やれこら やれこら 昨日も今日も

自分だけはと力んでみても,膝はガクガク,息ハアハア。会話は「アレ,ソレ」そして「やれこら」。鍛えるべきは皮肉とジョーク。

特価は昨日まで,「よろしいです」   やれこら やれこら

2014-09-30 07:22:44 | 今日のやれこら
“さーて,今日は何をするかな”
“お爺ちゃんのお気に入りのスペース”と孫が命名した椅子に座って考えています。
一日の予定は,朝のコーヒーを飲みながら,この椅子で大体決まります。
一応確認します。
「何か予定は有る?」
「なし」です。

“そうだ,山茶花の剪定をしよう”決めました。
庭の一方が山茶花の生垣です,その剪定です。
今日は“職人”と決めたら,一応それなりの格好をしなければいけません。
二種類のハサミを入れた袋をベルトにさげ,腰に巻きます。
ですが,このハサミは今日の仕事には使いません,“格好”です。
ハサミよりずっと便利なものを“安”く買ったからです。
商品名「ポール ヘッジ トリマ」を。
ポールが延び縮みし,先の角度が変えられるバリカンで,小枝を刈る電動の道具です。

「お客さん2,000円足りません」レジの店員が言います。
“ええーそんなー”
「セール特価,ポール ヘッジ トリマ 10,800円」と赤字で書いてありました。
”おっ,特価か!“で,買う事にしたんですから。
以前から欲しかったんです。
お釣りのいらない様に,1万円と100円玉8個を財布から出してレジで渡しました。
「12,800円ですから2,000円足りません」店員が言います。
商品のバーコードを読み取るとそうなるようです。
“そんな馬鹿な,確かに10,800円と書いてありました”
こちらも譲りません。
「そうですかぁ,確認してもよろしいですか?」と店員が聞きます。
「よろしいですか?」何とも疑い深い言い方ですが,望む所です。
「確かめてください」少し強く言います。
むっとした様子の店員は,私を連れて商品の有った売り場に行きます。
確かに10,800円と有ります。
困った店員は,「ちょっと待ってください」とどこかに電話しています。
そして言います。
「この値段は昨日までのセール中の値段で今日からは12,800円です」
「値段の書き換えを忘れてそのままになっていました」
「こちらのミスですから特価の値段でよろしいです」
「よろしいです」と言われて又少しむっとします。
ですが,素直に「ありがとう」と答えます。
ともかく,特価の値段で買えたのですから。

その「ポール ヘッジ トリマ」のおかげで剪定作業は能率よく終了です。
“さーて,次は何をするかな”
お気に入りの椅子に座って休憩中考えていると,聞こえてきます。

「今日は,もう余分なことしないで」
後片付け中の“下働き”からです。
急いで,本来“職人”の仕事ではない後片付けを手伝いに行きます。
             やれこら やれこら

”秘伝” 松茸  やれこら やれこら

2014-09-29 07:32:01 | 今日のやれこら
雲一つありません,真っ青な空です。
日差しはきつく感じますが,心地よい風が吹きます。
秋真っ盛り,地方によっては紅葉もそろそろでしょう。
「彼岸花の群生地を見に行ったけど,期待ほどでは」
「歩きで疲れたけど,頂上から見える海は素晴らしかった」
秋を楽しむメールが我が家に届きます。
スポーツの秋,観光の秋,読書の秋,食欲の秋・・・です。

“今年の行楽も人様の便りで済まそうか”

“あっ松茸が有る”,
松茸狩りではありません,スーパーに来ています。
国産の松茸と形は似ていますが,少し違います,白っぽい色です。
「激安,アメリカ産,100g485円」とボードに大きく書いてあります。
そういえば,二、三日前の新聞に有りました。
「国産松茸豊作予報」
市場の卸値が1kg「3万円強」,それでも昨年の31%安だそうです。
ですが,いずれにしても私の口には入りそうも有りません。

“昔,裏山で採れた松茸を一回だけ食べたことがあったなー”
何十年も前の事を思い出します。
裏山は共有林で松林です。
“誰でも”が山に入り,松茸を採る事ができます。
しかし,“誰でも”が見つけられないんです。
松茸の生える場所を,町内の一軒の人だけが知っていました。
代々の“秘伝”だそうでした。
いくら町内の人が探しても見つけるのは難しかったのです。
食べたのは,その“秘伝”の家からの貰い物です。
「どうしても,分からん,後を付けて行っても,分からん」
その頃,近所の大人が,話していたのを覚えています。

「ごめんなさい」
声がして,横から手が伸びてきます。
伸びた手は,前の棚にあるほうれん草を一束つかんで籠に入れています。
“あらら,申し訳ない”
私が腕組みしてじっと立っているものですから,買い物の邪魔になったようです。
急いで場所を移動します。
移った前の棚には,“もやし”が並んでいます。
「んーん」です。
値段です,安いのは一袋28円です。
手間暇かけ,袋詰めにした“もやし”が28円です,200gと有ります。
又,松茸を眺めます。
国産ほどには高くありませんが,100g485円です。

