やれこら やれこら 昨日も今日も

自分だけはと力んでみても,膝はガクガク,息ハアハア。会話は「アレ,ソレ」そして「やれこら」。鍛えるべきは皮肉とジョーク。

待ち合わせ

2015-04-26 07:38:20 | 今日のやれこら
公園のベンチに一人ぽつんと,昔の女子が座っています。
散歩コースの途中に有る,いつもの公園で出会いました。
ここでは休憩を兼ねてストレッチをしたりします。

ベンチに座った昔の女子は,ジットうつむいて地面を眺めています。
その時,座っている昔の女子と同じような“同世代女子”が自転車でやって来ました。
同世代女子は,スピードを緩め,ベンチに座った昔の女子の側に自転車を止めます。
「来たでぇ」
うつむいた頭を上げた,昔の女子は満面の笑顔です。


「こんにちは」
通りすがりに,座った二人に声を掛けます。
自転車に乗ってきたおばあさんが,返してくれます。
『背中が伸びて,若い人は,歩きっぷりが,ええですなぁー』
“えっ,若い?”
「あっ,いえ,そんな・・・どうも」
その場から離れ,いつもの木陰でストレッチをします。

二人はどちらも少しばかり耳が遠い様です。
声は,だんだん大きくなります。
聞くつもりは,なくても話の中身が聞こえてくるんです。
“これは失礼ながら,面白そうだ”
盗み聞きするのはいくらなんでも不謹慎です。
不謹慎なんですが,ついつい“聞き耳を立てる”事になります。

「うちが,まだ自転車に乗れるけぇなぁ」
『あんたは元気じゃけぇ,うちがちいっとばぁ出てくりゃ,ここで会えるけえな』
「ほうよなー,時候もようなったしなー」
『寒かったけぇなぁ,ここで,えんりょのう話ができるけぇ,えかった』
『実家の跡取りがのうなってなぁ・・・』
「さみしゅうなったなぁ」
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
「へーじゃけえど,だいぶボケてきたけえなぁ」

“いえいえ,ボケてなんかいませんよ,自転車にも乗れるし,
                何より,私を見て若いと言ったんですから”