南の国の会社社長の「遅ればせながら青春」

50を過ぎてからの青春時代があってもいい。香港から東京に移った南の国の会社社長が引き続き体験する青春の日々。

リセット

2006-09-21 23:43:13 | 日本
この写真は静岡県の掛川の新幹線の駅の風景です。掛川城が見え
ます。掛川城といえば、今の大河ドラマ『功名が辻』の山内一豊
ゆかりの城。山内一豊の人生を見てみると、いくつかの人生の岐
路を経て、その都度、精神的なリセットを体験しました。
織田信長から、豊臣秀吉、そして徳川家康へ、主君が変わるたび
に自分の価値観をリセットしなければならなかった。それはまあ
大変なことだったろうと思います。

東京の地下鉄に乗っていたら、雑誌『トラバーユ』の中吊り広告
のキャッチコピーが「人生リセット」というものでした。今回た
またま、東京のマンションを引っ越ししていて、これまで使って
いた家具とか、書籍とか、衣類とかを思い切って処分したのです
が、これはまさにリセットという体験なんだなあと思いました。

書籍とか改めて見ると、捨てられないものがいくつもありました。
でも、「この数年間一度も見る必要のなかったものは、本当に
必要な物ではないんじゃない?」という下町娘の言葉が
あまりにもグサリと真実を突いていたので、思い切って捨てたの
でした。じっくり見ると捨てられなくなるので、あまり見ずに、
どんどん捨てることにしました。もったいないとかそういう気持
を持つ前に心を鬼にして処分することにしました。

シュラ・ラジニンという人がいます。どういう人なのかよく知ら
ないのですが、『生きる知恵の言葉』からの名言が有名です。
曰く、
「唯一、勇気のいることは、過去をきっぱりと捨てることだ。
過去を求めず、過去を積み重ねず、過去にしがみつかないことだ。
誰もが、過去をひきずっている。そして、過去に執着するからこそ、
今を生きることができないのだ」

引っ越しなどをして思うのは、人間というのは、いかに過去を捨て
きれないのかということです。実際に読みもしないのに、過去の本
を捨てずに持ってしまう。実際に着ることはないのに、過去の衣類
を捨てきれずにいる。過去のものを処分するということは本当に
勇気のいることです。

今回捨てた物のなかに、クロスカントリーのスキー板がありました。
10年以上使ってなかったのですが、捨てるのはかなり勇気がいりま
した。でも思い切って処分しました。インターネットのオークション
とかをすれば売れたのでしょうが、早く処分することが課題だった
ので、そんな欲をいだかずに、過去と決別をすることを選びました。

バブルの時代に買ったダブルのスーツもいくつか捨てました。ズボン
はウェストがまったく入らなくなっているので、もう履けません。
そういうのも思い切って捨てました。

最近、ゴミを溜め込んでいる人のところでボヤ騒ぎがありましたけど。
物が捨てられなくなる人の気持もよくわかります。私のオフィスが
そうです。過去の書類はなかなか捨てられません。捨てないでいると
どんどん書類の山が築かれていきます。そして結局、古い書類も新し
い書類も探し出すのがとてもタイへンになってしまうのです。思い
切って捨てるにかぎります。