買物は,川を挟んだ対岸のスーパーです。
帰りの橋を渡る時に,我が家周辺とその裏山が見えます。
子どもの頃の裏山とは違います。
松は枯れました,いつ頃からか雑木がうっそうとしています。
猪が闊歩しています。
“秘伝”の場所で松茸を探す“林”には程遠い山になりました。

                 やれこら やれこら

血圧測定 深呼吸三回   やれこら やれこら

2014-09-28 07:30:18 | 今日のやれこら
月に一回の病院に来ています。
いつも患者の多い病院ですが今日は特に多い。
今日は土曜日です,午前だけの診察日だからかもしれません。

「“シルバーの方”は平日にご来店ください,土曜,日曜,祝日は現役世代に譲りましょう」
近くの散髪屋さんに掲げてあった,客への注意書きです。
ですがここは病院です,そうはいかないことは分かっています。
“書くとすればどんな注意書きが良いかなぁー。
「“シルバーの方”で,症状の急変してない方は,平日にご来院ください」
「“シルバーの方”で来院主目的が薬の方,半日診療の日は現役世代に譲りましょう」
そう書かれても,“シルバーの方”はそもそも曜日の感覚がうすれているしなぁー。
時間潰しに待合室で考えています。

「ブーンジーンブーンジーン,プシュー」
待合室に設置してある血圧計からです。
診察を待っていた“シルバーの方”が使い始めました。
計測終了です。
その血圧計は,診察の待ち時間に私も使ったことが有ります。
最高血圧,最低血圧,脈拍数がプリントされます。
“シルバーの方”はどうもその数字が気に入らないようです。
何か呟いて,プリントされた用紙を手で丸めてズボンのポケットに入れます。
機械の前に書いてある「計測に当たっての注意」を読んでいるようです。
また腕を血圧計に入れます。
何度も腕を入れたり出したり,上腕の角度を変えているようです。
「ブーンジーンブーンジーン,プシュー」二回目終了です。
またプリントされた数字が気に入らないようです。
首を振って周りを見回します。
近くに看護師でもいれば何か聞きたそうな素振りですが,見当たりません。
今度は,横から見てもわかるほど大きく深呼吸を三回して計測です。

分かりました,分かりました,数値が高くて納得していないのです。
私にも覚えが有ります,お医者さんに血圧を測ってもらった時です。
数値が高めだとお医者さんは言います「深呼吸を三回して」。
“シルバーの方”は自分が予想した数値より高くでたんです。
それが気に入らなくて,三回目の計測です。
ですが,たぶん無駄でしょう。
イライラして,興奮して,血圧はますます上がるはずです。

「44番の方,44番の方」看護師さんが呼んでいます。
私のことです。
「はい,はい」手をあげて“ここですよ”と合図します。
受診受付の時伝えていました。
「あまり待ち時間が長くなるようでしたら,薬だけにしてください」
そばに来た,看護師さんは言います。
「お変わり有りませんか,特になければ何時もの薬をお出ししますが」
返事します。
「はい,症状が良くならないことには変わりないですが,そうしてください」

今日の順番は44番です。
「シッ,シッ」であっち行けです。
早く病院から帰ったほうがよさそうです。
             やれこら やれこら

後ろの列が延びます  やれこら やれこら

2014-09-27 07:30:48 | 今日のやれこら
ショッピングセンターのATMコーナーです。
両隣には他銀行のATMも有ります。
私が並んでいる銀行が一番混んでいます。
利用している人の後ろにまだ三人います,私は五番目です。

“大変は分かるけどもう少し急いでも良いんじゃない”思わず声を掛けたくなります。
隣のATMコーナーです。
誕生前ぐらいの子どもを左手に抱いて操作している,若い母親がいます。
三歳ぐらいの女の子がそばに立ち,しきりに伸び上ったり,母親の洋服を引っ張ったり。
子どもは落ち着きませんが,母親は焦りません。
ゆっくりと片手で画面操作,同じ手でバックを開け通帳を取り出します。
それで終わりかと思えば,抱いた子どもをあやし女の子をなだめ,また別の通帳です。
当然時間もかかります,後ろに一人しかいなかった列が四人になりました。
隣の列ですから,冷静に観察できます。

