眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

結末

2014-09-10 | 
消え去らない事象など無い
 永遠に失われ続ける記憶の階層
  僕等は永遠を失った代償に永遠に焦がれ続けるのだ
   かつての少年時代を
    あの炎天下の真夏の青さや
     凍え震えるかじかんだ手のひらの行方を
      君が笑うから
       僕も笑うんだ
        そうして
         そうして何もかもが失われた時
          僕は激しく泣き出すのだ
           お願い
            いなくならないで
             夢は機械仕掛けで僕の感情を鈍磨させてゆく
              失われた影を求めて
               僕は旅立ったのだ
                
               神様がいるのなら
              僕はあの時真剣に祈るべきだったのだ
             真剣に懺悔し許しを請うべきだったのだ
            緩やかな飛行の時間
           それが永遠ではない事に気付かない
          青い月夜の晩に
         訪れるはずの無いパレードを待ち続けたのだ
        緑色のソファーに寝転び
       天窓から差し込む月明かりの下で
      ポケットウイスキーを舐めて煙草に火を点けた

     君が君である事
    僕が僕で居られなかった哀しい結末を
   終焉のサイレンが鳴り響き
  明らかに僕は逃げ遅れたのだ
 舞台から役者達が消え去る
僕だけがぽつんと浮遊した
 皆が忘れ去ってしまった記憶の残渣を
  名残惜しそうに舐め続けた
   黒猫がやって来て
    しばらく僕の側に座り込んだ
     
     ねえ
      パレードは?

      とっくに行ってしまったよ。
       もしくは最初からパレードなんて存在しなかったんだよ
        君が待ち望んだ結末は
         最初から存在していなかったのさ。

         僕はスケッチブックに絵を描いた
          悪戯書きのノートを
           皆は嘲笑し解体し分析した
            僕の緑の草原を
             赤い林檎の絵にすり替えた
              永遠に続く事象などありはしない
  
              けれども
             僕が描いた螺旋や球体の世界は
            確かに此処に存在するのだ
           
           永遠を失った代わりに永遠を知ってしまったんだ。

          君の声がささやく

         小さなファルセットヴォイスで

        君は歌い始めた

       「空の話」

      あの時君を失ってから

     僕は歌い続けた

    あの永遠の


   空の話を















コメント (2)
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