『ミスター・ヴァーティゴ(新潮文庫)』

ポール・オースター、2001、『ミスター・ヴァーティゴ(新潮文庫)』、新潮社
空中浮遊を見世物として成し遂げた少年の、師匠との出会いとわかれ、空中浮遊の修行とその後の顛末についての自伝の体裁をとったストーリーテラーのポール・オースターの作品。ついつい、引きこまれて睡眠時間を削る。オースターの作品にはパターンが有るのだけれど、たとえば、本作には本人は登場しないが、しかし、本作を出版に漕ぎ告げたであろう人物の存在があって、作者の少年は死後この作品をその人物にたくそうとしているといったようなことだ。パターンがあるし、読んだことがあるストーリーだぞとおもわせておいて、ひねりを利かせてくる。オースターが野球が好き(どうも、それどころか、プロになることも考えたぐらいだったらしい)というのも、重要なシーンで登場するが、かといってそれだけではない。本作品は著者の世代よりも上の世代を想定していて、野球のことも含めて歴史を踏まえる。こういった変化球をまじえているところがなかなかである。
文庫を読むと云う方針なので、単行本まで手を出さないから、あともう少しでオースターの品切れになってしまう。この後、何を読もうか?
空中浮遊を見世物として成し遂げた少年の、師匠との出会いとわかれ、空中浮遊の修行とその後の顛末についての自伝の体裁をとったストーリーテラーのポール・オースターの作品。ついつい、引きこまれて睡眠時間を削る。オースターの作品にはパターンが有るのだけれど、たとえば、本作には本人は登場しないが、しかし、本作を出版に漕ぎ告げたであろう人物の存在があって、作者の少年は死後この作品をその人物にたくそうとしているといったようなことだ。パターンがあるし、読んだことがあるストーリーだぞとおもわせておいて、ひねりを利かせてくる。オースターが野球が好き(どうも、それどころか、プロになることも考えたぐらいだったらしい)というのも、重要なシーンで登場するが、かといってそれだけではない。本作品は著者の世代よりも上の世代を想定していて、野球のことも含めて歴史を踏まえる。こういった変化球をまじえているところがなかなかである。
文庫を読むと云う方針なので、単行本まで手を出さないから、あともう少しでオースターの品切れになってしまう。この後、何を読もうか?
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