私の順番は一つはやくなりました。
並んだ時に利用していた女子は,待っている人に「お先に」と軽く会釈していきました。
“そうそう,その気遣いが大事”
私も軽く頭を下げます。
“この人はっや”次に利用した青年はあっという間ですが,会釈はしません。
“んっ”と思いますが,速かったので許そう”
さあ,後は中年女子二人で,その次が私です。
先の中年女子がATMコーナーに進みます。
「準備しとこう」なのでしょう。
私の前の中年女子がバックから通帳を取り出し開きます。
右手で本を読む格好です,老眼かもしれません,少し体から通帳を離します。
覗かなくても見えるんです,普通に立っていれば。
何行にも数字が並んでいます,一行にはかなり桁数が有りそうです。
“見てはいけない,見たいけど見てはいけない”
好奇心が過ぎてもいけません,変に疑われてもいけません,隣を見る風を装います。

「いらいらいらいら」後からでもわかります,背中が揺れています。
前にいる,中年女子です。
いったん準備していた通帳はバックにしまいました。
片足で床をコツコツしています,足を変えます,頭も横に触れています。
気持ちは分かります,私もそうなんですから。

隣のATMを利用した母親同様,私の二人前の中年女子が長いんです。
バックを棚に置き,開けます。
後からなので良くは分かりませんが,何度もバックに手を入れます。
前屈みでATMに向い,手を伸ばしたり,引っ込めたりです。
通帳も“ちらっ”と見え,確認しているような仕草もあります。
何度も同じ動作を繰り返しますが,はっきり見えないので,尚更いらつきます。

やっと終わりました。
会釈だけはしていきましたが,私は無視です。
次の中年女子は「速い」。
記帳でしょう,たぶん。
イライラもわかります。
ですが立派です。
きちんと頭を下げて行きました。
            やれこら やれこら

金木犀と無花果   やれこら やれこら

2014-09-26 07:30:28 | 今日のやれこら
青空です,今日は朝から,まぶしい。
昨夜は一月振りの雨でしたが,朝には上がりました。
庭の金木犀が微かに香ります。
金木犀が香り始めると,私の記憶では大抵雨の日が二,三日続きます。
そして花も落ちます。
ですが,今年は違うようです,週間予報はずっと晴れ時々曇りです。
暫くは甘酸っぱい香りを楽しめるかもしれません。

そうそう昔,有ったんです。
国語の授業です。
「金木犀で一句作りましょう」,先生が言います。
「きんもくせい?」
良く分かりませんが,とにかく5,7,5です。
「金と木,並べて書けば,“はち”と読む」
友達の一句です,“鉢”と間違えたんです,正確な漢字を知らなかったんです。
「明るさが,倍になります,金木星」
私です,自信満々の句でしたが・・・

「電話です,電話です」ケイタイが教えてくれます。
定年退職後,夫婦でイチジク栽培をしている幼馴染からです。
今の時期電話が有れば,話の内容は直ぐ分ります。
「イチジクをあげるよ,取りにおいで」
予想通りです,早速出かけます。
イチジクは,早朝,日の出前に収穫しなければいけないのだそうです。
遅くなると実が開いてしまうからです。
貰ったのは,その実の先が開いたイチジクです。
如何にも美味しそうですが,市場には持っていけないのです。
店頭に並ぶのは早くても一日後。
その日に合わせて食べ頃になるような果実しか,出荷できないのです。

今まさに食べごろのイチジクが整然と箱に並んでいます。
友人夫婦の心づくしを思いながら,一つ一つ味わいます。

春の草取り,真夏の水やり,カラスの防御,出荷までの苦労を知っています。
私がまだ夢心地でいる間に収穫されたものです。
有りがたい事です。
旬の朝取りイチジクが食べられるんです。

「友よりの 朝どりの美味 秋彼岸」
「木犀の ほのかに香る 秋の朝」
          やれこら やれこら

彼岸のスイカ   やれこら やれこら

2014-09-25 07:26:14 | 今日のやれこら
「ボンボンボン」音は良い,大丈夫。
小ぶりな割には重さも十分。
気合を入れて包丁を持ちます。
包丁は昨日わたしが研ぎました,よく切れる“はず”です。
皮に包丁を当て少し力を入れます。
よく熟れていれば,ここで「パリ,ピシ」と音がするはずですが,しません。
包丁は菜切り包丁です,一気に「まっぷたつ」にするには長さが足りません。
少し方向を変えて力を入れます,上手く割れました。
「よし,よし」です。
真っ赤に熟れた断面がきれいです。
問題は味です,赤いところを包丁で削いで口に入れます。
「おっ,これは旨い,大丈夫」
涙は出ませんが,「やったー」です。

