ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき ファースト(改訂) 123ページ目 ロワール川巡り① 

2012-06-04 20:12:48 | ワインバーでのひととき1改訂四話 完
【123ページ】


「酸化するワインは、熟成しないワインということですよね?」

「日数が経てば経つほど劣化が進むので、熟成は期待できないね!

熟成によるよりおいしくなる味の変化を楽しむことができない!」


和音は、良子に同意しながらさらに話を続けた。


「ワインは、お酒の中でも最も古い歴史を持っていて、その証拠にエジプトの紀元前4,000年頃の壁画に

ワインの製造工程を描いたものがある。」


「ええ、そんなにワインの歴史は古いの?

すると6,000年の歴史あるワインを否定することになるのね・・・・。」


良子は溜息をついた。


「日本のワインメーカーは何を考えているのかしら?

ワインを育てるという意識はないのかしら? 」

「ヘルシーと偽り、原価の低いワインを売りつけたいだけ!」


和音は、笑って答えた。


「良子さん一人が悩んでもどうにもならないので、今夜は楽しく飲みましょう。

良子さんは、お店に来るお客様においしいワインを奨めて、少しでもワインのファンを増やすようにしては?」

「ええ、そうします。」

「マスター、もう1本のアンジュのロゼワインをお願いします。」


マスターは、カベルネ・ダンジュを抜栓し、グラスに注いだ。

このロゼはやや甘口から辛口まである。


「はい、カベルネ・ダンジュをどうぞ! これは甘口のロゼになります。」



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