私は「秋刀魚」という字が大好きである。この字を見ると、口が黄色くて新鮮な秋のサンマを思い出させてくれる。太刀魚という字もまた似ているし、好きではあるが、秋刀魚と秋の字がついているところがずっと親しみを持ってしまう。
10月以来もう何回も秋刀魚を家で料理してもらった。焼く・煮付ける、これだけで充分である。炊込みご飯にしたり、他の料理法でも好きであるが、シンプルな調理が一番いい。そして本日は2度目の秋刀魚の刺身を買ってきた。
好きな加藤楸邨の秋刀魚の句を探してきた。第1句は第一句集「寒雷」所収。1939(S14)33歳。29歳で結婚しており、その頃の句か。第2句は割と有名。夕方まだ陽の赤い頃、七輪で秋刀魚を焼いているような戦後の匂いがする。1940(S15)年の第二句集「颱風眼」所収でこの時楸邨は34歳。第3句は第九句集「まぼろしの鹿」(1967(S42)年)、楸邨62歳。私の好きな句に「雲に鳥わが生いまだ静かならず」がおさめられている。私も64歳でこの境地にいたいものである。この句集はかなり自在にいろいろな表現が並んでいる。
★秋刀魚焼き妻はたのしきや我が前に 加藤楸邨
★秋刀魚焼く匂の底へ日は落ちぬ
★秋刀魚啖ふ口ステンカラージンをうたふ口
10月以来もう何回も秋刀魚を家で料理してもらった。焼く・煮付ける、これだけで充分である。炊込みご飯にしたり、他の料理法でも好きであるが、シンプルな調理が一番いい。そして本日は2度目の秋刀魚の刺身を買ってきた。
好きな加藤楸邨の秋刀魚の句を探してきた。第1句は第一句集「寒雷」所収。1939(S14)33歳。29歳で結婚しており、その頃の句か。第2句は割と有名。夕方まだ陽の赤い頃、七輪で秋刀魚を焼いているような戦後の匂いがする。1940(S15)年の第二句集「颱風眼」所収でこの時楸邨は34歳。第3句は第九句集「まぼろしの鹿」(1967(S42)年)、楸邨62歳。私の好きな句に「雲に鳥わが生いまだ静かならず」がおさめられている。私も64歳でこの境地にいたいものである。この句集はかなり自在にいろいろな表現が並んでいる。
★秋刀魚焼き妻はたのしきや我が前に 加藤楸邨
★秋刀魚焼く匂の底へ日は落ちぬ
★秋刀魚啖ふ口ステンカラージンをうたふ口