眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

神話

2023-09-09 | 
石畳の回廊の
 徘徊した末路
  困惑した掌に虚空を握りしめた
   刹那の微笑を刻印し
    風景の雑音に右往左往する夕暮れ時の図書室
     君の影が永遠に消えた
      君を探している
       ゆらりと消えたあの魚の影
        壁には
         青い鳥の化石が震えている

          オルゴールだよ
          
           寒さに震えた街で
            君は毛布に包まりそう云った
             電線から流れる旋律
              たとえば其れがモールス信号ならば
               僕は青い林檎を齧るだろう
                柔らかな酸味が
                 怠惰な生活を賛美するのだ
                  清らかな記憶
                   永遠の少年少女
                    夜の子供たちの王国
    
                     奏でられる旋律を流浪する
                      いまだ旅の途中なのだ
                       途中下車した街角の街灯が
                        行方に関してたおやかに示唆する
                         フクロウが呟く
                          低い低音の甘美さで
   
                          教えて
                           あの影は
                            何時かの風景に
                             緑の草原にて
                              僕は永遠を待っている

                              どうせ在りもしない仮説さ
                               研究者たちが苦笑し
                                やがて記憶は厳かに解体されるだろう
                                 僕らの物語は
                                  虚空に空中分解するのだ
                                   皮肉な微笑と共に

                                   林檎の酸味

                                  想い出せない白黒映画の結末
                                 終末はきっと美化される
                                そんな名残だ
                               心地良い残り香と
                              オルゴールの音色
                             ただ其れだけが安らぎだった

                            緊急事態のサイレンに
                           群衆が惑う街並みで
                          君は真実について問う
                         解体された意識の羅列
                        数式は難解だ
                       黒板に記された日常という難問に
                      頭が痛くなってワインを煽るのだ
                     いつもより少し多めに

                    青い月
                   窓際から空を見ている
                  深夜の清潔な空気
                 
                 青い鳥
                籠の鳥の優美さで野性を笑った

               貴金属の描写は敏感な皮膚には過敏で
              過呼吸気味の呼吸が
             哀しげに上昇し下降する
            太陽が沈み月が昇った
           白色蛍光灯の哀しみ
          優しさと哀しみの成分について
         そのどれもが正しいのだろうか
        鉛筆で詩を描いた
     
       薄れゆく記憶の中
      音楽を賛美した

     石畳の回廊

    ぐるぐる回る世界で
   その中心点を探した
  何時かの校舎の風景
 描写した誰かの掌のデッサン
鉛筆を赤い舌で舐めた

 正しい街で
  正しさについて君は問う
   できるなら
    君の正しさで僕の罪を罰して
     永遠を想う時
      額に刻印された記憶を問うのだ
       ただオルゴールの旋律が草原に流れる風の行方
        難解なパッセージを容易に弾き飛ばす安易さで
         暮らしは流れるのだ

          忘れないで

           少女の影がささやいた
  
            世界は神話の産物なの

             あなたの物語は

              まだ始まってはいないのよ

               夕暮れ時にアルコールを摂取した
                上昇した体温
                 その熱で気球を飛ばすのだ
                  青い月
                   世界の中心点に向かい
 
                    行こう

                     あの世界の不思議を探して

                      風がたなびく

                       緑の草原で

                        永遠の物語を歌う

                         か細いファルセットヴォイスで

                          君が歌った

                           行こう





















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