ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき ファースト(改訂) 52ページ目 マジシャンソムリエとの対決  

2012-02-16 22:51:34 | ワインバーでのひととき1改訂四話 完
【52ページ】  ファースト第二話 マジシャンソムリエとの対決 


 スポーツ品メーカーの社長の高木が、行きつけのワインバーに立ち寄った。

その店は、ワインバーとしては、大きいほうであった。

そして、カウンター席とテーブル席は、いつも満席である。


 人気の秘密は、お勧めワインリストに198本載っていて、そのどれもが1本

1,980円とリーズナブルなのだ。

もうひとつの人気の秘密は、その店のオーナーの息子のソムリエのワインマジック

であった。そのワインバーの店名は、『ワインバー狩野』であるが、馴染みの客の間

では、『マジックワインバー』と呼ばれている。


 社長の高木がカウンターの奥の予約席に着くと、テーブル席の客がワインの注文を

していた。

「ワインのボトルを追加します!」 

「どのワインにしましょうか?」

オーナーの息子のソムリエが聞いた。

「ワインは、マジソムに任せるよ!」 

オーナーの息子のソムリエは、ワインマジックでお客を楽しませるが、マジックを

するソムリエということで『マジソム』と呼ばれている。 

「こちらのチリのワインは、いかがでしょうか?」 

「赤ワイン? チリカベ? それでいいよ!」 


 マジソムは、チリのカベルネ・ソーヴィニヨンを抜栓した。

そしてボトルを紙で覆ってから、お客のグラスに注いだ。