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秋月は、和音が87年を示唆する言葉を発した時、トラップに
かかったと思ったが、その時表情に出たのではないかと思った。
それで、80年台の当り年のヴィンテージである82年と89年
を示唆する言葉を付け加えたのだ。
「滝川社長、和音さんはヴィンテージに興味がないのですが、
私はソムリエとして興味があります。これは社長の奥さんが
最初に買い求めた1987年のヴィンテージですが?」
秋月は冷静さを装って、滝川社長に訊いた。
秋月は、滝川社長との事前の打ち合わせで、和音の言動に動揺しないで、
彼のリードに任せてほしいと伝えていた。
「いや1989年のヴィンテージだ。
1987年も考えたのだが、もし妻にもう少しお金の余裕があれば、
80年台の当り年のシャトー・オー・ブリオンを買っただろうと
思って、今夜の2本目としてそれを選んだ。」
2本目のシャトー・オー・ブリオンを3人で飲み干し、料理も
楽しんだ後、滝川社長がいよいよテイスティング対決の話を切りだした。
「和さん、ワインを楽しんでいただけたでしょうか?」
「ええ、とても!」
「それでは、秋月さんとのテイスティング対決をお願いします。」
「承知しました」
秋月は、和音が87年を示唆する言葉を発した時、トラップに
かかったと思ったが、その時表情に出たのではないかと思った。
それで、80年台の当り年のヴィンテージである82年と89年
を示唆する言葉を付け加えたのだ。
「滝川社長、和音さんはヴィンテージに興味がないのですが、
私はソムリエとして興味があります。これは社長の奥さんが
最初に買い求めた1987年のヴィンテージですが?」
秋月は冷静さを装って、滝川社長に訊いた。
秋月は、滝川社長との事前の打ち合わせで、和音の言動に動揺しないで、
彼のリードに任せてほしいと伝えていた。
「いや1989年のヴィンテージだ。
1987年も考えたのだが、もし妻にもう少しお金の余裕があれば、
80年台の当り年のシャトー・オー・ブリオンを買っただろうと
思って、今夜の2本目としてそれを選んだ。」
2本目のシャトー・オー・ブリオンを3人で飲み干し、料理も
楽しんだ後、滝川社長がいよいよテイスティング対決の話を切りだした。
「和さん、ワインを楽しんでいただけたでしょうか?」
「ええ、とても!」
「それでは、秋月さんとのテイスティング対決をお願いします。」
「承知しました」
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