ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき ファースト(改訂) 156ページ目 ロワール川巡り② 

2012-08-11 22:00:09 | ワインバーでのひととき1改訂四話 完
【156ページ】


「ソーミュールの赤ワインのブドウ品種は?」


良子がマスターに訊いた。


「ボルドーワインの名脇役のブドウ品種と言えば?」


マスターが逆に田辺に質問を返した。


「ボルドーワインの主役は、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロで、名脇役はカベルネ・フランだと思うけど?」

「ソーミュールの赤ワインは、カベルネ・フランが主役で、率直にその個性が味わえるのです。」

「和さん、飲んでもいい?」

「ええ、マスター!二人にソーミュールの赤を入れてください!」


マスターは、ソーミュールのシャンピニ地区で造られる赤ワイン、すなわちソーミュール・シャンピニを抜栓し、

二人のグラスに注いだ。

ソーミュール・シャンピニは、ただのソーミュールの赤ワインよりも格上になる。


「とてもおいしいワインね?」

「このカベルネ・フランは、おいしいのが欠点かな?」


和音は、ソーミュール・シャンピニを飲んだ後、つぶやいた。


「ええ?どうして?」


良子は、和音がつぶやいた意味が理解できなかった。


「カネルネ・フランは長期熟成にも向いている品種なのだが、若い頃からおいしく飲める。

だから熟成される前に飲まれてしまうのだよ。」

「熟成された本当のカベルネ・フランの実力を知る機会がすくないというこですね?」

「そういうことです。」と和音が言った。


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