ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき ファースト(改訂) 88ページ目 マジシャンソムリエとの対決  

2012-04-14 06:44:44 | ワインバーでのひととき1改訂四話 完
【88ページ】


「あっ!」


紙を受け取った高木は、叫び声を上げた。


「ロゼワインだ! 狩野さんなぜ?」

「高木社長、紙の向きを上下逆に変えてみてください!」


高木が、紙の向きを変えて、見直すとシロらしき変形文字が書かれていた。


「これはシロの文字?」

「私が、和音さんの答えを書いている姿を後から見て、シロと判断させた文字です。」


 狩野の表情から悔しさが消えた。


「私のマジシャンとしての観察力を利用して、シロの文字と確信させ、実はシロの変形

文字を書き、逆さまにするとロゼに見える文字を書いたのです。」

「すると、和さんとのテイスティング対決は、引き分けではなく、我々の完敗?」

「そういうことになります。」


 この後、高木社長とマジシャンソムリエの狩野は、高木のとっておきのワインで

残念会をおこなった。 


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