時期遅れのスイカ収穫です。
‟正規の時期”の収穫が終わり,大方のツルは枯れました。
ですが,この夏は連日の雨です,葉は小ぶりですが何本か青々としたものが残りました。
その残ったツルに花がいっぱい咲いて二つ実がつきました,8月半ばです。
葉も一向に枯れる気配は有りません,勿体ないので残すことにしました。
果実は“正規の時期”のようにはいきませんが,少しずつ大きくなります。
夏の長雨,日照不足で季節を間違えたのかもしれません。
順調な生育ですが,問題発生です。
「ハクビシン」が近所の空き家に住み着いたとの情報です。
スイカの近くに植えていたメロンは間違いなく「動物」にやられました。
メロン特有の甘い香りがし始めた頃です。
そろそろ収穫かなと,思っていた時期です。
固い皮が食いちぎられ,メロンは無残な姿になっていました。
動物は近年出没する狸だと思っていましたが,新たな敵,ハクビシンかもしれません。
スイカを囲ったネットを張り直し,余ったところを折り上げて二重にします。
後は,運に任せました。
ハクビシンの気が,こちらに向かいないのを祈るだけです。

そして,とうとう今日思い切って収穫しました。
期待もしていないし,涼しくなって食べるスイカも如何かなと思いましたが・・・・
その瑞々しく甘い果実は,予想以上の美味でした。 
贅沢なデザートになってくれました。

「あっ,やっぱり,いつの間にか咲いた」
スイカと同じ畑の隅です。
花は, “正規の時期”をたがわず,咲いています。
「彼岸花」です。
花は,前日まで何もなかった地面を割り,茎をすっきりと伸ばし咲いています。
何十年も彼岸が来ると「必ず」の繰り返しです。

「んーん」自然というものは・・・・
               やれこら やれこら

ふふふおばさん   やれこら やれこら

2014-09-24 07:29:57 | 今日のやれこら
少し,遠くに散歩です。
山裾を通ります,往復で50分です。
舗装もしてあります,車が十分通れる道です。
ですが,最近は昼間でも「イノシシ散歩中」の目撃情報が有ります。
向こうから,歩いてくる男女が見えます。
「あっ,ふふふおばさんだ」
夫婦仲良く散歩のようです。
「こんにちわ」どちらからともなく声を掛けます。
「こんなに遠くまで」と主人が言います。
「いやー,そちらこそ」返事をします。
そして,すれ違います。
「ふふふおばさん」は,主人が話している時は,主人の顔をじっと見つめます。
いつもの事です。
「ふふふおばさん」夫婦の年齢は分かりませんが,私と同世代です。
とても仲の良い夫婦で,同世代では珍しい「いつもべったり」です。

「ふふふおばさん」は我が家だけで通用する言葉です。
「ふふふおばさん」は近所の団地に家を建て,引っ越してきました。
野菜作りが趣味で,「無農薬」にこだわります。
早速近所の休耕畑を借り,野菜栽培を始めました。
そして収穫です。
自家製野菜のトマトにキュウリ,ピーマンにナス。
大事そうに抱え,如何にも楽しそうに我が家の前の坂道を上がっていました。
その時に発する言葉が,「ふふふっふ,ふふふっふ,ふふふっふ,ふん」です。
数年前までの話ですが,それ以来,呼び名は「ふふふおばさん」です。

借りていた畑が,果樹園になりました。
今は別の場所に「自分の畑」を持って野菜を作っています。
収穫帰りに通る道が,違ってきます。
夏場は毎日のように聞こえていた「ふふふっふ」が聞こえないのが残念です。

「あっ,始まった」
団地の坂道を登っています,散歩の帰りを少し遠回りしました。
「ふふふおばさん」夫婦が先に家に帰ったようです。
「ふふふおばさん」の家の前に駐車場があり,少しのスペースが有ります。
車もよく通る道に面していますが遮るものは有りません,良く見えます。
散歩終了時恒例のラジオ体操が,始まったのです。

向き合います,互いに礼です。
「いち,にー,さん,し,・・・・・」二人で声掛けです。
ラジオ体操中は,まったく二人の世界です。
車が来ます,そばを通る私は余計二人の方に近づくことになります。
軽く会釈して通り過ぎますが,二人は見つめ合って体操です。
最後まで見ていてもいいんですが,こちらが気恥ずかしくなります。
それに,体操の終わりは知っています。

深呼吸の後,姿勢を正して見つめ合います。
そして「ご苦労様でした」の声とともに互いに「礼」です。

羨ましくは有りません,私には到底達することのできない“世界”ですから。           
            やれこら やれこら

秋風に ひとりごとなど ・・・ やれこら やれこら

2014-09-23 07:46:16 | 今日のやれこら
庭に出て,秋の空を眺めています。
昨日の失敗を反省して,今朝は半そでのシャツです。
「よっこらしょ,ここで休ませてもらおう」
玄関前の道からです。
ブロック塀で,姿は見えませんが誰かは分かります。
我が家から,もう少し登った団地に住む「昔の女子」です。
道幅は1m半ほどで,お隣との境に少し盛り上げたコンクリートが有ります。
そこに座るときに発する,「独り言」です。
「昔の女子」は買い物の帰りで,必ずその場所で休憩です。
店は近くではありません。
私が速足で歩いても,15分はかかるスーパーです。
山裾です,行きは下りで少しは楽ですが,帰りは上り坂です。

