眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

希望

2024-01-02 | 
どうしてさ?
 君が云う
  僕は世界の果てに佇み
   果てし無く広がる緑の草原にいた
    誰かが口笛を鳴らした
     でもその誰かは永遠に姿を現さなかった
      三日月が笑った

      魔法を知っているよ。
       君が云う
        僕は街角の街灯の下に永遠に安置されている
         存在の不確実さ
          狂乱の果ての空間に
           腐った林檎が放置された
            許されるならば
             僕はただ広い公園のベンチで呼吸がしたかった

             見据えた希望はわずか数枚の金貨で行商される
              つぶらな瞳が虚無の世界の入り口となった
               我々は
                極度に緊張した綱渡りで
                 大切なものを次々と喪失する
       
         永遠に失われ続けるの。
          少女の声が囁く
           夜
            徘徊した公園の池のほとりで
             真実について魚たちが情報を打電する
              信号はやがて電線を伝い
               哀しみの成分が清潔な注射針で
                血管に流し込まれた
    
          様相を呈する
           欺瞞
            絶望
             孤独
              郷愁

          徘徊する欠落した意識
           分解された時計の部品の一部
            過呼吸気味の君のシグナル
             流される酸素の量が設定されたのだ

          消えてゆくの。かつて真実だった記憶が。
           少女がピアノの鍵盤に触れる
            けれど何度耳を澄ませても
             其処から音は感知されなかった

             無言
              表層の嘘
               歪んだ戒律
                伸ばした手のひらは
                 決して何者をも握り締められなかった

     穏やかで甘美な曲が脳裏をよぎり
    やがて路面電車が発車する
   石畳の街の回廊を
  何度も螺旋する
 
 世界
  虚弱な精神のきしみは
   まるで古ぼけた観覧車の様子で
    閉鎖された遊園地に忍び込んだ子供達は
    あの笛吹きの魔法使いによって永遠に子供で在り続けなくてはならない

      誰も知らない
       握り締めた孤独
        回るのだ
         音も無く
          街路樹の隙間をぬって
           僕はてくてくと歩く
            ただ歩き続けている

            黒猫が僕の足元であくびをする
             永遠に遊園地で遊び続ける悪夢は
              まるで白いシーツの病室で見た夢の様に
               
               どうしてさ?
                君が云う
                 あの懐かしい記憶の声で

                 もう聴こえない声
                  記憶の残渣
                   残り少ないビーカーの中の
                    微量の液体


                     希望















 
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