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伊東良徳の超乱読読書日記

はてなブログに引っ越しました→https://shomin-law.hatenablog.com/

世界で一番美しい花嫁になる方法

2010-05-15 02:10:35 | 実用書・ビジネス書
 美しく見せるためテクニック集。
 日常の場面やパーティー、そして結婚披露宴を想定して、容姿容貌を美しく見せるための一言アドバイスを見開きで展開しています。全体を通じて順序立てて構成されているものではなく、ある場面では心構え的なもの、ある場面では長期的な美容法、ある場面では即応するテクニックというように、いろいろなことが書かれています。
 最初に予想したよりも、気の持ちよう的な心構えというか精神論も多く、姿勢・立ち居振る舞い・言葉についてのアドバイスが意外に多い感じです。
 最後の章は、美しく見せることよりも、婚活の心構えになっています。「花嫁になる」ためにはそこが大事ってことでしょう。その冒頭の「結婚すれば幸せになれるのではありません。幸せな人が結婚できるのです。」(118ページ)って、「私は今、幸せではありません。どうかあなたが私を幸せにして!」という空気を全身から醸し出している女性とぜひとも結婚したいという男性が、はたして、どれほどいるでしょうか(119ページ)という話。なるほど、ですが・・・その後、要するに自分から誘うな、男に誘わせろ、安売りするなという趣旨の駆け引きの話が延々。ちょっと疲れるというか、気が滅入りました。さて、美しい花嫁になったその後の人生は?


西村有紀子 東京書籍 2010年4月10日発行
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入門 東南アジア現代政治史

2010-05-15 00:57:08 | 人文・社会科学系
 欧米列強による植民地化以降の東南アジアの政治史を時期を追って区分して解説した本。
 植民地支配によってそれまでの歴史や交易、民族と無関係に人為的な境界線を引かれ、宗主国の利益のために稲作等の食料生産を破壊されてプランテーションなどの商品作物栽培を強制され一部の富豪と大多数の貧困層に分裂させられ、植民地支配のための分断統治で民族間の対立を煽られたうえで、各国が独立した過程が読み取れます。
 そして第二次大戦後の東南アジアの歴史は、植民地支配が残した大多数の貧困層の存在が共産主義勢力の浸透を帰結し、それに加えて中華人民共和国の成立とフランスがインドシナの植民地支配にこだわったことから生まれたベトナムの分裂のために冷戦の最前線となったことから、共産主義とそれに対する反発が大きな要素となって進むことになります。
 冷戦期に反共を最優先としたアメリカの支援で独裁政権が成立し延命し強権支配と不正蓄財・腐敗を進めていく様子、ベトナム戦争の終結を機に東南アジアでの冷戦構造が米中対立から中ソ対立に変化してベトナム対カンボジア・中国対ベトナムという社会主義政権同士の戦争に至った様子、その過程でアジア的価値などといって民主主義や人権を軽んじてきた「自由主義国」の様子が比較的淡々と記述されています。
 政治史としてみると、民衆の支持がある故に共産主義勢力をも取り込む必要があった支配者の立ち回り方に興味を覚えました。特にインドネシアの独立後初期のスカルノ政権での共産党と国軍のバランスの取り方とか、もう少し読み込んでみたい気がしました。カンボジアのシハヌークとソン・サン派とポル・ポト派になると同床異夢の魑魅魍魎ぶりが見え見えで気味が悪いですが。
 時期を区切ってそれぞれの地域を説明していくパターンは、各国のできごとが関連しているときはわかりやすいですが、そうでないことも多くそれぞれの地域について飛び飛びになったりダブったりする感じの方が強く、ちょっと読みにくく思えました。世界史・地域史の本の宿命ではありますが。


中野亜里、遠藤聡、小高泰、玉置充子、増原綾子 福村出版 2010年3月15日発行
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