何度か話をしたことが有ります。
「おばあさん,坂がえらいじゃろう」→「坂がしんどいでしょう」
「わたしゃーなー,運動じゃ思うて歩くんよなー」
「行きは休まんでもええけど,帰りは何回もあっちこっちで休むんよ」
「いっつもここでも休ませてもろおとるんよ」
いろんなことを教えてくれます。
家族の事,病気の事,昔の事,買い物袋に入っているもの・・・
「暑いなー」「寒いなー」「ええ時候になったなー」
私は頷いて聞いているだけです。
話はおおかた毎回同じです。
特に話が弾むわけでもないのですが,ひとしきり話すと,「でー休ませてもろおた」
と言いながら立ち上がり,帰って行かれます。
もしかすると,「独り言」は,「話相手になって」と無意識のうちに出る合図かも知れません。
今日は聞こえなかったことにします。
私も一人物思いに耽りたい時が有るのです。
秋ですから。
そしてこちらも小さな声で「独り言」です。
「ごめんなさい,また今度」

九十七歳で亡くなった母も,晩年は毎日欠かさず散歩を日課にしていました。
あちらこちらで「昔の女子」と同じような「独り言」を発していたのかもしれません。

今度「昔の女子」を見かけたら,「独り言」の前に話しかけてみよう。
秋風に ひとりごとなど つぶやきて
                   やれこら やれこら

滑舌と保温下着   やれこら やれこら

2014-09-22 07:40:30 | 今日のやれこら
久しぶりに朝から予定があります,二つもです。
今日は,多くの人と会います。
ここ一週間で,会話をした他人様は2人だけです。
剪定の指導を受けた下級生と商品の在りかを聞いたスーパーの店員,それだけです。

最初の予定は,8時から「地神さん」の清掃です。
今日は朝から寒い,温度計を見ると16度です。
今まで着なかった長袖下着に長袖ポロシャツ,それに足首ウオーマーをして出かけます。

町内のお宮の境内に「地神さん」が有ります。
高さ一メートル程の自然石に「地神」と刻んであります。
その神様の周辺の草を取り,花を活け,みんなで拝礼をして終了です。
集まるのは十人ほどです。春と秋,町内の当番が交代で地の神様に感謝します。
あっという間に行事は終了です。
いつもだとその後,あれやこれやの話で盛り上がり1時間以上という事も有ります。
ですが今日は,8時半からの二つ目の予定が有ります。
「もう帰るんな」と言われながら引き揚げます。

二つ目の予定は,陸上競技の審判のお手伝いです。
お手伝いは,しゃべる仕事,競技アナウンスです。
いつものように,種目,選手の紹介,結果報告です。
ところが「滑舌」がおかしい。
「出場します」の「しゅつじょう」が上手く言えません。
「おはようございます」が「おひゃようございます」になります。
「400m」が「よんひゃふm」です。

日頃話し相手は決まった一人のみ。
「あれ あの」「それ この」で話が通じます。
「地神」さんで,もう少ししゃべっておくんだった,と反省します。
それでも昼前には,聞く側の評価はともかく,いつも通り声が出ます。

しゃべるのに慣れたころに,別の問題が出てきました。
日差しもきつくなりました,下がっていた気温が昼前には一気に上がります。
暑いんです。
足首ウオーマーに気づきます。
仕事の場所はスタンドからもよく見えます。
足を掻く振りして,脱ぎます。
まだ暑いんです。
ですが,いくらなんでもポロシャツを脱ぎ,下着で審判というわけに行きません
寒くて風邪をひいてはと用心したつもりが・・・
とんだ失敗です。
ひたすら我慢して
やっと,競技に間が空きました,控室に入ります。
幸い男ばかりです。
「失礼,失礼」と言いながら下着を脱ぎます。
暑いはずでした。
脱いだ下着には「ヒートッテック」と書いてありました。
              
                   やれこら やれこら

土曜朝市   やれこら やれこら

2014-09-21 07:27:54 | 今日のやれこら
「安いよー,安いよう」大きな声で客寄せです。
スーパーに来ています。
店頭には,魚,野菜,果物からラーメンなど,目玉商品が並べて有ります。
今日は“土曜朝市”だそうです。
毎週,朝8時から12時までのセールです。
山済みの商品,それを品定めする客,客に応対する店員。
支払いもその場でするので,余計混雑します。
店内に入るのも一苦労です,オーバーではありません“かき分けかき分”です。
店の入り口です。
私が中に入ろうとすると出てくる人がいます。
両手に買い物を入れた袋を持っています。
このまま行けばぶつかります。
右に寄ります。
相手は,左に避けてくれます。
またぶつかりそうです。
次は左に寄ります。
相手は右です。
一瞬,見つめあい苦笑いです。
今度は私がそのままじっとして,相手が右をすり抜けます。

