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詐欺師の手口と暴き方『水を石油に変える人』

2024-07-14 07:41:53 | 歴史から学ぶ
明治から大正、昭和にかけて詐欺師による政府・軍部を巻き込んだ莫大な資金詐欺を連ねたこの小説は面白い詐欺の題目は「藁から真綿」、「水からガソリン」など国家の中心となる人物等が巻き込まれた詐欺の実話である。時制は戦争へ突入しいよいよ石油・ガソリンの需要が一気に伸びる時期であり、一攫千金等を夢見た詐欺師たちはもとより専門研究者、大学教授、海軍大臣含む海軍省の将校山本五十六ら多くが騙された。それは巧妙な「手品」を使い実験を見せ、また箔がある大学教授を洗脳させ口添えなどの仕込みにも抜かりはなく、協賛金・寄付の多くは会社設立の資本に充てたが実際の生産までには至らず裁判で逮捕されている。「イカサマ」を暴くための仕掛け、一攫千金を夢見た法政界の人々の思考など面白い。この「水からガソリン」は日本のみならず、米国、中国、ドイツ、イギリス等でも詐欺師があったという
『水を石油に変える人』山本一生
「概要」真珠湾攻撃の三年前、海軍省で三日三晩の夜を徹した実験が行われる。その「街の科学者」は海軍次官山本五十六や、後に「神風特攻」を考案する大西瀧治郎らの前で、水をガソリンに変えるのだという。石油の八割をアメリカからの輸入にたよっていた日本は、ドイツと同様人造石油や出もしない油田の採掘など、資源の確保に八方手をつくしていた。そうした時に、水を石油に変える科学者があらわれた、というのだ。しかも、その「科学者」は、立派な化学メーカーが後ろ楯となり、帝国大学教授のお墨付きまでもらっていた。
ー山本五十六の夢であるエネルギー産出「水からガソリン」さらには「藁から真綿」事件など
大正十四年春、山形県庄内地方に姿を見せた詐欺師は、「藁から真綿」をつくる実験によって貧しい農民たちに希望を与える。帝大教授も保証する製造法だったので事業化しようと話が持ち上がり、資金集めが始まった。だが秋を迎え、特許を取得しようとするのだが……。
ーカツクマ・ヒガシと東勝熊
詐欺師の一味には、華麗な経歴を誇る男がいた。衆議院議長の甥で、ニューヨークでは柔術家、ベルリンでは社交倶楽部の経営者、そして日本では石油輸入会社の専務取締役。波乱の人生の終着駅に立っている男に、どこからか悪魔の囁きが聞こえてくる。
「藁から真綿」事件(1924年山形庄内地方)帝国大学教授の舟橋了助博士らが勧めた
    海軍中将佐藤鉄太郎、海軍技師等を参加させ実験を試行、当時50万円等を資金調達
    「仕掛け・手品」猿股に真綿を隠し持って藁が入っている鍋に入れた
・「海水からアルコール」のちに「水からガソリン」へと変わる 千葉勝浦沖 大正14年 
    軍需局局長藤原英三郎等契約 資本金50万円にて設立
    「仕掛け・手品」(薬品の入った瓶の入れ替え)
・詐欺師 本多維富、舟橋了介、北村貢、東勝熊 四人
    詐欺師から科学の人へ(帝国大学での実験)で教授を洗脳させる
    京都大学理学博士田中宗愛などへの面談、洗脳
燃料「オクタン」米国との質的に目劣りしており精製技術も遅れていた
    昭和9年100オクタンで時速349kmの米国に対し日本は87オクタン20~30%減
    支那事変:中国の戦闘機の餌食にされるほど低質ガソリンだった(中国は米国から輸入)
代用品時代(国家総動員が発動した1939年)
    軍装や馬具などはサメ、鮭、へび、くじらが代用された
    廃湯・魚油からガソリン、草から、水からガソリンとまで比喩
ーベルリン日本倶楽部設立者 玉井喜作(札幌農学校ドイツ語教授)
    明治25年11月~明治39年没「オストアージアン東亜」発行



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