ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

5 フレンチの若き天才 17ページ目

2011-01-07 20:36:39 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
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社長    どういうこと?


和音は、微笑んでいるだけで答えなかった。

社長は、シェフの植村の方を見た。


シェフ   完敗のようですね?  

社長    完敗?

      二人の言っていることが理解できないが?


シェフの植村は、料理に使ったワインを手に持って、それを覆っている紙を

取り払った。


社長    シャトー・ロックドポーレ2006年ではないか?

      それがどうして完敗なのだ?

シェフ   和音さん、社長に分かるように説明お願いできませんか?

和音    子羊の香草ハーブ仕立ての赤ワイン煮込みには、シャトー・ロックドポーレ

      が使われています。

      しかし、この料理の中に、かすかであるが、気になった香りがあったのです。

社長    気にかかった香り?

和音    燻製の肉のような香りを感じとったのです。

      赤系や黒系の果実香やスパイスの香りと共に燻製の香りを感じ取れる     

      ワインに、第1特別級(B)のシャトー・アンジェリュスがありますね?

社長    第1特別級(A)のシャトー・オーゾンヌとシャトー・シュヴァル・ブラン

      に次いで、サン・テミリオンの3位に位置するワインですね?