ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき セカンド(改訂) 22ページ目 美しい切子のワイングラス 

2013-01-07 23:10:34 | ワインバーでのひととき2改訂三話まで完
「おっ、フランスのラングドックのワインだ」


鯵元社長は残念そうな表情を浮かべた。


「和さんを、確かに追い詰めた! 彼は迷っていた。

コルク片が入っていると言って、指をワインに入れたから?」


鯵元社長は、心の中で呟いていた。


「メルロの闘いでは、それを防ごう」


鯵元社長が気を取り直すと、


「カベルネ・ソーヴィニヨンの国名当ては、どちらも正解で引き分けでした。

次は、ボルドーの3種のメルロのワインのテイスティング対決です。」


3本のワインを示しながら言った。

それらのワインはラベルを隠すように紙に覆われている。


「3本の中から私と和さんが1本づつ選び、ワイン名を答えます。

それでは、私から選び、テイスティングをします。」


鯵元社長は、3本のワインに対して背を向けた。


「和さん、3本のワインを移動させてください。」


和音は、左右のワインを入れ替えた。

そして真中のワインと左のワインを入れ替えるそぶりをして元に戻した。


「ワインの移動を完了しました。」


和音が言うと、社長は振り返った。

そして真中のワインを手に取り、専属ソムリエに手渡した。