ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき ファースト(改訂) 151ページ目 ロワール川巡り② 

2012-08-02 22:30:59 | ワインバーでのひととき1改訂四話 完
【151ページ】


「スーパーでの話で、お客が若い店員に、『鷹の爪ありますか?』と聞いたらしい。

すると店員は、申し訳なさそうに『置いてありません』と答えたそうだ。」

「それで?」

「彼女は、バックルームに下がると、吹き出しながら仕事仲間に話しかけ、

『お客が鷹の爪ありますか?』って聞くのよ! 『ここはスーパーよ、鷹の爪なんて置いているわけないわ!』と言った。

すると仕事仲間の女性が『ああ!』と叫び『そのお客様はどこ?』と捜しにいったそうだ。」

「鷹の爪って唐辛子のことだけどね。」


丸山と仲間が、テレビ番組の話題を話し終えた頃、美紀が彼らが注文していたワインを持ってきた。


「今日のお奨めのレブラです。」


ボードに書かれたお奨めワインは、スロヴェニア特集で、

スロヴェニアの地場品種レブラとソーヴィニヨナスとシャルドネの白ワインであった。


「僕らがかってに注ぐから、テーブルに置いといて!」


美紀が、レブラをテーブルに置くと、丸山が話しかけた。


「美紀さん、この店に鷹の爪置いてある?」

「いいえ、オオカミの爪ならあるけど?」

「オオカミの爪か、そうだよね、ここはオオカミグッズ売っている店だった!」


その時、入店を知らせるライトが光ったので、美紀はモニターの所に戻った。

オオカミグッズが並べられている店内に入って来たのは、田辺 良子であった。


「あら? おおかみこどもが映されているわ!」


彼女もしばらく、おおかみこどもを見入っていた。


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