朝早くからこの店に来たのは,訳が有ります。
今日は彼岸の入りです。
お墓に立てる花を買いに来たんです。
苦労して入った店内ですが,目当ての花が有りません。
店員さんに聞きます。
「外の右側です」
やれやれです。
また,混雑を潜り抜け外に出ます。
目当ての花は,混雑する一角とは離れた場所に有りました。
やっと買い物終了です。

実は,今日が土曜日という自覚がなかったんです。
毎日,成り行き任せの生活をしているせいです。

ともあれ,“土曜朝市”の花を立て,ご先祖に手を合わせ彼岸の墓参りも終了です。
彼岸にお墓参りをすると、“煩悩を振り払う”事が出来るそうです。
という事は,明日からますます「曜日の自覚」も無くなりそうです。
無の境地で・・・
仙人に近づけるかもしれません。   
           やれこら やれこら

遠目には同じです  やれこら やれこら

2014-09-20 08:16:55 | 今日のやれこら
「おっ,女子高校生が,今時分こんなところで」
時間は昼前です,ホームセンターに来ています。
制服姿で駐車場の縁石に座り,前かがみでカップ麺でも啜っているように見えます。
ですが,よく見ると丸い小さな手鏡を持って,目のあたりを修正しています。
まつ毛を上向きにしています。
またやり直しのようです。
口が右に左に曲がったり,ポカンとあいたり百面相です。
「小さな鏡で部分修正してもなー」

「ジーシャー,ジーシャー,ジーシャー,」
下のお宅の庭からです。
私は松の剪定中ですが,休憩を兼ねて見に行きます。
私より一つ年下の,地域では誰もが認める「剪定上手」が生垣を刈っています。
音は生垣用小型バリカンからです。
「ええのをこうたなー」(良いものを買いましたね)
「もう手でするんがえろうてなー」(自力でするのはしんどいから)
       ・・・・・
そして,剪定の仕方について講義を受けます。
当然「剪定上手」が先生で,私が生徒です。
“教材”は先生が摘んだ,松です。
説明は理に適っています,「うーんそうかー」納得です。
納得はしますが,我が家に帰ると自分流でやります。

そうなんです,職人はプライドが必要なんです。
我が家では,以前剪定は植木屋さんにお願いしていました。


頼む植木屋さんは,何年かで変わりました。
“松の木の剪定”では,植木屋さんが変わるたびに,どの職人さんも言いました。
「前の植木屋が,おかしげな摘み方をしとるけー,なかなかようならんなー」
(前摘んだ植木屋さんが,おかしい剪定をしているから,上手くいかない)

我が家の松は,私が剪定を始めて5年目です。
「前の植木屋が」という訳には行きません。
自分なりに松の木の全体像を頭に描きなが,ハサミを入れています。
脚立を下りては眺め,また昇り,を繰り返します。
いっぱしの職人気取りです。

ですが,ここ二,三年で分かってきたんです。
下手な剪定をしても良いんです。
少し離れたら,「遠目には同じ」になるんです。

                やれこら やれこら

自転車通学   やれこら やれこら

2014-09-19 08:16:57 | 今日のやれこら
窓から,団地を上り下りする坂道が見えます。
その坂道の中央寄りを,男子高校生が自転車で登っています。
“ゆっくり,ゆっくり”時に止まります。
右手の肘をハンドルにかけ,下を向き左手でスマホを操作しているようです。
後ろから乗用車が来ますが,スマホに夢中で気が付きません。
「ははあー,車がハイブリッド車で静かなんだ,トッラクなら気づくだろうに」
道幅は広くありません,そのまま追い越すには,「運転手」に勇気がいります。
高校生に当たるか,タイヤを溝に落とすかです。
「プップップップ,すればいいのに」
運転手は優しい人のようです。
10m行っても「しません」
後ろの車に気づいてくれるまで,ついて行くと決めたようです。
相当な忍耐の持ち主です。
この道は50m以上続きます,その先が三叉路です。
 ・高校生が車の行きたい方向の反対に曲がるか
 ・対向車が来て,端に寄り後ろに気づいてくれるか
 ・スマホも一段落,車の音に気づいてくれるか
そうでなければ,この状況に「運転手」は100m近く置かれることになります。
「ブー,ビー,ブー,ビー,道を譲りなさい」窓越しですが思わず口に出します。

その時です
坂道を,荷台の箱に猫のマークがついた自転車が昇ってきました。
気持ちよさそうに,「スイスイ」と。
正式名称は知りません,「自転車宅急便」で使う電動自転車のようです。
緑色の帽子を被った女性が,ペダルを漕いでいます。

