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Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

「富嶽三十六景」(日野原健司) その4回目

2019年03月19日 22時37分01秒 | 読書


 「富嶽三十六景」をまとめて見たり、通しで解説を読むのは初めてである。個別には見たり、聴いたりした作品はいくつもある。また見ていない、あるいは認識できていない作品もいくつかある。
 今回解説を読むと、北斎は船に対する思い入れが強かったことがかかれている。確かに作品を見ると船は実に細かく、そして念入りに描かれている。江戸の水路・河を行き来する船から、海村・漁村など船にまつわる作品が多い。
 今回取り上げる12「武陽佃嶌」、13「常州牛堀」、15「信州諏訪湖」、22「上総ノ海路」、23「登戸浦」、26「御厩川岸より両国橋夕陽見」、27「東海道江尻田子の浦略図」、28「相州江の嶌」、29「江戸日本橋」と9作品に船が描かれている。実に半分である。
 22「上総ノ海路だは船が大きく描かれ、船の構造を知るための作品にすら見えてしまう。船に歴史を知る上には貴重な記録かも知れない。
 窓枠効果、透視図法など新しい技法なども多用している。だが、富士山はいづれも小さく、誘導された視線の先にそっと描かれている。そしてこのことによって奥行きが増したり、遠近が強調されたりという効果を狙っている。18「駿州江尻」に至っては細い線で形がなぞられているばかりである。彩色も藍が多用されている。

 藍のグラデーションだけで描かれた14「甲州石斑沢」は極めて有名な作品である。これも特徴的な波の形と白という配色が印象的である。さらに遠景の広大なすそ野をこれ見よがしに描いている。富士山は大きいが、どこか裾の方は陸地に溶け出すように茫洋と描かれている。山と空気の境目がない、相互に侵蝕し合っている。その大きな富士を背景にした網投げる漁師は富士や川の流れと対峙している。富士の圧倒的な量感にもたじろがずに網をひいている。この厳しさに惹かれる人も多い。私も惹かれた記憶がある。
 後刷りでは岩に緑、漁師と子供の服が茶色になるらしいが、想像するとちょっと緊張感が無くなるような気がしてしまう。藍だけの彩色がもっともふさわしいと私も感じた。そしてその方が漁師の孤独感がより引き立つ。自然に対するにはこの孤独感と緊張感を抜きにしては成り立たない。
 もっともこの後刷りと云えども北斎自身が関与して変えた可能性もあり、その場合の意図についてはもっと慎重に調べてから感想を述べなくてはいけないとは思う。あくまでも現時点での独断である、と記しておこう。

春の星

2019年03月19日 18時19分17秒 | 俳句・短歌・詩等関連
 市庁舎に提出物を届け、組合の会館で若干の作業をした後は、暖かい陽射しに誘われるように桜木町駅まで歩いてみた。足は何ともないのだが、少しばかり胸がゼイゼイする。風邪の後遺症というよりも体重オーバーの方が気になる。

 今晩は春の星をみようと思っていたらすっかり雲がかかってしまった。

★牧の牛濡れて春星満つるかな      加藤楸邨
★閂をさすむんむんと春の星       山口誓子


 第2句、まだ晩春には間があるものの、本日の気温では「むんむんと」という表現が生きてくるようだ。閂(かんぬき)も鉄の枠をすべらせる時には、春の水気の多い空気を吸って、ちょっとひかかり、そして重いはずだ。木の香りがたってくるような閂の重みにこの句の眼目がある。

午前中の予定は終了

2019年03月19日 11時38分45秒 | 日記風&ささやかな思索・批評
 風が少しあるようだが、陽射しがあり気持ちの良い天候。本日は17℃まで気温が上昇るらしい。
 午前中に処理する予定のことは終了。さらに昨日の会議で決まったさまざまな日程をスケジュール帳に書き込み、ようやく打ち出しを終わった。

 スケジュール帳を見ながら、いつものようにため息。それでも楽しくそれをこなすのが生きがいにもなっている。何もすることが無くて、家に引きこもるよりは楽しい。その合間に好きなことをする方が緊張感を持続出来て、却って好きなことをするときに集中できる。その集中に食い込んでいるのが気に入らないが‥。贅沢は言わないようにしよう。
 喫茶店での読書タイムがうれしい。

 これから団地の管理組合の届出書類を提出に市庁舎へ、さらに退職者会の用件で組合の会館へ。