今の日本でこんな敏感な社会派映画を作れるんだ
梅雨空の中、参議院選挙が告示された敏感な時期の6月28日公開映画「新聞記者」を観てきました。何故かいつも出掛けるTOHOシネマズでは上映していないのが残念である。
上映館も全国的に限られていて、少し遠いがイオンシネマ系を探して観てきましたが満席でしたよ。
この映画の存在を知ったのは、朝日新聞7月4日付 文化・文芸面で紹介されて知った。
闇の中でうごめく内閣情報調査室官僚役のセリフ「この国の民主主義は形だけでいい」 とつぶやいた言葉が新聞記事のタイトルに貼られていたのが、私の心を強くわしづかみ映画館へと足を運ばせた。
映画の起点は、ポスト安倍とも言われてる官房長官記者会見で質問受付拒否されている東京新聞の望月衣塑子記者の本「新聞記者」が原案になって、藤井道人監督や脚本スタッフがつくったとある。
主演の女性記者役に日本人女優をキャスティングできず韓国人女優シム・ウンギョンになったことをみると、今の日本で政府官邸批判ともとれる映画製作のハードルが高かったことが推測できる。「干されるリスク」を冒して出演した他の俳優陣に敬意を払わなければならないだろう。
映画の中で、国家国民のため政府に歯向かうやつは潰さなければならない!
悪い敵をやっつけ正義が勝利するパターンがエンターテイメントの定番だ。私も観てきましたが水平甲板護衛艦「いずも・加賀」の準空母化の必要性を後押しするプロパガンダ映画ではないかと勘繰りたくなるような「空母いぶき」が大々的に放映されているのとは対照的だ。
今の政権が憲政史上もっとも長くなりそうだとかいわれているが、刷り込まれていない無党派の多くの国民は「何かいやな空気」を感じているのではないかと想像する。
映画を観をえて痛快さはなく、どうしようもない閉塞感だけが残った。
「この国の民主主義は形だけでいい」