車を追い越します。
高校生の横を通り過ぎます。
高校生はびっくりした様に顔を上げ,追い越した自転車を眺めます。
そして,後ろの車に気づきます。
高校生は自転車を道の端に寄せます。
「プップ」
運転手はやっとクラクションを鳴らします。
道を譲ってくれてありがとうと。
良い人です。

50年前,私は高校生です。
「保護者の同伴なしで,大衆食堂」が,先生に見つかれば「謹慎」の時代です。
“バッカみたい”と言われそうですが,守るべき「校則の一つ」だったのです。

私の通学は“アシストのない”自転車で,帰りが大変です。
家が近くになってから,約1キロは登り坂です。
いつごろからか,「自転車を押さずに乗って帰る」が,目標になりました。
まじめな高校生だった私は腹も減ります,エネルギーが切れます。
大抵は途中でギブアップでしたが,まれに「達成」です。
巡回の“目”を上手く潜り抜け,「大衆食堂」に入れた時です。

「スマホでゲーム」の楽しさは知りません。
ですが,50年前もそれなりのスリルと達成感は有ったのです。
                   やれこらやれこら

「女子」に説教   やれこら やれこら

2014-09-18 08:14:09 | 今日のやれこら
「65歳以上高齢者,4人に1人」
敬老の日,新聞の見出しに有りました,市の統計によるのだそうです。

「そりゃーそうだろうが,もっとじゃないの」

私が住む町内会には50数戸の世帯が有ります, 60年前もほぼ同じです。
我が家から見下ろせる川沿いの区画整理した一帯は,今新築ラッシュです。
それに引き比べ,山沿いのこの辺りは道も狭いし坂もきつい。
新しく家を建て,転入しようとする人はいません。
私が小学生の時同級生は6人いました,一つ上には7人,一つ下には5人です。
学区民運動会,町別対抗リレーの学年代表選手を決めるのも大変でした。
ですが,今,町内にいる小学生は3人です,5年生が二人,3年生が一人。
次に小学生になる子供は男の子一人,まだ2歳です。
これでは,住民の高齢者割合は増える一方です。
当然,日頃の会話も“年寄りについて”の話が多くなります。
「あのおじいさんにはよく怒られたが,今は病院だけが外出」
「あのおばあさんは,夏祭りで日本舞踊をあでやかに披露していたのに」
「あのおばあさんは,一人で頑張っていたけど,とうとう入院」
「あのおじいさんはさすが瑞鶴の生き残りだ,92でも元気で畑仕事」
その中で,最近聞いた80過ぎのおじいさんの話です。

そのおじいさんは車の免許を返上し,外出は自転車です。
膝を開き気味にペタルを踏み,背筋をぴんと伸ばして自転車に乗っています。
すれ違う100m前からでも,誰が乗っているのか良く分かります。
少し体に不調が有るようですが,気持ちは元気一杯です。
そのおじいさんが病院へ行った時の話です。
待合室です。
診察も終わり,薬が出るのを椅子に座って待っています。
前の席には二人の「女子」が座って話をしています。
おじいさんは二人とは“面識が有りません”が,会話は聞こえます。
聞いているうちに,だんだん怒りが込み上げてきたようです。
会話の中身が,「しゅうと、姑,年寄り」の悪口だったからです。
悪口を言われている「しゅうと,姑,年寄り」があまりにかわいそう。
ついに怒りが“爆発”です。
「お前ら,年を取ってみにゃー分からん事がいっぱいあるんじゃ」
「お前らも,年取るんじゃ」
いきなり後ろから,頭の上から,怒鳴り声です。
見知らぬおじいさんから怒られた「女子」二人は“ほうほうのてい”で逃げて行きます。

おじいさんは,家に帰って得意げに報告したそうです。
「若いもんを“説教”しちゃた!」
それを聞いたおばあさんが言います。
「おじいさん,血圧が心配じゃが」

見ず知らずの若い「女子」に,こうはっきりと意見ができる「おじいさん」
私にはとても真似はできません,そんな勇気は有りません。
今のところは・・・。
  
                 やれこら やれこら

宇宙人‼,??  やれこら やれこら

2014-09-17 08:16:56 | 今日のやれこら
大きな病院の近くです,買い物に来ています。
目当ての店は,病院と道路を挟んで向かいです,大きな店ではありません。
店の裏手にある駐車場に車を止めます。
表に回る道路に沿って,店の横壁が有り自販機が並んでいます。
飲み物を買った客のためでしょう,ベンチが幾つか置いて有ります。
ベンチの前には灰皿も有ります。
その前を通って店に行こうとした時です。

「あらら」
並んだベンチの“上”に,「女子」がいます。
黒いジャケットに黒いパンツです。
奇抜ではありません,テレビで見る就職活動中の「女子」と同じように見えます。
化粧も「盛った」感じには見えません。
その「女子」が靴を履いたまま“そんきょの姿勢”でベンチの“上”に居るのです。
右手にタバコ,左手にスマホ,開いた足の間に缶コーヒーです。
ベンチの“上”の左足元には,黒い書類入れらしきものが置いて有ります。

