南の国の会社社長の「遅ればせながら青春」

50を過ぎてからの青春時代があってもいい。香港から東京に移った南の国の会社社長が引き続き体験する青春の日々。

無錫旅情

2006-09-10 21:33:43 | アジア
昨日はフィリピンのマニラにいたはずなのに、今は中国の無錫です。
昨日一度、シンガポールに戻ってから、今朝の飛行機で上海に到着。
そこから車で、無錫までたどり着きました。MOTEL168という、無錫
の鉄道駅のすぐそばのホテルに宿泊しています。ホテルのすぐ前に
小さな河が流れていて、その向こうは、駅前の広場が広がっています。

今、中国人スタッフ5人と近くのレストランに食事に行って、帰っ
てきたら窓の外の、駅の向こうに花火があがっていました。部屋か
らばっちり見えましたので、得した気分です。

上の写真がホテルの部屋です。窓の向こうに見えているので駅の建物
です。部屋の面積は、日本のビジネスホテルよりも全然広くて、窓が
大きいために(さらにこの部屋は角部屋です)、とても広々と見えます。

値段が226元(日本円で約3360円)で、名前がモーテル168という名
前なので、どんなにボロいホテルだか心配だったのですが、結構新し
くて、清潔でお洒落な雰囲気なので安心しました。ちなみにこの
モーテル168というのはスタンダードルームが168元(約2500円)と
いう格安の料金設定で上海地区を中心に展開しているホテルチェーン
です。上海市内にも10数店のホテルがあるようです。

ちょっと調べてみたら、このモーテル168のことを書いてあるブログ
を発見しました。こちらです。
へー、サービスは準三ツ星サービスで売っているのか。豪華な設備は
ないけれど、安全で、奇麗で、機能的。しかももちろん、インター
ネットは無料で使い放題。机のところの壁からイーサネットのケーブ
ルが出ています。中国はこういうところが進んでいるというか、気前
よくインターネット接続をさせてもらえるのは感激です。

この部屋は、このホテルの中でも一番高いエグゼクティブルームです。
一番高いと言っても、3360円程度なので、全然安いのですが、なんだ
か、こういう値段のところに泊まると、値段の感覚がおかしくなって
しまいますね。

無錫には、これまで3回くらい来たことがありますが、無錫と言えば
「無錫旅情」ですね。中山大三郎作詞/作曲(昭和61年)、尾形大作
の歌で大ヒットした曲です。「君の知らない 異国の街で 君を想え
ば 泣けてくる」というねちっこい演歌です。以前、無錫の観光地の
太湖のほとりの公園に行ったとき、「無錫旅情」の歌詞が石碑になっ
ていて(中国語と日本語併記)で感動したものです。

中山大三郎さんも、尾形大作さんも、無錫を有名にしたということで、
今では名誉市民になっているとか。この「無錫旅情」の歌は何度かカ
ラオケで歌ったことはあるのですが、作詞作曲の中山大三郎さんって
どういう人だったのか興味がありました。天童よしみの「珍島物語」
も彼の作品だったのですね。「人生いろいろ」もそうだったのですね。
え?斎条史郎の「夜の銀狐」も?中山大三郎さんは、2005年4月に
逝去されたようです。

ところで無錫という都市は、市区人口は200万人を越えているようです
が、無錫市全体の人口は450万人近くになるようですね。工業団地には
日本企業もかなり進出してきています。明日の撮影もじつはこの工業
団地の中の日系企業です。

このあたりは、昔の呉の国があったあたりで、太湖は「呉越同舟」の
発祥地となったところだし、「臥薪嘗胆」、「ひそみにならう」など
の故事のあった場所です。越の国の句践(こうせん)の名参謀だった
范蠡(はんれい)という人に関連する「蠡園」(れいえん)という
庭園が観光地として残っています。絶世の美女、西施(せいし)を
敵国の呉の王様に差し出して、呉の王を骨抜きにするという策略など
を行いました。また孫子の兵法が活躍したのもこのあたりですね。
歴史が溢れているこの地域なので、本当はもっと長くいたいのですが、
明日は常熟という街に移動します。

昨日、「秀吉の枷」をやっと読み終わったのですが、その終わりの
ほうに、自決を前にした前野将右衛門が范蠡のことを語る部分があり
ました。竹中半兵衛も、黒田官兵衛も、前野将右衛門に范蠡の話を
したらしいのです。范蠡は、越王句践に覇をとなえさせるのですが、
その後、すぐに身を引いて商人になってしまいます。官兵衛も、秀吉
に仕えるのも潮時があるということで范蠡の話をしていたようです。
前野将右衛門は、「自分は、ちょっと長く仕えすぎてしまったようだ」
と言いながら、自害していくところが哀れでした。

何だかいろいろと考えさせられる無錫の街です。連日、国境を越えて
の移動が続いていますが、どんなに移動していても、世界の中心には
下町娘がいる、なんちゃって。失礼いたしました。
「功名が辻」の一豊さんも、出張につぐ出張でも、常に千代さんの事
が心の中心にあったのでしょうね。