ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき ファースト(改訂) 49ページ目 女性ソムリエとの出会い

2012-02-13 22:50:14 | ワインバーでのひととき1改訂四話 完
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そして、良子はボーヌの赤ワインのグラスを手に取り、一口飲んだ。

「あら不思議! あんなにスパイシーだと思ったワインがおいしく感じるわ!」

和音もボーヌの赤ワインを飲みながら、良子に話しかけた。

「日本人にとっては、このボーヌ村の赤ワインとヴォーヌ・ロマネ村の赤ワインとを

間違えやすいよね?」

「私もソムリエ試験の勉強を始めた頃は混同していました。ブルゴーニュのワインの

産地は、北側のコート・ド・ニュイ地区と南側のコート・ド・ボーヌ地区に大きく

分けられますね?」

「そう、そこがポイントだ!」

和音が強調して言った。

「はい、前者は傑出した赤ワインの産地が多く、後者は傑出した白ワインの産地が多い」

「そう、そう」

和音が相づちを打った。

「そしてヴォーヌ・ロマネ村は、コート・ド・ニュイ地区の中でも最も有名な赤ワイン

の産地で、ロマネ・コンティを産するのです。」

「するとこのボーヌの赤ワインは?」と和音が聞いた。

「傑出した白ワインの産地が多いコート・ド・ボーヌ地区の中でボーヌ村は白ワイン

よりも赤ワインが多いそうですよ」

「ブルゴーニュのワインのお話で弾んでいるところですが、本日のもう一つのお勧め

ワインはいかかですか?」

マスターは、二人にお勧めワインのボトル見せた。