伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

ヴァンパイレーツ6 血の偶像

2010-05-28 23:14:10 | 物語・ファンタジー・SF
 海賊船(ディアブロ号)と吸血海賊船ヴァンパイレーツ(ノクターン号)とそれらに命を救われた双子の兄弟コナーとグレースの運命で展開するファンタジー。
 6巻は、ノクターン号を離れて命の恩人で愛する人となったローカンの目を治すために山中のサンクチュアリに滞在し続けるグレース、ヴァンパイアとなったかつての友人ジェズをノクターン号に連れて行くコナーとその後のノクターン号でのジェズ、ディアブロ号で海賊として作戦を遂行するコナーの3系列でストーリーが展開します。
 グレースサイドでは、サンクチュアリの謎とローカンの過去の秘密という展開で、ローカンの過去とグレース・コナー兄弟の接点が焦点化していきます。
 コナーサイドでは、憧れと尊敬を集めていたモロッコ船長の偶像破壊が進展していきます。それはコナーの成長物語の必然でもあるわけですが、コナーも素直には受け取れず屈折した展開が予想されます。こちらはある種ダンブルドア校長とハリー・ポッターの関係をイメージさせますが、ハリーがそれでも子どもにアルバスと名付けたような前向きの克服は期待できるでしょうか。
 6巻は不満と苦悩を募らせるコナー、ノクターン号で何かを企てそうなジェズ、サンクチュアリに現れた無頼のヴァンパイアシドリオ、グレースに心を閉ざすローカンと、騒動の種をまき散らして終わっています。次号に乞うご期待というところでしょうか。そういうやり方って安っぽいなぁと、私は思ってしまうんですが。


原題:VAMPIRATES:BLOOD CAPTAIN
ジャスティン・ソンパー 訳:海後礼子
岩崎書店 2010年4月28日発行 (原書は2007年)

5巻は2010年1月14日の記事で紹介しています。
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