10月7日(木曜日、「残響record」河野章宏社長の講演に行ってきました(「Apple Sotre銀座」)。
河野社長の著書『音楽ビジネス革命 残響レコードの挑戦』については6月に書かせて頂きました。
7日の講演はとても刺激的した。
河野社長から、元気を頂きました。
講演もライブと一緒で、参加した人達 (ミュージシャンらしき人も含め若い人が多かったのはいいことです) にとっての「経験価値」なので、この場で、数字を含めた要約を書くことはしません。
まず、全体的な所感を記します。
河野社長ご自身が、どこまで気づかれているかはわかりませんが、河野社長は優れたマーケターでもある、ということです。
僕も音楽業界の末席にいた頃からず~っと気にかかっていたことなんですが、業界での「マーケティング」という概念と役割は、とても狭く偏っています。
とて~も基本的な話なんですが、「マーケティング」の4P(マーケティング・ミックス)とは、
Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(宣伝)なんですが、
音楽業界では、Promotion(宣伝)だけなんですね、マーケティングは。。。
クリエイティブな制作セクションが創った(作った)「作品」を「製品」として売る。
対象は卸や小売店(B to B)。
そしてエンドユーザー(リスナー)に「商品」を「どう売るか?」(B to C)ということで、宣伝(アドバタイジングとパブリシティ)がある。
とても矮小化されています。
本来は、企画・制作フェーズから、卸・小売への流通、さらにはエンドユーザー(リスナー)にとってどのような価値を提供するか? というトータルなフェーズこそ「マーケティング」なんです。
僕の受けた感じでは、河野社長は、そのあたりがわかってらっしゃる、と言うか、当たり前に考えてらっしゃる、ということです。
「残響record」ではプランニングをとても大切にしてらっしゃる。
そして、戦略立案はゴールから逆算して考える。
3万枚売りたいのなら3万枚売れる楽曲を創る。
10万枚売りたいのなら10万枚売れる楽曲を創る。
Product の企画立案から最終フェーズまでトータルに見据える。
こういう発想は、「大企業」化した組織では、頭でわかっていても現実には難しいもんです。
昔日の業界ズッポリではなく、ミュージシャンとして何もないところから事業を構築されてきた河野社長だからこそ、当たり前の発想ができるのではないかと考えます。
「売れない環境はチャンス。なぜならアイデア次第だから」
「業界を見ていると “そんなことやってたら売れない” と思うケースが8割」
既存の音楽業界人にとっては耳が痛い話でしょうけど、
メジャーメーカーをJA(農協さん)に喩えていた河野社長のお話は的を得ています。
個々の人の問題ではなく、システムの問題です。
また、卵の喩え話も。
卵を売るためには、いいニワトリを育てることから始めるのが「残響record」。
ところがメジャーメーカーは、いかに沢山産ませるか? が最重要。
「いいニワトリが大切なことは分かっているけど、この音楽不況でそこまでお金が回らない」
というメジャーメーカーさんの言い訳(ゴメンナサイ・・・)が聞こえてきそうです。
(と言うか、過去、沢山聞いてきました。直にです)
「では、ミュージシャンにも企業スポンサーをつけたり、スポンサードでお金を集めたら?」
というのは僕の持論で、河野社長も同じことを仰せでした。ゴルフの石川遼選手を引き合いにされて。
メジャーメーカーも、事業ドメインを見直していくべき時はとっくに来ていると思うんですが。
(小売はどうするか? という重要な問題もありますが、解決できない問題ではないと考えます)
あと、河野社長のブランド理念について。
「ミュージシャン第一主義=長く活動できるようにすること」
僕自身の話になりますが、飯原経営研究所(星光堂のシンクタンク)時代、
「アーティスト・ブランド」と口に出すと、
社内・社外問わず殆どの人から、「???」という反応がほとんどでした。
「ブランドとしてのアーティストが息長く活動していくこと」
なんて言えば、「なんじゃそりゃ?」です。
まぁ、90年代後半に“バブル”を経験した業界にとって最重要課題は、大ヒットなんで、
アーティスト(ミュージシャン)が息長く活動、なんてことは???だったでしょうけどね。
ブランドという概念は、「息長く」というキーワードと不可欠なんです。
単に、オリコン第何位!とか、根強い固定ファンがいる、ということで「ブランド」という言葉を乱発して欲しくはないですね、芸能系ジャーナリズムの皆さんは。。。
「ヒット」と「ブランド」を混同しないで下さいね。
で、河野社長は優れたマーケターであるばかりでなく、
優れたミュージシャンであることは言うまでもありません。
ショップで te' の 『敢えて、理解を望み縺れ尽く音声や文字の枠外での「約束」を。』 の帯を見たら、何と石井岳龍(聰互)氏のコメントが!!!
