南の国の会社社長の「遅ればせながら青春」

50を過ぎてからの青春時代があってもいい。香港から東京に移った南の国の会社社長が引き続き体験する青春の日々。

香港VSシンガポール

2007-08-11 13:02:31 | アジア
香港は今日も雨です。そういえばシンガポールも雨が多いです
が、台風は全く来ないというのが大きな違いですね。香港も
シンガポールも、いろんな点で似ていますね。国際的な競争力
が高も世界のトップクラス。スイスと並んで、金融の中心地に
なっています。香港は1997年に中国に返還されてしまったので、
正式には独立国ではないですが、どちらも面積の狭い小さな
国です。

私がシンガポールに正式に駐在となったのは1997年の始め。
その年の7月に香港が中国に返還になりました。シンガポール
で仕事を始めてしばらくして、その年の後半に突如アジアを
襲った通貨危機。うちの会社は、タイやインドネシアの仕事も
していたので、通貨危機は結構な打撃となりました。しかし
アジアは、それを乗り越えて復興をしました。途中、サーズ
でアジア全域がダメージを受けましたが、今またアジアは
元気にがんばっています。

私は、シンガポールで10年間仕事をしてきて、今度は香港。
国際競争力の高い二つの国に滞在できて、両方を比較できる
というのはまれな機会です。香港のことは、まだ十分に
わからない部分も多いですが、シンガポールと比べて違う
部分をいくつか実感しています。ここでちょっと、私が
気づいた違いと類似点を整理してみたいと思います。

香港もシンガポールも小さな国です。香港の
ほうが面積的にも、人工規模的にも大きいですが、いずれ
しても小さな国です。どちらもその小ささと、資源のなさ
を逆手にとって、国際的にトップクラスの競争力を持つに
至りました。これはたいしたものです。

シンガポールには、天災がありません。地震も
なければ、台風もない。洪水もありません。唯一、落雷
くらいですね。香港も、地震はありませんが、台風はあり
ますね。日本に比べれば、地震とかない点が安心です。

シンガポールには、ほとんど山がありませんが、
香港は山だらけです。香港の家は駅の側なのですが、その
坂道を昇るだけで息は切れてしまいます。シンガポール
での運動不足が香港で解消されそうです。

シンガポールも、香港も、どちらも中華圏の国
ですが、シンガポールはマレー系やインド系が多く、
多国籍な感じですね。香港の場合は、基本的には中国人
の単一民族国家という感じ。フィリピン人とかは香港の
ほうがいっぱいいますけど。

シンガポールは、英語の国です。テレビとか、
ラジオとか、新聞とか中国語(北京語)のものも人気です
が、街で見かける看板もほとんど英語です。それに対して
香港は、広東語の世界。英語は、シンガポールよりも通じ
ないですね。上海や日本よりはましですが。テレビや新聞、
看板はほとんど中国語(繁体字)です。日常的に英語を
使っているシンガポールのほうが、英語は上手。ただし、
「シングリッシュ」のなまりがあり、文法も適当ですが。

どちらの国も日本料理は人気で、日本の食材は
簡単に手に入りますが、日本に近い香港のほうが日本の
食材の豊富さには分があります。シンガポールは、カレー
などのレトルト食品も肉の使用が制約がありますが、香港
は問題なく輸入できていますね。日本食材に関しては香港
のほうが上です。

シンガポールのほうが安全な感じはあります。
香港はマフィアやスリがいるという雰囲気はあります。
しかしそんなに危ないという感じはしません。
まあ、日本のほうが危険なのかもしれませんが。

シンガポールには四季はありませんが、香港に
は若干の季節はあります。シンガポールは年がら年中
同じ服装で通せますが、香港では上着を着る頻度が高い
です。シンガポールではほとんど上着を着ることがあり
ませんでした。

シンガポールはほとんどどこにでも、エスカレー
ターがあり、自分で階段を上り下りするということは
ほとんどありませんが、香港では階段もいっぱいあります。
香港は運動になりますね。

香港の人々もシンガポールの人々も大半は高層
アパートに住んでいます。私もシンガポールでは15階建て
の15階に住んでいましたが、今は50階建ての26階に住んで
います。平均的に香港のほうがビルの高さは高いですね。
高所恐怖症の人は香港はNGです。

ビジネス的に言えば、香港は中国という巨大市場
の窓口、シンガポールはインドという巨大市場の窓口とい
うことができます。その両方を押さえれば、これはすごい
ことになります。

シンガポールは安全ですが、文化的には面白み
がなく、刺激に乏しいと聞いています。香港は、映画産業
があり、音楽産業も元気です。中国大陸向けには、北京語
で歌える台湾の歌手り利があり、中国では台湾歌手が人気
です。シンガポール出身の歌手はあまりいませんが、最近
では、ステファニー・スン(孫燕姿)が中国でもかなり
ヒットしています。

香港もシンガポールも、金融、海運、ロジス
ティックス、観光、ショッピングなどの産業が基盤と
なっています。どれも実態があるようでない、現代的な
ビジネスですが、最先端の場所とはこういうところなの
かもしれませんね。

まだまだ、類似点、相違点はあると思うのですが、また
思いついたら、書きたいと思います。ちょっと前に
シンガポールで、取引先の人たちと食事をしながら話し
たときに、どちらに最初に駐在したかによって、シンガ
ポールが好きなシンガポール派の人と、香港が好きな
香港派の人に別れると言っている人がいました。ちなみ
にその人は、香港に7年住み、シンガポールに来た後、
今インドなのですが、香港派だと言っていました。別の
人は、ロンドンにいてからシンガポールに来たのですが、
その人はシンガポール派だと言っていました。
My Wifeも今のところシンガポール派です。