ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき ファースト(改訂) 116ページ目 ペトリュスのなぞ?  

2012-05-25 19:54:01 | ワインバーでのひととき1改訂四話 完
【116ページ】


「長尾社長、業務提携の契約の件は安心してください。例え和音さんが間違っていたとしても、

私は負けを認めています。和音さんの自信に満ちた態度に圧倒されたのです。」

「ペリーさん、それでは2000年のペトリュスを開けましょうか?このペトリュスに負けない

ように10年後、20年後には我々も発展し、飛躍しましょう。」

「イエス!」

ペリーがうなずいた。

その時、再びペリーに秘書から電話が入った。


「緊急の知らせとは、どういうことかね?」

「先ほどの件ですが、オークションの出品者の息子さんの記憶違いが一部あったそうです。

正確には、1945年のペトリュス1本と彼の祖父のワイン1本が未開封で残っていました。」

「もう一本のペトリュスは?」

「それですが、彼の友人が遅れてパーティーに来て、1945年の高額なペトリュスに気付き

大声を上げた時、彼はもう1本のペトリュスをグラスに注ごうとしていたそうです。」

「それで?」

「はい、友人の大声で、注ぐの止めたのですが、数滴テーブルに零してしまったのです。

数滴減った分を、飲み終わった彼の祖父のワインの底に残った数滴分を足してコルクで

栓をしたそうです。後日ペトリュスのコルクが古くなって破損したいうことで、取り寄せ

付け替えたそうです。」

「結論としては、オークションで落札した1945年のペトリュス3本は、実はペトリュス

1本、彼の祖父のワインが1本、ペトリュスに彼の祖父のワインが数滴入ったのが1本

というこだね?」

「はい、そうです。」


ペリーは、電話を切ると、長尾社長に笑顔で話しかけた。


「あはは・・・、ペトリュス通を自認していたが、ペトリュスで完敗だ!」



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