場所は病院の近くです。
人も車も通りの多い道に面しています。
常識的にはパジャマで出歩く場所ではありません。
ですが,このベンチではパジャマ姿でタバコを吸っている人も見かけます。
入院患者で,院内禁煙が窮屈な人たちが,道路を横断してきたのでしょう。
薬メーカーの営業らしき人たちがベンチに座っているのも,よく見かけます。
「女子」もその一人かもしれません。
タバコにスマホは珍しい事ではありません。
私の「あらら」の原因はその恰好です。

「コラ,コラ,そこはお尻を置く場所,靴を脱ぎなさい」
「“そんきょ”するところでもありません」
注意をしてやろうかと思いますが,返り討ちに有ってもいけません。
黙って前を通ります。

買い物は,5分もかかりません,又前を通ります。
まだ「女子」はそのままの格好ですが,コーヒーが左手,スマホは足の間です。
さっきは空いていた隣のベンチに,同じ営業らしき人二人が“普通”に座っています。
その二人と話をしています,やはり「女子」もその一員のようです。

「病院の悪口でも,医者への不満でも,上司の悪行でも,話はなんでもいい」
「人通りの多い所でその恰好だけは,何とかして下さい」
「話し相手の二人も何とか言いなさい,注意しなさい,男子でしょう」
胸の内でつぶやきながら,足早に通り過ぎました。
 
・相撲部屋に入りたくて,日頃から“そんきょ”で鍛えている。
・“いろんな人が利用している,埃もしている,パンツが汚れては嫌”で,靴のまま。
私が考えた挙句の“彼女の格好のわけ”です。
それとも,彼女は宇宙人???
                    やれこら やれこら

北風がなんだ, 覗かれるのがなんだ   やれこら やれこら

2014-09-16 08:16:56 | 今日のやれこら
キーボードを打つ手が重たいような,動かないような。
肩がだるいような,痛いような。
のこぎりと、剪定バサミを使った“影響”です。
今日は,思い付きで樫の木の剪定をしました。
これが結構,大変なんです。

15年前です,1m半ほどの高さの苗木を8本買いました。
当時軽トラは有りません。
助手席を倒し,無理やり乗用車に詰め込んで持ち帰りました。
何本かの枝が折れ,葉っぱが車内に落ち,えらく怒られたのでよく覚えています。
木は,風よけと目隠しを兼ねて家の北側,畑との境に植えました。

樫の木は,結構はやく大きくなります。
植えて3年目くらいからは毎年剪定です。
折角伸びた樫ですが,あまり高くなってもいけません。
「申し訳ない,申し訳ない」と言いながら,今までに何回か木の上部を切っています。
今の高さは4mぐらいです。

その樫の木を3m程度に低くし,枝も大胆に切る事にしました。
当然,風よけと目隠し効果は薄れますが,それでも良いんです。

剪定中に誤って脚立から落ち,頭を打って・・・と聞いたことも有ります。
そうならない様に気を付けてはいます。
高いところの剪定は,三脚脚立に登ってすることになります。
不自然な姿勢になりがちです,三脚脚立は横に倒れやすいんです。
その為にはバランスをとる必要があります。
去年の事でした。
松の枝を整えようと,体を動かし,ハサミを持った手を伸ばした時です。
登っていた脚立のバランスが崩れ,横倒しになりそうでした。
とっさに左手を伸ばし松の枝をつかみ,何とか回復です。
“あわや” 冷や汗をかきました。
そこで決めました。
「北風がなんだ」
「覗かれて困ることも無い」
「高くなりすぎた木は低くしよう」
「もう無理はしない」と。
先日,新しく買ってもらったのこぎりは気持ちよく,よく切れます。
小枝を切るはさみは,数年前にホームセンターで買いました。
一応「プロ用」と書いてありますが,切れは「まあまあ」です。
樫は低くなり,葉っぱを少し残しただけのかわいそうな姿になりました。

剪定するのは「自称庭師」の私。
切った枝葉の後片付けは,我が家にもう一人いる「下働き職人」

「他に予定が有ったのに,思い付きでえらい迷惑」
苦情は言われますが,切ったものをほっとくわけにもいきません。
腹も減ります,早く昼食の支度もしてもらわなければいけません。
「庭師」の仕事ではありませんが,手伝います。
枝の付いたままの重い幹を,畑の隅に引っ張って行きます。
小枝や葉っぱは,ミニ熊手をつかい集めてこれも畑に。
休憩1時間を含む3時間の作業は,昼前に無事終了しました。
これくらいの事で,肩が痛い,腕が,指がだるいとは・・・
     やれこらやれこら