【144ページ】
「大沢理事長、眠れる森の美女の話の内容をご存知ですか?」
和音が、大沢理事長に訊いた。
「ええ、民話なので、さまざまなパターンがあるようですが、私の知っている話
はこうです。
あるところに子供をほしがっていた国王夫妻に、ようやく女の子が授かった。
祝宴に一人を除き国中の12人の魔法使いが呼ばれ、魔法使いは一人づつ
魔法を使った贈り物をする。
11人目の魔法使いが、贈り物を贈った時、招待されなかった魔法使いが
現われ、王女に『王女は錘が刺さって死ぬ』と魔法をかける。
一度かけた魔法は取り消すことができない。
そこで、12人目の魔法使いは『王女は錘が刺さって100年間眠りにつく』
と修正の魔法をかけた。
100年後。近くの国の王子が、王女が眠っているという噂を聞きつけ、城を訪れる。
王女は目を覚まし、2人はその日のうちに結婚、幸せな生活を送ったそうだ。」
「大沢理事長、私が眠れる森の美女のことを訊いたのは、シャトー・ディッサンが
眠れる森の美女に思えたからです。
かつて一級シャトー、マルゴーと並び、
マルゴー地区の二大シャトーと称されていたディッサンが長い眠りにつき、
格付けにふさわしくないワインだと酷評されていた。
ところが、1994年に、王子が現れたのです!」
※錘・・・錘糸をつむぐとき、その糸を巻きつける心棒
「大沢理事長、眠れる森の美女の話の内容をご存知ですか?」
眠れる森の美女 クラシックバレエおひめさま物語 | |
クリエーター情報なし | |
講談社 |
和音が、大沢理事長に訊いた。
「ええ、民話なので、さまざまなパターンがあるようですが、私の知っている話
はこうです。
あるところに子供をほしがっていた国王夫妻に、ようやく女の子が授かった。
祝宴に一人を除き国中の12人の魔法使いが呼ばれ、魔法使いは一人づつ
魔法を使った贈り物をする。
11人目の魔法使いが、贈り物を贈った時、招待されなかった魔法使いが
現われ、王女に『王女は錘が刺さって死ぬ』と魔法をかける。
一度かけた魔法は取り消すことができない。
そこで、12人目の魔法使いは『王女は錘が刺さって100年間眠りにつく』
と修正の魔法をかけた。
100年後。近くの国の王子が、王女が眠っているという噂を聞きつけ、城を訪れる。
王女は目を覚まし、2人はその日のうちに結婚、幸せな生活を送ったそうだ。」
「大沢理事長、私が眠れる森の美女のことを訊いたのは、シャトー・ディッサンが
眠れる森の美女に思えたからです。
かつて一級シャトー、マルゴーと並び、
マルゴー地区の二大シャトーと称されていたディッサンが長い眠りにつき、
格付けにふさわしくないワインだと酷評されていた。
ところが、1994年に、王子が現れたのです!」
※錘・・・錘糸をつむぐとき、その糸を巻きつける心棒