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伊東良徳の超乱読読書日記

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「君、クビね」と言われたら読む本

2010-05-01 01:07:30 | 実用書・ビジネス書
 解雇された労働者が駆け込み寺的に加入してくるのを支えることが多い地域合同労組の立場からの解雇についての解説と対処法を書いた本。
 近年の使用者側の極めて安易で非情な解雇の実情と、解雇に関連する法知識がコンパクトにまとめられています。
 法律知識の部分は、法律に書いてあることやあるべき論というか労働者側の主張が書かれているわけで、現実にこの通りに組合の交渉や裁判で解決できるかというと、そこはちょっと。私も、労働事件では労働者側ですので、自分が書くときにはもちろん使用者側を利するようなことは書きませんから、著者の立場はわかりますが、「私たちユニオンのところへ相談に来る人の中には、中途半端に知識をかじって、自分の都合のいいように解釈している人が、驚くほど多いのです」(19~20ページ)というのは相談を受ける側としては日々実感しているところです。この本で書いていることも、この通りに裁判所でも当然通るものと思われるとちょっとなぁというところもあります。
 あとがきで書かれている「法律や制度は『使うもの』です。『依存』するものではないと思います。自ら行動を起こす中から、いろんな可能性が広がります」(165ページ)もその通り。
 行動のためのとりあえずのヒントと武器としていいと思います。
 退職勧奨や解雇通告時点での対応が大事という点からは、タイトルのように「君、クビね」と言われる前に読んでおいて欲しい本ですけど。


鴨桃代、高井晃 PHP研究所 2010年4月6日発行
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