僕らの世代で石井聰互と言えば、ラジカリズムの旗手の一人なんです。
「音楽を聴いて旋律が走ったのは久しぶりだ。」
楽曲も演奏もカッコイイですよ。
texas pandaa もですね、
一昨日の土曜日、「タリーズ」の2階から雨の甲府駅前を眺めつつ、
村上春樹の『1Q84』を読みながら 「Down In the Hole」 を聴いてたら、
何だかすご~くいい感じだったんですよ。
とても気持ちがよかったんです。
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お読み頂き有難うございます。
(↓)クリックの程、宜しくお願い申し上げます。
河野社長の著書『音楽ビジネス革命 残響レコードの挑戦』については6月に書かせて頂きました。
7日の講演はとても刺激的した。
河野社長から、元気を頂きました。
講演もライブと一緒で、参加した人達 (ミュージシャンらしき人も含め若い人が多かったのはいいことです) にとっての「経験価値」なので、この場で、数字を含めた要約を書くことはしません。
まず、全体的な所感を記します。
河野社長ご自身が、どこまで気づかれているかはわかりませんが、河野社長は優れたマーケターでもある、ということです。
僕も音楽業界の末席にいた頃からず~っと気にかかっていたことなんですが、業界での「マーケティング」という概念と役割は、とても狭く偏っています。
とて~も基本的な話なんですが、「マーケティング」の4P(マーケティング・ミックス)とは、
Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(宣伝)なんですが、
音楽業界では、Promotion(宣伝)だけなんですね、マーケティングは。。。
クリエイティブな制作セクションが創った(作った)「作品」を「製品」として売る。
対象は卸や小売店(B to B)。
そしてエンドユーザー(リスナー)に「商品」を「どう売るか?」(B to C)ということで、宣伝(アドバタイジングとパブリシティ)がある。
とても矮小化されています。
本来は、企画・制作フェーズから、卸・小売への流通、さらにはエンドユーザー(リスナー)にとってどのような価値を提供するか? というトータルなフェーズこそ「マーケティング」なんです。
僕の受けた感じでは、河野社長は、そのあたりがわかってらっしゃる、と言うか、当たり前に考えてらっしゃる、ということです。
「残響record」ではプランニングをとても大切にしてらっしゃる。
そして、戦略立案はゴールから逆算して考える。
3万枚売りたいのなら3万枚売れる楽曲を創る。
10万枚売りたいのなら10万枚売れる楽曲を創る。
Product の企画立案から最終フェーズまでトータルに見据える。
こういう発想は、「大企業」化した組織では、頭でわかっていても現実には難しいもんです。
昔日の業界ズッポリではなく、ミュージシャンとして何もないところから事業を構築されてきた河野社長だからこそ、当たり前の発想ができるのではないかと考えます。
「売れない環境はチャンス。なぜならアイデア次第だから」
「業界を見ていると “そんなことやってたら売れない” と思うケースが8割」
既存の音楽業界人にとっては耳が痛い話でしょうけど、
メジャーメーカーをJA(農協さん)に喩えていた河野社長のお話は的を得ています。
個々の人の問題ではなく、システムの問題です。
また、卵の喩え話も。
卵を売るためには、いいニワトリを育てることから始めるのが「残響record」。
ところがメジャーメーカーは、いかに沢山産ませるか? が最重要。
「いいニワトリが大切なことは分かっているけど、この音楽不況でそこまでお金が回らない」
というメジャーメーカーさんの言い訳(ゴメンナサイ・・・)が聞こえてきそうです。
(と言うか、過去、沢山聞いてきました。直にです)
「では、ミュージシャンにも企業スポンサーをつけたり、スポンサードでお金を集めたら?」
というのは僕の持論で、河野社長も同じことを仰せでした。ゴルフの石川遼選手を引き合いにされて。
メジャーメーカーも、事業ドメインを見直していくべき時はとっくに来ていると思うんですが。
(小売はどうするか? という重要な問題もありますが、解決できない問題ではないと考えます)
あと、河野社長のブランド理念について。
「ミュージシャン第一主義=長く活動できるようにすること」
僕自身の話になりますが、飯原経営研究所(星光堂のシンクタンク)時代、
「アーティスト・ブランド」と口に出すと、
社内・社外問わず殆どの人から、「???」という反応がほとんどでした。
「ブランドとしてのアーティストが息長く活動していくこと」
なんて言えば、「なんじゃそりゃ?」です。
まぁ、90年代後半に“バブル”を経験した業界にとって最重要課題は、大ヒットなんで、
アーティスト(ミュージシャン)が息長く活動、なんてことは???だったでしょうけどね。
ブランドという概念は、「息長く」というキーワードと不可欠なんです。
単に、オリコン第何位!とか、根強い固定ファンがいる、ということで「ブランド」という言葉を乱発して欲しくはないですね、芸能系ジャーナリズムの皆さんは。。。
「ヒット」と「ブランド」を混同しないで下さいね。
で、河野社長は優れたマーケターであるばかりでなく、
優れたミュージシャンであることは言うまでもありません。
ショップで te' の 『敢えて、理解を望み縺れ尽く音声や文字の枠外での「約束」を。』 の帯を見たら、何と石井岳龍(聰互)氏のコメントが!!!
僕らの世代で石井聰互と言えば、ラジカリズムの旗手の一人なんです。
「音楽を聴いて旋律が走ったのは久しぶりだ。」
楽曲も演奏もカッコイイですよ。
texas pandaa もですね、
一昨日の土曜日、「タリーズ」の2階から雨の甲府駅前を眺めつつ、
村上春樹の『1Q84』を読みながら 「Down In the Hole」 を聴いてたら、
何だかすご~くいい感じだったんですよ。
とても気持ちがよかったんです。
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