ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

あべのハルカズBAR 98ページ目  紙飛行機を飛ばそうかな 

2014-07-23 07:05:49 | あべのハルカズBAR1 四話 完
【98ページ】



「晴数様はどうされますか?」

「最近、行きつけの喫茶店で、90歳の老人がその店のマスターと

話をしていたのを聞いたのだが、平和新聞を50年も購読している

老人が嘆いていたのです。

憲法を守る姿勢に共感していたのですが、50年で時代が大きく

変化しているのに、平和新聞は対応できていない。最近国の足を

引っ張る記事ばかりだ言っていたのです。」


 3姉妹は、黙って晴数の話を聞いている。


「相手が攻撃や侵略を仕掛けてくるのは、かなり現実味を帯びて

きているのに、それに対してどうするのかということが記事に

書かれていない!」

「喫茶店のマスターは返事をしていたの?」と陽菜が訊いた。

「平和新聞の愛読者として、『読者の声』に投稿したらとアドバイス

していたが、老人は『ダメ、ダメあそこは反対意見は載せないんだ』

と言っていたかな」

「それで、晴数お兄様は?」


 月菜と香菜は、じっと晴数を見つめる。


 晴数は、机に置いていた紙飛行機を手に取った。


「とりあえず、平和新聞の社主の家にこれを飛ばそうかな?」


 そう言うと、晴数は紙飛行機を飛ばしてみせた。




飛べとべ、紙ヒコーキ―PAPER AIRPLANE
クリエーター情報なし
二見書房


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