Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

モーツアルト「ピアノ協奏曲第22番 K.482」

2016年09月18日 23時38分23秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等
 午後からはときどき雨。特にひどい雨とはならなかった。しかしとても蒸し暑かった。
 午前中は昼過ぎまでかかって、退職者会のホームページの更新を3つほど。熊野古道の報告はまだである。できるだけ早く仕上げてしまいたいとは思っている。
 午後からは家にこもっているのもつらいので雨の合間を縫って横浜駅まで歩いたが、喫茶店で読む本を持って出るのを忘れ、結局家電量販店と有隣堂と山の用品店をぐるぐる回って疲れたところでコーヒータイム。連休の合間ということで、喫茶店混雑して落ち着かない。読書には向かなかったようだ。
 明日は15時過ぎから所用がある。本日と同じ14時過ぎに出かける予定。



 本日かけていたCDは、モーツアルトの「ピアノ協奏曲第22番 K.482」。いつものとおり内田光子のピアノ、ジェフリー・テイト指揮のイギリス室内管弦楽団という組み合わせ。録音は1986年。
 この22番の協奏曲も23番と対の作品と云われる。そして第24番も含めて3つの協奏曲は木管楽器にオーボエではなくクラリネットを使っているという共通点がある。オーボエは登場しない。
 第22番は第20番のニ短調の協奏曲とはうって変わって明るく快活な出だしでである。特徴的で一度耳にしたら忘れられない旋律で始まる。多くの人はいかにもモーツアルト的という印象を持つに違いない。第2楽章がハ短調で、美しい旋律である。しかし明るい透明感のある美しさではなく、打ちひしがれたような美しさである。第3楽章も第1楽章とともに快活な旋律でやはりいかにもモーツアルトという曲である。細かいパッセージが美しい。

     


「鈴木其一展」感想2

2016年09月18日 20時24分12秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等
 本日は鈴木其一展の前期展示から気に入った3点を挙げてみた。



 まずは「萩月図襖」(東京富士美術館蔵)。ここに描かれた月は酒井抱一の「秋草鶉図」の月と対照の形である。抱一の作品の月ももとはこのように白く輝いていたはずである。芒の花と紅葉の赤い葉の代わりに、紅白の萩を配置したといえる。右の襖に紅萩、左に白萩を配置している。この萩の配置が空間を過不足なく効果的である。
 昨日取り上げた「朝顔図屏風」のように効果抜群の配置だと思う。紅白それざれの色のおさまり方やボリューム感に沿って枝の流れ、まとまりが考え尽くされていると感じる。解説によると花や葉は輪郭線を描いていない。月に呼応した白萩がことのほか印象的だと感じる。



 この「芒野図屏風」(千葉市美術館像)もまったく隙のない作品だと感じた。このように画面いっぱいに描きこむ描き方は、現代の日本画家に通じる。たとえば中島清之の「緑扇」などの試みにも通じているような気もする。
 中央に靡く白い霞のうねりがとてもいい。やはりこれも理知的な感覚にあふれている。白い霞は蛇行する水、川の流れても取れる。会場で同時に眺めていた私よりも高齢の女性が一緒に見ていた夫と思われる方ら「これに描く和歌は何がいいかしら」と言っていた。なるほどと思ったが、私はやはりこの作品は色紙の紋様や和歌を記す紙としてはとてももったいないと思った。これはこれで鑑賞した方がいいのではないだろうか。強いて言えば定家の「見渡せば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋(とまや)の秋の夕暮れ」などがいいのかな、と思う。
西行の西行の「心なき身にもあはれは知られけりしぎ立つ沢の秋の夕暮れ」は少し艶めかし過ぎると感じた。



 「昇龍図」(個人蔵)は何とも迫力のある龍である。影である黒い背景から浮き出るように躍動感あふれる画面に存分にその姿態をのびやかに示している。顔がとても愛嬌がある。頭以外の体躯の迫力に比べると意を誘うかもしれない。私は若冲の鶏を正面から描いた図などを思い浮かべたり、江戸中期からさかんに描かれた仔犬の図なども思い浮かべた。
 其一というと派手で鮮やかな色彩が印象に残るが、このような水墨画も気に入った。
 諧謔味と迫力と備えた不思議な魅力に満ちた作品だと思う。

平塚市美術館で「香月泰男と丸木位里・俊、そして川田喜久治」展

2016年09月18日 07時20分08秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等
   

 危うく見逃してしまう所であった「開館25周年記念 香月泰男と丸木位里・俊、そして川田喜久治 -シベリアシリーズ・原爆の図・地図-」展。昨日たまたま情報を手に入れた。
 期間は9月17日(土)~11月20日(日)まで。平塚市美術館は幾度か行ったことがある。なかなかいい美術館である。大人1枚900円となっている。65歳以上の平塚市民は無料、平塚市民でなければ団体割引扱いで720円。図録の案内はホームページには掲載されていない。



 なお、茅ケ崎市美術館では「北斎漫画展」を開催している。
 こちらは9月11日(日)~11月6日(日)まで。大人1枚700円。残念ながら市外在住者の場合は高齢者の割引はない。図録はB5サイズで2000円。

 平塚市美術館と茅ヶ崎市美術館のハシゴを考えてみたい。