映画も面白いが、やはり原作本はもっと面白い
TOHOシネマズで、多くの皆さんはすでに「空飛ぶタイヤ」を観られたことでしょう。
私と
すっかり池井戸作品の虜になった私は、刊行されている作品全てを読みました。
この映画、涙腺の緩くなった私は「落涙注意」を忘れ観てしまった。すべての映画・ドラマがそうだが原作本にすぐることはないと感じる。
大企業が製品事故に気づいてからリコール対策費が経営に与えるダメージを恐れて組織的隠蔽に走る。頭の中です~っと「さもありなん」と受け入れることに慣れてしまっていることは恐ろしい。ある物を無いと言い張れる世の中、それが通る社会。
どれもが読んで面白い作品ばかりだが、その中から「果つる底なき」、「架空通過」、「BT,63」の三つを選び皆さんにお勧めしたいと思う。
「果つる底なき」作品は、作家:池井戸潤のデビューとなった小説で江戸川乱歩賞を受賞している。主人公「伊木」に降りかかる怪事件、銀行を舞台にした小説だか手に汗握る「銀行ミステリー」だ。最初から「この人をひきつける魔力」、いまにつながっているのでしょう。
「架空通過」作品の主人公たちは一回目の不渡りを出し倒産の危機にある㈱黒沢金属工業の高校生の娘「麻紀」と以前商社で信用調査をやっていて、麻紀が通う高校の副担任の「辛島」の二人だ。
麻紀が父の会社の危機を救おうと「
「円」以上に力を持った闇の金、そこに狂った人々の騒乱、麻紀と辛島の二人に襲い掛かる危機、最後まで息が抜けない作品。
「BT,63」作品の主人公は大間木琢磨であるが、実は亡き父の史郎に起こったことがミステリーの本題だ。この小説はふたりが混沌と入れ替わる不思議な作品だ。
琢磨は金モールの入った亡き父の運送会社の制服を見つけてから、父・史郎の意識に琢磨の意識が同化する現象が起きるようになる。父には何があったのか?
小説のなかに出てくる闇の男「成沢」と義足の死神怪物「猫寅」、このふたりの怪しげな人物像には目が離せない。
産業廃棄物処理場の金属破砕機で猫寅の体が「ガツッ、ガツッ」と砕け散り
読めば池井戸ファンが増えることでしょう。