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ポイヤック・ド・ラトゥールが注がれたカベルネ・ソーヴィニヨンの切子の
ワイングラスは、テイスティング対決用のものではない。
切子職人の桐山が、テイスティング対決用の試作として作ったもので、まだ
気を集中させて作っていないグラスであったが・・・・。
「おや?」
和音が首をひねった。
「どうかされましたか?」
「1973年のオールドヴィンテージにもかかわらず、まだ若々しいのです。
力強い骨格の中に、深みのある果実味や上品な渋味と繊細さを極めた気品が感じ取れる
はずだが・・・・・」
和音は、神がかり的なテイスティング能力を持っている。
それは子供の時、熊野古道での遭難で身につけた自然の気を感じる力によるものだ。
今日の鯵元社長のプライベートワイン会では、それを逆用されようとしていた。
「ほんとうですね?」
鯵元社長は、ポイヤック・ド・ラトゥールを飲みながら、相槌をうった。
「1973年初リリースのポイヤック・ド・ラトゥールは、まだ熟成の途中かもしれませんね?」
鯵元社長は、グラスのカベルネ・ソーヴィニヨンには影響されない。
いやされないと言うよりも、和音のように感じとる能力を持っていないのである。
だから彼は、このオールドヴィンテージの力強さや深みのある果実味や上品な渋味や繊細さを極めた気品を
充分感じていた。
ポイヤック・ド・ラトゥールが注がれたカベルネ・ソーヴィニヨンの切子の
ワイングラスは、テイスティング対決用のものではない。
切子職人の桐山が、テイスティング対決用の試作として作ったもので、まだ
気を集中させて作っていないグラスであったが・・・・。
「おや?」
和音が首をひねった。
「どうかされましたか?」
「1973年のオールドヴィンテージにもかかわらず、まだ若々しいのです。
力強い骨格の中に、深みのある果実味や上品な渋味と繊細さを極めた気品が感じ取れる
はずだが・・・・・」
和音は、神がかり的なテイスティング能力を持っている。
それは子供の時、熊野古道での遭難で身につけた自然の気を感じる力によるものだ。
今日の鯵元社長のプライベートワイン会では、それを逆用されようとしていた。
「ほんとうですね?」
鯵元社長は、ポイヤック・ド・ラトゥールを飲みながら、相槌をうった。
「1973年初リリースのポイヤック・ド・ラトゥールは、まだ熟成の途中かもしれませんね?」
鯵元社長は、グラスのカベルネ・ソーヴィニヨンには影響されない。
いやされないと言うよりも、和音のように感じとる能力を持っていないのである。
だから彼は、このオールドヴィンテージの力強さや深みのある果実味や上品な渋味や繊細さを極めた気品を
充分感じていた。