ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき ファースト(改訂) 142ページ目 第四話 人型ソムリエロボットの実力は? 

2012-07-16 21:10:59 | ワインバーでのひととき1改訂四話 完
【142ページ】


「アジミー、このワインのヴィンテージを答えなさい!」


深川博士がアジミーに指示した。


「承知しました。シャトー・パルメのヴィンテージは1988年です。」

「和さん、アジミーの答えは正解でしょうか?」

「さすが深川博士が開発したソムリエロボットだ! 答えを出すのが早い! 」

「早い、ハヤい、88年で正解ということですね?」


深川博士が訊ねると、和音は笑ってうなずいた。


「味川さん、ワインを覆っている紙を取り払ってください!」


専属ソムリエの味川が、ワインの紙を取り払うと、シャトー・パルメ1988年のラベルが出てきた。


「1本目のワイン名とヴィンテージのアジミーの答えは正解でした。

次に、2本目を開けます。和さんの答えを先にお聞きしてもよろしいですか?

アジミーは、和さんの答えを聞いても、自分の分析結果を替えることがありません。」

「いいですよ!」


味川は、残り2本から1本を選び、抜栓し二つのグラスに注いだ。

和音は、グラスを手に取り、しばらくワインを見つめた。

そしてワインを一口飲んだ。


「豊かで華やかな味わいは、まるでファッションショーのようである。」


和音は、このワインのオーナーがシャネルであることを遠回しに表現した。


「かつては、2級格付けにふさわしくない低品質と評されていたが、

お荷物ワインから脱却して、2級の中でもスーパーセカンドと言われるエリートになりました。」


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