眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

雨だれ

2012-09-23 | 
止まない雨は
 虚脱した深夜零時に降り注ぐ
  懺悔した昨日と祝福された記憶
   君が君であった瞬間はそれほど遠くない
    24色のクレヨン
     青だけがいつもいびつに磨り減っている
      青い月夜は重い空に垂れ込めた雨雲に
       予期せぬ不安を与えるのだ
        どうせ月光はあの灰色の雲にかき消される
         雨が降り注ぐ
          どうかあの日のように

          君が街を離れてから一年
           僕の部屋には
            あの時のままで
             レノンとガンジーのポスターが貼られている
              他に張りたいポスターなど無かったし
               ポスターを剥がす行為は
                なんだか荘厳な儀式の様に想えて
                 あれから気の遠くなる時間が磨耗された

                 行き先不明の乗車リスト
                  もちろん僕や君の名前は記されてはいない
                   この世界では
                    僕等はいつでも密航者なのだ

                    止まない雨は
                     何時かの港の様に
                      汽笛が流れ
                       君がこの国を離れた


                      灰色の密航者
                     世界が僕等を捜索する
                    逃げ惑う僕等は
                   ついに最果ての国に辿り着くのだ
                  零が始まりで終わりの言葉
                 
                 ね
                寒いのかい?

               僕が尋ねると
              君は毛布に包まり
             面倒くさそうに煙草に火をつけた

            もう描けないんだ

           そう云って
          白いキャンバスに君は青い絵の具を塗りたくる
         僕は信じられないくらい神様に祈った
        どうか君の青が色あせない様に

       雨が止まない

      苦おおしい瞬間の羅列

     それを僕等は記憶と名付けた

    哀しみの成分は

   いつか僕等を離れ離れにしてしまった

  もう

 もう想い出せないよ

虚脱した深夜零時に戸惑うのだ

 微量の希望

  それをプレパラートに乗せ

   経過観察に余念の無い仕草

    雨が止まない

     僕は古めかしい小説を読んでいる

      愛してる

       愛してる

        愛してる


        雨が止まない深夜のお伽

         もう
        
          もう想い出せない記憶の国

           最果ての国

















コメント (4)
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