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人事マネジメント研究所「進創アシスト」からの情報発信

■コラム■「イヤ」のグラデーション

2022-05-16 07:39:00 | 人事マネジメントの視点
 
「イヤ」と言えない人が「イヤ」と言われると
「イヤ」と言えない、断れない、相手のことを思ってこれぐらいは何とかできるかもとOKする。しかし、それが重荷になり、引き受けたことを後悔する。でも、また同じように頼まれれば断れずに引き受けてしまう。後悔を繰り返し、次第に自分に対して腹を立てる。ストレスになり、身体的にも精神的にも自分を追い込んでしまう。
そのタイプの人が部下や同僚、家族へお願いしたときに、相手から「イヤ」と言われてイラッとなる。引き受けてくれるだろうと思っていたのに拒否された。自分は「イヤ」でも引き受けるのにいとも簡単に「イヤ」と言われることに納得できない。「イヤ」というべきではない。
言葉にしたり表面に出したりしなくても内に怒りを溜め込むこともある。イライラオーラを出して、相手に不快な思いをさせてしまったりすることも。期待を大きくもっていればいるほど、苛立ちは大きくなる。

全部否定の「イヤ」ではない かも
しかし、相手にも事情がある。こちらの想い通りにはいかないことは少なくない。想定外を見込んでおく。そして、ただ断られたことだけを取り上げるのではなく、なぜ「イヤ」と言ったのだろうか想像してみる。
断りは全部否定の「イヤ」ではないことも多い。それを「イヤ」の一言で、何から何まですべて「イヤ」と言われたと考えていないだろうか。100点か0点かの0点、白か黒かの真っ黒としていないか。ほとんどはその中間の点数であったり、(グラデーションのある)グレーであったりする。
そこを冷静に理解することができれば、「イヤ」な箇所をつかむことができるし、代替案を示すなど頼み方の工夫もできる。

「イヤ」でも一部協力
偏った思考のクセが強く出ていないか落ち着いて考えてみる。どこがダメなのか。
依頼した内容なのか、急にというタイミングなのか、「なぜ、私ばかりに」と相手に思わせているのか。漠然とした伝え方で相手に不安にさせるなどきちんと伝わっていないかもしれない。
こう考えて対応していくと、相手にとって苦手なことも、一部協力が得られるかもしれない。引き受けてくれることがほんのわずかの場合もあるかもしれないが、関係性を保ちながらお願いすることができる。相手の立場を理解しながら、こちらの思いもきちんと伝えていく方法としてみては。
 
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