もちろん、社員の給料は右肩上がり。
これらは会社のブランド力と社員のモチベーションアップのためだったそうです。
2010年3月期の売り上げが14億5,000万円と落ち込み、社員の給料を下げたり、一部社員を休職扱いにしたら、社員のモチベーションは落ちたそうです。
そうして、今年3月、民事再生法の適用を受け、負債総額40億円。

もうひとつの記事は「なぜ、試着できないゾゾタウンで服が売れるか」 (54~55ページ)。
モバイルコマースでファッション商品を売りまくっている、今話題の「ゾゾタウン」の記事です。
「通販商品は安っぽい」という常識を覆し、いわゆる「キラキラした価値観」を体現しているのが、「ゾゾタウン」成功のポイントのようで、同社の商品政策・サイト運営についてご興味のある方にはご一読を薦めます。
で、「ゾゾタウン」を運営するスタートドゥディでは、社員同士は成果を競い合うライバルではなく「友達」や「仲間」。
給与体系も年功序列型で、ボーナスは全社員同額とのことです。
業績は、2011年3月期の売上高238億円。前期比38.7%の増。営業利益は前期比80.8%増の58億円とのこと。
会員数も伸び続け、313万人突破されたようです。

ワイキューブとスタートドゥディの雇用体制を比較して、どっちが優れてる? という話をしようというのではありません。
経営者のポリシー、ミッション、ビジョン、コンセプトは、人が一人一人異なるように多様でいいわけです。
ワイキューブはたまたま倒産しただけの話です (勿論、構造的な要因があって、それは前述の記事を読めばわかります)。
それにスタートドゥディはまだ「成長期」の企業で、いずれターゲット市場は成熟するでしょう。

ただ、リクルートご出身で、ベンチマークを常にリクルートにおいていたビジネスパーソン、安田氏のご経歴に対して、音楽活動をしながらCDの輸入・販売を手掛けられ、98年に法人化、2004年に「ゾゾタウン」を開設された、スタートドゥディ代表取締役CEO 前澤友作氏のご経歴と価値観のほうに僕は興味があります。

「僕自身、楽しんで働きたいんですよ。人を蹴落として勝つよりも、人の役に立ち、お互い幸せな気持ちになるほうが重要じゃないですか。仕事もプライベートも充実してこそ、人生は豊かになるはずだし、そうした生き方がスマートでしょう?」

前澤氏のこのコメントに、僕はシンパシーを感じます。
会社のドアに大きな「愛」という文字を入れているのもいいと思いますよ。

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